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第78話 オリエンテーション

エカチェリーナ嬢に絡まれた以外は、皆様スムーズに通してくれる。

「ねぇ、リア。もしもまた、あんな風に言ってくる人がいても気にしなくていいからね。ここからはリアが商会の代表だと明かしていくのだろう?そうすれば、悪評も勝手におさまるよ。」

「ええ、別にあんまり気にしていないわよ。」

むしろ、あんな風に言ってギルバートの心証を悪くしてしまって気の毒とすら思う。

元々、王子と仲良くするだけでやっかむ人がいるだろうなぁとは予想していた。

だから、全く気にしていない。

「そう?また何か言ってくるようなら教えてね。」

ギルバートは心配そうに、こちらを見ている。


義母からいびられていた事を知らない、ギルバートからするとちょっとびっくりしたのかな?

まあ、あの子達がまた何か言って来たらそれこそ、

シーラが言うように、最終的にはあの家門への食事提供のストップでもしようかな。

コーデリアが関わる一切の食料品がダメとなると、かなりの影響なのだ。

普及している調味料やパンやレストランの大半が出入り禁止になってしまう。

しかも、公爵家を敵に回すダメージまで加わるから、下手な家などあっという間に潰れてしまう。


会場についてからも、ギルバートに対するザワザワは続き、色々な人が挨拶に来た。

オリエンテーションでは、このアカデミーでの過ごし方や固定講義が何曜日の何時からあるのか説明があった。

最後に、各会から新入生への勧誘説明会が始まった。

入会にあたり試験を設けている会も少なくなく、すでに定員で新規受付をしていない会もあるみたい。


魔道具研究会は興味あるけど、レオナルト様と一緒に新しく立ちあげるつもりだ。

今あるものに入るより、自由にガンガンいろいろな魔道具を作りまくれる方が魅力を感じる。

魔道具研究は会に対して後援者がついたりするけれど、その分後々の権利が問題になりやすい。

伝統ある魔道具研究会はその辺ちゃんとしているみたいだけど…

それでも、新規立ちあげの方が裏切らない協力者が得られそう。

会則に秘密保持契約とかも盛り込めるしね。

そんな理由から、魔道具研究会は一つ立ち上げるつもりだった。

でも…そこまでしてまで、私のやりたい生活魔道具の充実と、調理魔道具の充実を一緒にやってくれる奇特な人がいるのか…?

そう思うものの…

レオナルト様いわく必ず来るから大丈夫です!との事。

それならまあ良いのだけど…

いなければ自分の本で協力者を呼び出せばいいわよね。

そっちの方が楽ではあるけれど、私にはちょっと考えがあって。

ワイン作りやチョコレート作りがせっかく軌道に乗っているのに、万一私が死んだ時にそれらがパッタリとこの世界から無くなるのか悲しい。


だから、多少時間がかかっても人材を育成したり、魔道具をつくってその人達に任せたいのだ。

それでドーンと任せられるようになったら、私は私でいろいろ作って売るとか…

直営のパン屋さん開いて、そこで新作パン作り続ける生活もいいし…

和食の定食屋さんを開く夢もあるし…

クレープ屋さんにカレー屋さん…

作りたい物はそれこそ無限にあるのだ。

そこで任せるために、必要な魔道具を作る。

これがアカデミーで成し遂げたい密かな野望だ。


基本的にはギルバートと同じ内容の会に所属して、他の時間は自分の商会の仲間集めと研究。

もちろん商会本体の仕事もあるし…

今日から中々ハードな生活になりそう。

ちなみに、商会の名前は正式にC&Aに決まった。

コーデリア アッシュベリーの頭文字だ。

アルメリア伯爵もお酒部門を担当してくれていて、彼もAだから良いだろうと決まったのだ。


オリエンテーションが終わると、早速たくさんの女子がドヤドヤとやって来た。

「あの…ギルバート殿下は、どの会に所属なさるか決めていらっしゃいますか?」

「殿下はもちろん、歴史研究会には参加なさりますわね?」

「いえ、殿下はきっと魔石魔術研究会に参加なさりますわ。そうですわね?」

「ぜひ私と一緒に平民の扱い方を考える会に参加しませんか?」

お誘いやら同じ会に参加したいから入会先を教えくれやら…

なかなかに賑やかだ。


「皆様、殿下とご一緒したい気持ちはわかりますが…そう勢いこんでいてはお返事する隙間もありませんわよ?」

まだまだ続きそうな勧誘を遮る。

「殿下はすでに、入会される会を決めてございますの。ですので、今から勧誘いただいてもありがたいですが、難しいかと。」

「コーデリアの言う通りでね。私はもう入る会はある程度決めてしまっているのだよ。新入生はほとんど皆が参加する、スキル研究会には参加するから、そこで会おう。」

それだけ言うと、サッと立ち上がる。


立ち去るギルバートについて会場を後にすると…

「はあ、やっぱり殿下って素敵ねぇ。」

「ねぇ!!わたくし今殿下からお誘いをいただいたわよ。これってつまり…殿下が私に好意を持っていらっしゃる証だわ!」

「あら、違うわ。殿下は間違いなく、私を見ていらしたのです。」

ギルバートって大人気ね。

ここで会場から出たコーデリアは…


「でも…隣にいらしたコーデリア嬢。お綺麗でしたわね。」

「ええ、流石は公爵家の方ですわね。」

「お父様から聞いた話では、商会運営に携わっていらっしゃるとか…素晴らしい才能ですわよね…」

などなどのコーデリアを褒める言葉は聞けずじまいだった。


一方その頃…アリアは困惑していた。

「おかしいわね…」

オリエンテーション前に噴水の広場で、ギルバートと運命の再会を果たすはずなのに…

「いないし来ないわ。」

すでにオリエンテーションは開始している。

先程まで、悪役コーデリアの悪口が聞こえてきていたので、やはりゲームシナリオ通り進んでると安心していたのに。


もうすぐ、分岐先の図書館にも行かなければいけないのに。

「もしかして…ギルバート噴水前、メルヴィンも噴水前、レオナルトが図書館前、リュカが中央ホール前って言う選択肢だったはずだけど…間違えた?」

別の分岐で中央広場って言う選択肢と混合していたかな?

ここで待つべきか…オリエンテーションに参加するべきか…

選択肢を思い出しながら迷うヒロインだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] アリアにせよ他のモブ令嬢にせよ始まる前から終わってることに気付かず色々言ったり企んでるのが凄く笑える
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