第81話 魔道具研究会
アリアは悩んでいた。
自分にはいくつか切り札ともなる情報がある。
それを使って、教える代わりに結婚を!!と言うのは、あまりにもヒロインらしくないと思う。
でもかと言って、条件も付けずに教えても、それでなんの好感度もあがらなければ、無駄になってしまう。
「ギルバートの父親を暗殺した実行犯…この情報が1番の切り札よね。」
大事に温存しながらも、信用を勝ち得たらここぞと言う場面で教えてあげるのだ。
何故知っているのかと聞かれたら…
予言能力だと言うか…
ヒーラーの仕事をするうちに知り得てしまったとか…
これが一番いいかもしれない。
言い訳は必要だろう。
「原作だと…リュカが頑張って、割と後半に調べ上げるのよね。」
その前までに教えてあげれば、自分の価値は否応無く高まるだろう。
何しろ、ギルバートが1番知りたい情報なのだから。
「でも…なんとかして私に嫌がらせしてもらわないと!ギルバート以外の好感度イベントが発生しないのよ!」
「分岐がわからない以上、得意な事で攻めるしかないわよね。」
コーデリアの悪評を流し、コーデリアが自分を責める場面を作る。
できれば、攻略対象全員の前が、いい。
そこですかさず泣き、攻略対象にコーデリアの本性は悪人だとわかってもらうのだ。
ちょっと前までは子爵夫人が悪評を流しまくっていたから、悪評は簡単に広まるのではないか。
ゲームのコーデリアの酷さを知っている、アリアは楽観的に考えていた。
「コーデリアなら、ちょっとプライドを刺激すればすぐに嫌がらせをしてくるはず。そこですかさず作戦実行よ!」
コーデリアが、ポーションを世に広めた立役者だと、いう事実には目を向けず、決意を新たにするアリアだった。
………………………………………………………
今日は新しく立ち上げる、魔道具研究会の募集の日だった。
午前と午後に二回募集をかけて、ダメだったら明日も募集する予定だ。
説明会の会場には、思ったよりも大勢の人が集まっている。
「皆様、ご機嫌よう。私は代表のコーデリア・アッシュベリーと申します。今日は皆様に、どのような魔道具を開発していただきたいのか。そして、それにより何が得られるのかをご説明いたしますわ。」
みんな真剣に聞いている。
「では、まずはこちらを。」
セシルとメイドに、会場のみんなにアイスクリームとブランデー、チョコレートを出してもらう。
「これは…食べた事があるぞ。」
「この冷たい食べ物はなんだ!!美味い!」
「おかわりが欲しいな。」
チョコレートやブランデーは販売しているから、食べた事がある人もいるみたい。
アイスクリームはみんなびっくりしているものの、美味しそうに食べている。
ちゃっかりおかわりまでしている人もいる。
「今皆様が驚いている食べ物は、アイスクリームと言いまして、牛乳を冷やして固めた物です。チョコレートやブランデーは販売しておりますので、なじみがある方も多いようですね。」
「ま、まさか!!これを制作する魔道具を?」
「ええ、他にもこう言ったものが欲しいのです…」
全員に欲しい物の資料を渡す。
そこには、お芝居を記録した魔石…DVDの代わりや、歌を録音した魔石…CDの代わり…
他にも、ゆくゆくの目標として通信機器の絵も載っている。
みているうちに、会場の人達の顔色がどんどん変わり、場が熱気をあげていく。
本当は、車は飛行機もあるけれど、そういうのは本当に仲間になってからにしようと思っている
「つまり…自分達は発案力が無くとも、開発力を認めていただければ、長きにわたり雇用していただくチャンスがあるわけですか?」
「ええ、もちろんです。アカデミーで共に開発してくださる皆様は、成功時にはチームごと雇用いたします。」
「成功報酬や、月々の手当もいただけるのでしょうか?」
「報酬は成功事にはもちろんボーナスをお出しします。…例えば、今のアイスクリームの魔道具開発チームには、チームに白金金貨1枚お支払いいたしますわ。」
途端に部屋がザワザワし始める。
「白金金貨!見た事もないぞ。」
「生涯の安定…ポーションのコーデリア嬢についていくのはやはり悪くないか。」
ここに集まっているのはほとんどが、貴族の次男三男およびそれ以降。
それと、結婚より働きたい貴族の娘さん達だ。
男性の方が多いが、この世界ではまだ仕方ないのだろう。
「もし興味を持っていただけるなら、秘密保持契約を結んだ上で、ぜひ当会に入会ください。」
最後にニッコリと笑って登録係のレオナルト様を案内する。
どうかな…とドキドキしていたが、なんと15名の人が入会してくれた。
内訳は人間が5人、竜人が8人、ヴァンパイアが2人だ。
午後の説明も終えて、レオナルト様と休んでいる。
「はあ…まさか合計いきなり32人も集まるとは思っていませんでしたよ…」
「そうですか?僕としては妥当な数だと思いますよ。」
「だってうちに来ると、ほぼ生涯雇用ですから、そこは王立魔道研究所を目指すものかと…」
「ふふふ。以前は、そうでしたが…今や開発部門の台風の目はコーデリア嬢かと。」
「やはりポーションですか?」
「それもありますが、あれらの品々の開発元がコーデリア嬢だとわかった以上、他に当たるメリットは名前と給金ですが…給金は正直お嬢様の方が出し惜しみしていませんから。」
「無名の研究会からどんどん新作がでる…楽しみですね、レオナルト様!」
「ええ、本当に楽しみです。」
研究室はかなり広めのを確保したので、明日からみんなと一緒に頑張りたいな、と思うのだった。
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