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第68話 料理のレクチャー

シュロとフヨウには、料理をレクチャーする。

最初に2人のレベルを知るために1番自信がある料理を作ってもらった。

シュロは海鮮のアヒージョ、フヨウは鴨のソテーだ。

アヒージョはちょっと火が通り過ぎているし、鴨はシンプルで美味しいけれど面白みがない。

うん、やっぱりこの国の料理には旨みの概念が欠如しているな。

美味しいには、おいしいし、これだけ技量があるなら考え方次第でいくらでも上達しそう…


そう考えて2人にもレクチャーを開始する。

「お嬢様!!ご指導のほどよろしくお願い申し上げます。」

「可愛いお嬢様。一緒に過ごす栄誉を賜りありがとうございます。」

そう言うと薔薇の花束をくれる。

シュロはおじいちゃんみたいで、フヨウは意外とたらし系か。

軽いエルフってなんか新鮮だな。


まずは栄養や見た目、盛り付け、組み合わせなどの座学から…

旨みや食感、温度や焼き加減の話、スパイスの効かせ方…

毒になる組み合わせまで、いろいろな座学に丸々2週間かけた。

2人が学習意欲が高いので、思いの外早く終わった。

「まさに…目から鱗ですわい。」

シュロが魔道具のメモを見ながら感心している。


「お2人なら、この座学だけでもだいぶ変わると思うけど…今日からは実践編をやりましょう。」

「美しいお嬢様の作る料理はどれも芸術…是非とも教えてください。」

フヨウは今日もキラキラしている。

2人にもお嬢様じゃ無くて、名前で呼ぶように言ったところ、断られてしまった。

まあ強要するつもりはないからいいのだけど。

そもそも、お嬢様呼びを禁止しようとしたら、フヨウは麗しいの姫君とか呼び始めたし…

お嬢様の方がまだマシ…


「では、まずは基本的な出汁の取り方から…」

チキンや鶏ガラ、豚骨、牛骨…

キノコや野菜など出汁やベースに使える物をひたすら作り、アリとナシで比べてもらう。

「なんと奥深い味わいなのだ…この歳でこう何度も感動する事があろうとはのう。」

シュロは感激しているけど…

見た目ナイスミドルだけど、実はかなりの歳?

話し方完全におじいちゃんだけど。

2人とも一旦わかれば早いタイプなので、教えていて楽しい。


この国はとにかく表面に火を通せ!!

材料さえ上質ならなんとかなるって感じなので、次は火加減の訓練をする。

ステーキをレア、ミディアムレア、ミディアム、ウェルダンに焼き上げる。

そもそも、大概のお肉はきちんと保存魔術がかかって運搬されている訳で、腐敗の心配はない。

つまり、焼きすぎは単に焼き方にそこまで興味がないだけだろう。


「ほほぅ…ギリギリ内部まで熱が通った焼き加減…生肉には無い、肉の油が溶け出した甘味や旨さがありながらも、焼きすぎで硬いという事も無く…これは素晴らしい品ですなぁ。」

「僕はこの、ミディアムという焼き加減が気に入りました。柔らかさや弾力を残しつつも、歯応えや肉汁の旨みを1番感じ取れるように思います。僕の優雅な夕食にピッタリです。」

2人とも好みが出たようで何より。

「お2人の好みが違うように、お客様も好みが異なります。それぞれの方にあった焼き加減での提供は、必要最低限の気配りです。」


その後、再び今度は肉をアロゼで焼く。

アロゼは、スプーンで出てきた油を肉にかけながら焼く技法で、これをすると外はカリッと焼き上がり中はジューシーに仕上がる。

他にも、厚めの肉を一旦フライパンで焼いてからオーブンで焼くロティールという技法など、様々な焼き方と、使う素材や場面をレクチャーする。


肉の次は魚、次にスープ、前菜、サラダをドレッシングから作る…

茹でる、蒸す、揚げる、煮る、焼く、炒めるなど一通り終える頃には、3か月が過ぎていた。


この国にはフルコースの文化はまだなく、パンやサラダ前菜、メインが一度に来て食べる。

もしくは、できた順番に適当に食べるかしか無い。


2人には、レストラン向きの料理をたくさん教えたけれど、できれば大衆向きのラーメンとかハンバーガーとか焼きそば、からあげとか…

そんな物を出すお店も作りたいな。


ちなみに、レストランで使うパンはランタナのパンで、デザートはリナリアとエンジュの物を使う予定だ。


ちなみに、レストランのメニュー暫定がこちら。

この中から、グランドメニューと日替わりを作れる予定だ。

ビーフステーキ(シャリアピン、ガーリック、ガーリック醤油、ガーリックバター、醤油、バーベキュー)

チキンステーキ(テリヤキ、塩、ハーブ)

ハンバーグ(デミグラス、テリヤキ)

ビーフカツ

チキンカツ

トンカツ

メンチカツ

からあげ

ビーフシチュー

クリームシチュー

マカロニグラタン

ボンゴレビアンコ

ボロネーゼ

季節の野菜サラダ

ほうれん草とベーコンのサラダ

にんじんスープ

カボチャのポタージュ

コーンスープ

ミネストローネ

オニオンスープ

ウィンナー盛り合わせ

チーズ盛り合わせ

海鮮アヒージョ(改良版)

鴨肉のグリル(改良版)


三組のエルフにレクチャーを終えた頃、店舗が出来上がった。

さらに1か月の練習期間中に、メニューや店の備品を揃える。

店の机や出すティーカップ選びは最高に楽しかった。


細かい調度品や照明器具の設置、従業員の制服選びも終えた。

ケーキ屋さんは、可愛らしいオレンジ色と白のストライプの制服。

レストランは、落ち着いた黒と白のクラシカルな制服だ。

ちなみに、給仕係はお父様にお願いして面接を実施したところ、エルフの応募が殺到し、選ぶのがかなり大変になってしまった。

それというのも、大量にできる試作品を身内にランタナやリナリアが配っていたのだが、それがいつのまにか広まり、この品々の側で働けるなら!と求人が殺到したらしい。

まあ、来ないよりはいいのだけどね。


こうして、入念に準備を整えお店をオープンしたのだった。

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― 新着の感想 ―
[一言]  "アロゼ"という技法で思い出したけど、それなら"中華風フライドチキン"(正式名は知らない)もラインナップに入れてもいいんじゃないかと。  結構準備に手間が掛かるし、飛び跳ねる油で軽いやけど…
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