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海の民 第一章  作者: 来栖 傳
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歌うたいは何故小説家になろうサイトにハマるのか?

古代西洋風の国から英雄ヒーローたちが、古代日本に似た島国を目指します。

なんでこんな奇妙な世界なのかは、徐々に明らかにされます。


初めまして、来栖傳と申します。「小説家になろう」は初投稿ですが、物心ついて50余年アナログ作品に始まり、徒然なるままにその日暮らし、趣味全開の小説や作詞作曲した作品を地方でほそぼそ作ってきました。ファンタジー妄想多めなので、人生も大変苦労しました(笑)が、最近はいい時代となりましたね。

「もう、くず野菜を煮込むだけの仕事には、飽きたんですよ」

シオジは何度目かの愚痴を言いながら、薄くなりかけた頭を隠している手拭いを脱いだ。ここは港町サーガの駐屯軍の厨房で、シオジは見習いとして皿洗いとスープを担当していた。数日前に退職を願い出たが、本当の理由のほかに仕事がつまらなかったからなのは事実だ。

 視線の先には、頭一つでかい男が扉を背にして立っていた。男は、にやりと口角をあげて見せた。

「そんな戯言を聞きに来たんじゃない。おめーらは何を考えている。さあ、吐け!全部話して、楽になれ」

「だから、何の話なんです?カンジさん」

「ふん、俺たちが何も知らないとでも?おめーらのチームが船出しようと計画しているのは、わかっているんだ。その計画の中に、特別な方が居られるのもな」

 カンジは、いつものように直球で尋ねる。

「そりゃカンジさんを遣わしたのは正解ですね。俺は、カンジさんには嘘はつけない」

 シオジは、心の中で(物理的にできるはずもない)と付け加える。いかにシオジがA級冒険者チームの一員であったとしても、単独でこの「剛腕カンジ」にかなうはずは無い。しかも退職するまでは軍の上司でもある。

「ただし、ヒメさんが何をどう考えているのかなんて、俺は知らないし、何よりもお付きのあんたが訊けないことを俺らが訊けるわけもないだろう?」

 これは嘘ではない。真実を語っているわけでもないが。

「ぐるるる、そうすればヒメミコ様のやはり独断か…お前らはそれに乗っかるつもりか?」

「それには、こう答えますよ。俺は、あんたに嘘はつけない。だから、答えたくない」

「そうか…俺のためにわかりやすく、教えてくれてありがとう」

 子供のころのように、カンジに頭を撫でられながら、シオジは返す。

「だからぁ、俺は教えていないんだってぇ。馬鹿か!あんたは。この火力担当め」

「そう、火力担当の俺は難しいことはわからん。だから今回も力を貸すぜ。まあ感謝は形で見えるもので頼む」

満足そうにカンジは回れ右をして、厨房を立ち去ろうとする。

「それとだ、年上に馬鹿とは言うな。それとくず野菜ではなく、皆の糧食だ。そしてここは俺が世話したお前の職場だ。簡単にやめれると思うな」

「はいはい」答えながらシオジは、これでヒメさんの夢が国家事業と成り、軍との協同となることを予想した。


火力担当バカと言われる理由…

カンジはもう10年になるな。と、思い出す。

「特別な人」との初対面を。

その方からこの名を授けられたのだ。

彼女は白い花のような笑みを彼に向け、そう言い出したのだ。

「ふーん。あなたがなるのね?火力担当に。ね、タズカラオ?」

「「「カリョクタントウ?」」」

当時、謁見に立ち会った少数の者が、同じ言葉に食いついたのは、良い思い出だ。

「いや、それよりも何故、俺の真名を知って居られるのか」

カンジは別の疑問を抱かざる負えなかったが。

「あ!やば。そうか、そうね、、、、えー、あなたはえらい人物になるの。それはあたしの先読みに出ています。真名もそれで知ったの」

少女がやけに饒舌になっていることにも気づかず、カンジは驚き恐れ跪いてしまった。

特別な人は、やはり特別なのか…と。

「この剛腕カンジは誓おう。ヒメミコ様のご生涯は、われの手にて守ることを。カリョクタントウとして死しても仕えることを」


・・・・・(数日前、港の酒場)・・・・・

シオジは待っていた男が現れると、一杯の酒をさし渡した。

テーブルの傍らには、若い女がもう一人座っていた。

「来たわねジダン。あなたの愛しいヒメちゃんは、ご機嫌いかが?」

その瞬間、ジダンは口内の酒をテッポウオのようにぴゅうと吹き出し、慌て始めた。

実にわかりやすい。

「サクラ、だから俺にはそんな気持ちなんて無いって」

「馬鹿で、童貞だから、気持ち悪いわ」

「ど、ど、童貞って。このばばあ!」

ジダンが、真っ赤になって立ち上がった。

「悪口もあい変わらずガキね。ヒメちゃんとあたしと同い年なんだけど?知っているでしょ」

「ヒメ様は、お前とは違くて。そ、そうだ、あれだ、清すぎて神様が年を与えるのを忘れているんだ」

馬鹿め。

もう話を始めても良いかな?


シオジはいつもどおりに遠くを見る表情をして、彼らを見ていた。

シンガーソングライターとしての来栖が、久しぶりにまとめた歌「海の民」の設定集として小説を書き始めました。ふつうは小説があって、その主題歌として曲を作るのだと思いますが、僕の場合逆になることが多くて…ただプロットは、数十通りのものが脳内で出来ていて、今回はどのルートを進むのかはタイピングの乗り次第なところもあります。

ご笑覧を賜れば幸いです。2021.5.13本文加筆修正

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