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第9話 コーデリアの決意

ギルバートがまさか、王子様だったのはびっくりしたけど…

「リアお姉ちゃん、これからも仲良くしてくれますか?」

「えっ?もちろんよ!…というかむしろ私、殿下にご無礼ばかり働いているのですが…」

「無礼とは思っていませんし、ぜひ昨日までと同じように可愛がってくださると嬉しいのですが…」

手を前で組んでこちらをウルウル見つめてくる。

ウッ、あざと可愛い。

「わかったよ、ギル君。今まで通り仲良くしましょうね。」


その後2日は、借りた土地の草むしりやら散歩やらをしてみた。

うーん。

素人にはやっぱり無理かな。

とりあえずまた、今日はギル君にご飯を届ける日だから行かないと。

メルヴィンに声をかけて早速出かける。

「おはよー!!」

「リアお姉ちゃん!!おはよう!きてくれたんですね!」

ダッシュでこちらにやってくる。

うんうん、本当は毎日でも来たいくらいです。

でも私一人で出歩いて死なない自信ないなら…

「今日は気に入ってくれていた、ジャムマフィンも持ってきたよ。」

「わぁ!嬉しいなぁ。あれがあると、一人でも楽しく過ごせるんです。」

やめて、そんな追い討ちかけたら泣いちゃう。

どうしてこんなに小さな子が、たった1人でこんな森にいないといけないのか。

「最初にお風呂お手伝いするよ。終わったらパンケーキ焼いてあげるから頑張ろうね。」

せっかくの美少年なのに、長年の習慣か汚れていてもあんまり気にしないので、こうして来た時に念入りに入浴してもらっている。

「パンケーキ…はあい、ちゃんと洗うよ。」

しぶしぶ支度を始める。

パンケーキを食べ終わり、軽く掃除をしていると、部屋のドアにかけてある鈴が鳴り出した。

「え?何?」

ギルバートはサッとくたびれた布を羽織る。

「早めに食料係が来たみたいです。お姉ちゃんとメルヴィンは奥でじっとしていてください。僕がこんなにいい暮らしだとバレると面倒なので。」

そっか、これは王妃の嫌がらせっていっていたっけ。

間者にバレたら大変だよね。

しばらくすると、ドアの外にバスケットを置く音が聞こえる。

コンコン…とドアをノックする音が聞こえた。

ギルバートはドア付近まで歩いて行く。

「誰?」

「私でございます。ローズマリーです。」

声は中年の女性のようだ。

「ローズマリー?」

古ぼけた布を頭からかぶり、少しだけドアを開ける。

「ああ、坊っちゃま。息災で何です。大変な危険を伴いましたが、今日も皆の目を盗んで、新鮮な食材をお持ちいたしました…また、近いうちに必ず参りますので、どうぞご辛抱くださいましね。」

捲し立てると立ち去って行った。

ギルバートはバスケットを中に入れ、中身を改めている。

そしてフンと鼻を鳴らすと、そのまま暖炉に放り込んだ。

「え?」

思わずポカンとする。

「また呪い付きか?」

メルヴィンが聞く。

「うん…性懲りも無くね。たぶん、運んできたローズマリーは知らないんだろうなあ。」

「呪い?!」

「あ!リアお姉ちゃん、呪いと言っても…僕は抵抗力が強いので、しばらく何をする気にもなれない程度で、全く命には関わらないし大丈夫なんですよ?」

ギルバートは頭から布を取り、ソファに座る。

焼いて来たクッキーを2、3食べ、こちらにとろける微笑みを向ける。

「僕はリアお姉ちゃんのご飯以外、もう食べませんから、安心してくださいね。」

「どうして…そんなこと。」

「?…リアお姉ちゃんは、竜の守護を信じない派ですか?」

「竜の守護?」

なにそれ?

この国のシンボル竜だけど、それのこと?

「この国の王家は、歴代竜の加護があるんです。そのため、他の国より疫病が流行りにくく、土地も豊かなんですよ。」

「そうなのね…」

「はい、実際僕の父は緑竜の加護を受けていました。」

「でも、どうやって加護があるとかないとかわかるの?」

「それは…これですね。」

ギルバートが腕をまくると、普段は普通に見える腕に黒い紋様が浮かび上がった。

「これが?」

「ええ、初代王と竜王の友情により、正当な王位継承者にはこのような文様が浮かびます。そして、10歳になると自分の竜を探しに竜の谷に行くんです。そこで竜から加護をもらう事で、正式な後継とみなされるんですよ。」

「じゃあ、もしかして…今の王様にはそれないの?」

「はい、竜の加護を受けられる人間は一代に1人とは限りませんが、現王には守護竜はいません。」

「そういうのってわかるものなの?」

「はい、竜の加護持ち同士は気配が感じ取れますが、父から感じたような気配は全く感じませんね。」

「それで、もしかして尚更狙われてるの?」

「おそらく、王としては重病という事にして、いずれ自分の地盤が磐石になったら、消すつもりなのでしょう。でも王妃は、確実に自分の子を後継にするために、早く僕を抹殺したいんです。」

「でも、前王の派閥もそう簡単にはなくならないから、場所を知らせず一旦はこんな場所に押し込めたわけね。」

いきなり会いたいとか言う人が現れた時に、殺してしまっていたら都合悪いもんね。

ギリギリに追い込んで病気させて、その様子でも見せるつもりだったのかな?

酷い!

こんな小さい子にそんな事するなんて…

しかもやり方が汚いわ。

「ギル君は…これでいいの?」

「………僕には、力がありませんから…竜の谷に行くには、まだ年齢も足りませんし。」



ふと、このままだとギルバートはずっと嫌がらせを受けるがままなのかな、と思った。

こんなに賢くていい子なのに…

叶うなら、この子をあるべき光の場所に戻してあげたい。

この子が色んな人に囲まれて、自由に外に出られるようにする。

それはとても、素晴らしい考えに思える。

そのためにできる事、なんでもやってやろうじゃない。

彼1人ではなかなか難しいかもしれないが、私も協力してはどうだろうか?

おあつらえ向きにいい能力も持っている訳だし。


必要な物はお金と人脈よね。

なんとかして、前王の派閥に連絡をとって現状を伝えないと…

それで、王子が実は病気じゃなくて、竜の加護がある正統な後継者という事実を明るみに出す。

そのためにはやっぱり、お金は必要よね。

失敗した時に、どこかに逃げるにしてもお金は必要だし…

お金には、ある程度人脈もくっついてくるものよね。

それにしても…竜。

竜ね…

ブクマ、評価してくださりありがとうございます♪

一応双子の弟が、ブックスキルで魔術書とかを獲得して次の人生こそは自由を謳歌するプロットもあるのですが、需要ありますか?

もし興味あれば、コメントで教えていただけたらとっても嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 初代がどんな盟約結んだか知らんしいつまで子孫が続くかわからんが、反故にしたら怒り狂うか愛想尽かすかするんじゃない?
2021/04/07 10:22 退会済み
管理
[一言] 「はい、竜の加護持ち同士は気配が感じ取れますが、父から感じたような気配は全く感じませんね。」 従伯父または従叔父からかな?
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