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第82話 異文化試食会

今日はアカデミーの休日なので、商会の広間にフローレンス様、メアリ様。

それからサラ、シーラ、ギルバート、リュカ様、メルヴィン、レオナルト様、お父様とアルメリア伯爵、モリスさんとミモザさんも招いて試食会を開催している。

カロンとイオももちろん参加。

いつもとは趣向を変えて、アジア料理の試食会を開催予定だ。

大好きな和食がどこまで受け入れられるか、ちょっと調査してから市場に出したいので、きて欲しいと招待状を出したところ、みんな来てくれたのだ。

お父様とアルメリア伯爵は特に、面白そうだとノリノリだった。


「今日は皆様に、いつもとは少し変わった料理を召し上がっていただきたく思いますわ。」

セシルがみんなにアンケート用紙を配る。

「今お配りしたアンケート用紙に、料理の前にある番号札の番号。5段階での評価は必須。他は任意で改善点、良かった点、味や食感の感想をお書きください。名前を書く必要はございませんので、忌憚のないご意見をお待ち致しておりますわ。」


今日のメニューはバイキング形式で用意している。

出来立てが美味しい物は、ミリーとウィリーが作ってくれる。

2人は作るのが猛烈に早いので、この人数なら難なく回せるだろう。

1、おにぎり→鮭、昆布、ツナマヨ、チャーマヨ、梅干し

2、筑前煮

3、炊き込みご飯→アサリ、鳥五目

4、ちらし寿司

5、だし巻き玉子

6、エビチリ

7、チャーハン

8、ラーメン→塩、醤油、味噌、鶏白湯

9、パッタイ

10、カオマンガイ

11、カレー→北インド風チキンカレー、マッサマンカレー、日本風カレー

12、肉まん

13、小籠包

14、中華丼

15、牛丼

16、お好み焼き→海鮮、豚玉、モチチーズ


1番大変だったのが、カレールーの調合。

ルーを料理本で作るだけなのだが、スパイスのコンプリートと、材料集めがちょっと大変だった。

いざルーを作る時も、辛さやスパイスの配分、色味や香り、塩加減など、こだわって作ったので、中々大変だった。

その分たぶん美味しいはずなので、モリスさんあたりがオッケーでて、庶民向けのお店でも開けないかな…?と思っている。


「皆様に行き渡りましたわね?では、お好きな物からご試食ください。」


「では、伯爵、参ろうか。」

お父様がワクワクとテーブルに近寄る。

ちなみに、酒好きの為にお酒もタップリと用意してある。

「はい!公爵…私はあの何やら香ばしい香りがする物から、行きますぞ。」

アルメリア伯爵はお好み焼きが気になったようだ。

「ねぇ、メアリ。この可愛らしい食べ物を食べてみない?」

「…うん…。とってもかわいい…」

フローレンス様とメアリ様は、花型に切ったにんじんや桜でんぶ、錦糸卵などで可愛らしくデコレーションしたちらし寿司が気になるらしい。

一つ一つ手毬寿司になっている物もあるので、そちらもおすすめだ。


ギルバートとメルヴィンは、おにぎりを不思議そうに見ている。

「この黒い紙のような物はなんだろうね?…しかも、ウメはとても酸っぱいので注意!!って書いてあるよ?」

「………もぐもぐ。…美味い。」

メルヴィンは意を決して、おすすめの表現をしたツナマヨを食べてみている。

中々気に入ったのか、マヨ繋がりでチャーマヨにも手を伸ばす。


リュカ様とイオはお酒を飲み、テーブルに落ち着いている。

そして、食べたい物をリュカ様の配下に言って取らせている。

いかにも2人らしい食べ方だ。


レオナルト様は生真面目に、一品一品味を少しずつ見ながら…

「!!これは中々…うむ。こちらは少々クセが強いですね。」

などと呟いている。


カロンは言わずもがな。

誰よりも量を食べている。

「ニンゲンにしてはってイミだけど…まあまあ美味い。…こっちは…まずまずだね、おかわり。」

ミリーから小籠包のおかわりをもらっている。


「コーデリア!こんなに楽しいイベントに、お誘いいただきありがとうございますわ!」

サラは楽しくて仕方ない!と言う顔をしている。

「ええ、そろそろ地上の食べ物は食べ尽くしたかと思いましたがぁ…まだまだで嬉しい限りなのですぅ。」

そう言うシーラは人魚族だ。

実年齢がいくつなのか聞いたことが無いけれど、なんとなくかなり歳上と思う発言がある。

アカデミー入学を人間年齢で成人くらいと当てはめている種族が多いので、シーラもそうなのだろう。

別に海鮮も問題なく食べられるらしく、普段からパクパク食べている。


「お2人とも、何か気に入っていただける品はあったかしら?」

「ええ、もちろんですわ!」

「はい、ですぅ。」

サラとシーラが勢いこむ。

「かれーが大変美味しゅうございましたわ。レストランで出していただきたく思います。これ限りなんて寂しいです。」

「カレーはどれが良かったですか?」

「…ふむ。甲乙付け難いですが…わふうなる味が好みでしたわね。かれーのように刺激的で不思議な味わいは中々ありませんわ。しかも、明らかに、貴重なスパイスをこれでもと使用した大変贅沢な一品ですもの…通常あそこまでのスパイスは、中々使えませんわ。一振りだけでも、それはそれは贅沢ですのに…複数のスパイスをタップリだなんて…信じられませんわ。」

「頑張りましたので、そう言っていただけて嬉しいですわ!」

スパイスはノーマン印だから、最初の仕入れ値しかかかっていないのだけどね。


次は私、という風にシーラが口を開く。

「だし巻き玉子と炊き込みごはんが、気に入りましたぁ。だしまきはダシなるスープがふんだんに含まれていて、ふわふわじゅわっと最高ですぅ。炊き込みご飯は、甘味と塩気の両方のライスは珍しいのです。おいしかったですよぉ」

「嬉しい感想ですわ!」

…意外にもみんなの口にも和食は合うのかな?


「ただですね。私達はぁ、コーデリアを知っていますから、すんなり食べようと思いますが。もしかしたらぁ、ちょっと躊躇う食べ物もあるかもなのです。」

「そうね。シーラのいう通り、おにぎりやどんぶり、かれーにらーめんなどは、コーデリア嬢が変な品を出さないとわかっていないと、中々手が出ないかもしれませんわ。」

「なるほどね。助かりますわ。」

「ええ、でも宣伝をいつものように上手に行えば、半分以上は受け入れるはずよ!」

はい、とアンケートの束を返してくれる。


「シーラ。アンケートも終わったし、ここからは思い切り食べますわよね?」

「もちろんなのですぅ。」

シーラも私にアンケートをくれると、目をキラキラさせてテーブルへ戻っていった。


おにぎりのウメはやはり不評のようだが…

他の品々に関しては、モリスさんとミモザさんの反応も上々だし、ちょっとアンケート期待しても大丈夫かな?

そう思ったコーデリアだった。

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