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宮本武蔵、龍を斬る⑤
王都で借り受けた軍馬に乗り、武蔵はシロン村に続く街道を駆けていた。同じく軍馬に跨り並走するのは王都で知り合ったアイシアの同期、ポーラだ。
ポーラからアイシアの窮地を聞かされた武蔵はすぐさま王都を出てシロン村に行こうとしたのだが、それはポーラによって引き止められた。シロン村は王都から遠い。早馬でも走らせない限り救援は間に合わないと説得されたのだ。
ポーラは武蔵を伴い自身が所属する第三軍の軍団長ユトナ・フォリンのもとを訪れ何事か相談すると、すぐさま第三軍の軍馬を武蔵に貸してくれた。ただ、軍馬を貸す条件として武蔵に同道することを求めてきたのだ。これはどうもユトナ・フォリンの指図らしいのだが、その裏にどういう意図があるにしろ断る手はない。言いつかったポーラも友人の窮地を放置しておくことは出来ない、自分もアイシアの力になりたいのだと言っていた。
そういう訳で、武蔵はポーラと共にシロン村に向かっている。もう三日、馬の疲労も度外視してほぼ休まず走り続けている。ポーラの話だと、このペースなら翌日の昼頃にはシロン村に着くだろうとのことだ。
「待っていろよ、アイシア。俺が着くまで持ち応えろ……ッ!」
街道を走りつつも、彼方にいるであろうアイシアを見据えて武蔵は呟いた。
あざっした。




