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幕間 ヒロインの協力者

「コーデリアじゃなくて、私がヒロインになるにはどうしたいいのかしら?」

異世界知識であの座を射止めたなら、私にもなんとかなるはず。

だって私も同じ条件だし…

「チョコレートはもう出されてしまったけど…まだまだ手付かずの分野はたくさんあるわ。」

相手が自重しないなら、私もやりたい放題してやるわ。


この世界にないものをガンガンつくって、やっぱり私しかいないって思ってもらうのよ。

…でも、私どちらかといえば、前世での目標は有能で稼ぎと顔がいい旦那さんをゲット。

それで、自分は家で家政婦を雇いながらまったり待っていたかったのに。

ついでにエステに買い物にネイルに通って、主婦軍団のボスになるの。

そんな人間だから、せっせと仕事をして、自分が活躍したい願望は皆無だ。

自分が、王妃でも先頭切るつもりとかなかったし…


みんなに愛されながら、何もしなくていいよ。

いるだけで素晴らしいって言われて、自分が主役のお茶会を毎日開催する日を夢見ていただけ…


「省エネ攻略を邪魔するなんて…許せないわ。」

いろいろと計画を練っているが、今ひとつ決め手にかける気がする。

机の上には、できる事や知識を書き出したメモ書きがある。


思い悩んでいると…

「もしもし、失礼いたしますわ。」

肩を叩かれてそちらを見る。


そこには、ピンク色の髪の女の子と紫色の髪の女の子がいた。

「はじめまして、私はアンナ・コルキス。男爵家の四女ですわ。こちらは友人のソフィア・エピメディア。エピメディア子爵家の三女ですの。」

この子達って…

ゲームではコーデリアの腰巾着じゃなかった?


たしかアンナは、かなりの性悪でコーデリアとはかなり意気投合してバカなコーデリアの代わりに計画を立てていたのは彼女だったような。

それでも、コーデリアがマヌケだからやり方がかなりバレバレになっていたけど。


「あら、アンナ様にソフィア様ね?どうかなさりましたか?」

にっこりと笑いかける。

「…単刀直入に申し上げますわ。コーデリア嬢が邪魔ではありませんか?彼女のポジションは自分にこそ相応しいと感じた事は?」

「…何を言っていらっしゃるのか…」

「貴女が、コーデリア嬢に不満を持つ令嬢と最近よく会っているのはわかっています。それに、貴女の眼を見ていればギルバート殿下をお慕いしている事も存じております。…コーデリア嬢が邪魔ですわね?」

「ですが…貴女達はエカチェリーナ嬢の友人では?彼女も、殿下の妻を狙っていらっしゃるでしょう?」

「…エカチェリーナ様は…家柄は良いのですが、猪突猛進すぎて計画条件に合いませんの。それに、スキルも貴女の方が魅力的ですわ。」

「計画?」

「ええ、私達の望みは、友人を王妃にする事。」

「貴女達にそれで何かいい事が?」

自分がなぜ王妃にならないのだろうか。

「…。残念ながら、我々は自らが王妃を狙えるほどの能力と見た目が伴わない事を知っておりますの。それに、王妃などという面倒な立場ではなく、自由にできる身分が欲しいですし…王妃の友人ともなれば…貴女を通じていろいろと、便宜をはかっていただけるでしょう?友人の家をちょっと昇格させるですとか…良い縁談をいただくですとか。ねぇ。」

ふーん?

なるほどね。

自分達は危ない橋を直接渡らずに、計画立ててやるから美味しいとこ取りさせろって事ね。


なかなかいい性格してるわね。

でも、こういうオトモダチなら歓迎だわ。


「そう。いいお友達になれそうだわ。アンナにソフィア?」

「ええ、アリア。私達に任せて頂戴な。」

「アンナの言う通りですよ。今から計画の最初の段階をお話しますわね?」


「まずは、貴女は私の友人として、エカチェリーナ様と友人になります。」

「ええ。」

「そのあと、貧乏貴族に恩を売りまくります。」

「え?」

「貴女、治癒系スキル持ちよね?」

「ええ。でも、ポーションが売ってるわよ?」

最近はポーションが破格で手に入るから、私はいらないのでは?

「…。はあ。」

なんとなく、コレだからバカは嫌ね。

みたいな顔をしている。

「ポーションが売り出されましたので、今が、売り込む最後のチャンスなのよ!」

「アンナがいいたいのはつまり、ポーションがさらに普及する前であれば、まだ貴女の力は使いようがある、という意味ですわ。」

「?」

ソフィアが続ける。

「まず、一部の貴族は没落寸前で、中級ポーションを買う余力がありませんし、ポーションをまだ怪しんでいる層もいますので、無償で治療を行う事で、今のうちにまとめて貴女の味方にするのです。」

落ち着いたらしいアンナがさらに続ける。

「それに、ポーション使用に対して保守派の方々には有力な貴族も多くいるの。その人達に恩を売れば、相応の力になってもらえるわ!」

「アンナ…ソフィア…素晴らしい考えね!」

痛いのは嫌だし、今となってはお父様がくださった苦痛緩和の魔道具がない事が悔やまれる。

お父様に言って送っていただかなくちゃ。


それでも、とてもヒロインらしい素晴らしい行動なので、自分がやるのは嫌だがやるしかない。

無償だとお金にならないが、コーデリアのポーションに対抗するにはこれしか無い。

私のヒール能力は並の神官よりはかなり上で、中級ポーションくらいの性能があるので、ポーションに引け劣る事はない。


「あら?これは…」

アンナが机の上の資料を見る。

「まあ!……。」

資料を見て絶句するアンナ。

そんなアンナをみてソフィアも資料を覗く。

「っ?!」

2人は顔を見合わせる。

「ねぇ、アリア。これ貴女が書いたのよね?」

「え?ええ…そうだけど…」

何か不味かったかな。

「これ面白い資料だからいただきたいのだけれど、いいかしら?」

「いいけど…」

私のせっかくの無双アイデアが…

でも、2人は協力者だから仕方ないのかな。

「もちろん対価は支払いますわ。……ミスリル金貨1枚でいかが?それに、貴女の為にならない使い方は決してしないと約束するわ。」

ミスリル金貨って…

たしかとんでもなく高額金貨だったような…

軽く1000万円以上だった気がする。


「私に不利益にしないならいいわ。協力者としてのお願いよね?」

「ええ、もちろんそうよ。私達、お友達でしょう?これを効率よく使えるように、上手に作戦に組み込みたいのよ。」

ふんわりと笑うアンナの言葉に嘘は無さそうだ。


「じゃあ、明日から早速アカデミー内から回るから、体調整えておいてね。」

軽く言うと、2人は出て行った。


「ふふふ…!やっぱり私の世界だわ!!ピンチにもきちんと、お助けキャラが用意されているのね!」

すっかり安心したアリアは、その日はグッスリと眠るのだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] >コーデリアじゃなくて、私がヒロインになるにはどうしたいいのかしら? その思考が失格な件
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