表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ムサシNEXT ~宮本武蔵、異世界に転生す~  作者: 西村西
第一部『宮本武蔵、異世界に転生す』
1/23

天下無双、宮本武蔵

初オンライン小説やります。

日本史上最強の剣豪、宮本武蔵。生涯において六十余回の真剣勝負を行い無敗。特に岩流の剣士、佐々木小次郎との勝負は後世にまで名勝負として語られている。



 老境に至り、己の死期を悟った武蔵は老後の多くを過ごした熊本藩にある洞窟、霊巌洞に篭って日々座禅を組み、眼前に迫る死をただひたすら待っていた。

 光の射さぬ洞窟の闇の中、死を前に武蔵は己の過去のことを思い返している。齢十三で真剣勝負を経験してからというもの、強者を求めひたすらに剣を振って戦い続けてきた。京の吉岡、奈良の宝蔵院、宍戸梅軒、何より岩流佐々木小次郎。己が戦い、打ち倒してきた強敵たちの顔が脳裏に浮かぶ。

 戦にも参加した。父、新免無二に従い東軍として戦った関ヶ原に、徳川方として参戦した大坂の陣。

 まさに戦いの人生。ただ剣を振るのが楽しく、強くなることが嬉しく、強者と戦うことが生き甲斐であった。真剣勝負という刹那の中に身を置くことが何より好きなのだ。


「………………まだ、戦いたい。剣を振りたい。もっと強くなりたい」


 薄れゆく意識の中、武蔵はボソリと呟いた。

 それは、死を前にした嘘偽りのない本音である。老いてなお、命尽きる時になってなお武蔵は剣に対する情熱を燃やしていた。

 やはり、最期も剣。己の心の中で、依然として刃が輝いている。

 もし、生まれ変わりというものがあるのならば。次の人生があるのならば。そう夢想せずにはいられない。

 出来ることならば、次も人として生まれたい。出来ることならば、また剣士として生きてゆきたい。そして出来ることならば、また強敵たちと切磋琢磨したい。

 出来ることならば、出来ることならば。

 そうして、武蔵の意識は闇の中に落ちてゆく。

 正保二年五月十九日、宮本武蔵は六十余年の生涯に幕を閉じた。



 そして目覚めた時、武蔵の目に眩いばかりの朝焼けが差した。

あざっした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 宮本武蔵の新たな伝説が始まるのですね、ブクマ、ポイント入れさせて頂きました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ