第65話 開店準備
セシルは専属メイドになってくれたし、カロンも味方になったし…
後は、資金力作りと趣味を兼ねて開店準備よ。
そういえば、お父様が帰り際に…
「お前も公爵家の一員であるから、今後ある程度の公式行事が入ってくる。その時は出席する様に。」
なんて言っていたな。
はじめはまだ子供だし、お茶会とか狩猟会の見物とかみたいだけど…
「商会の仕事も大事だが、学問の講師も手配しておいた。我が娘であれば、こなせる範囲であろう。」
などと無茶振りまでして去って行った。
もしかしたら、子爵が私を放置していたと知っているのかもだけど。
「正直、前世がなかったらとってもついていけてないわね…」
前世である程度勉強の習慣があったり、数学の知識とか科学の知識がないと、かなり厳しい内容だった。
「この世界の令嬢達って、みんなこんなに幼いうちから難しい勉強しているのかしら…?」
コーデリアの才能を見込んだ公爵が、高度な教育を施そうとしているとは、気がつかないコーデリアであった。
今は絶賛店舗選び中だ。
リュカ様が店舗選びを手伝ってくれている。
「うーん、どこもなかなかに素晴らしい場所が揃っているね。」
パン屋の候補地で最終的に候補地に残ったのは…
一つ目は、王都の貴族の屋敷が連なる中心街、周りに貴族向けの野菜や果物、日用品を売るお店も多い場所だ。
そこでは空き地になっている場所に新たに店舗を作ってくれる。
落ち着いたレンガ作りで、こげ茶色と白のストライプの屋根があり、なかなか高級感がある。
二つ目は、公爵領の城下町。
ナチュラルな漆喰壁に青い屋根の可愛らしい店舗で、元々は老エルフの薬屋さんだった場所を改装してくれる。
「どちらも魅力的で迷います…」
ちなみに、商会の本部は王都にある。
アルメリア伯爵が顔になってくれているのに、公爵領に本部があるとおかしいものね。
伯爵には、一旦月に、白金金貨一枚という話になっている。
伯爵は、高級ラインのブランデーと高級ラインのワインの独占販売権があれば良いと言っていたけれど、さすがに無給は気が引けるし…
本部の連絡担当はミモザさんという中年のエルフ。
すでに本部は酒類とチーズの販売を開始していて、これがすでにかなりの数が捌けている。
はじめは、従業員のお給料やワイン瓶やラベル、コルクの費用を差し引いて月に白金金貨1枚残るか心配だったが…
そんな心配、全く不要なほどの売り上げが上がっている。
「そうだね…商会本部が王都にあるから、先に王都に店を出すのはいいよね。」
「ええ…このパン屋に限らず、一旦すべての店舗を王都に出しても良いのですが…」
「調味料の直売所は公爵領にもおくつもりだよね?」
「公爵領にもあれば、海運が盛んですのでいいかと思いまして。」
「いい考えだと思うよ。王都には本部があるから、本部の販売スペースにパンやお菓子の一部を置いて、本店は公爵領という手もあるよね。」
「それもいいですね…」
商会なのだし、委託販売みたいに見せておけば可能だろう。
「レストランは王都にあった方がいいと思うから、王都で店舗を探すとして…パン屋とケーキ屋はどうするかな?」
「ケーキ屋さんとパン屋は公爵領にするのがいい気がして来ました…本店を公爵領に据えれば、それだけ公爵領への来客が増えたり、お父様へもメリットがありますよね?」
「たしかに…こちらはワインと違ってアルメリア伯爵を顔にする必要がないからね。集客の面からいうと、レストランなら、王都の劇場や社交場があるエリアが良さそうだし、パン屋は公爵領のパン屋候補地がいいかもね。ケーキ屋はパン屋近くの空き地に建ててもらうのが良さそうだね。」
「はい!それがいいかと思いますわ。」
レストランやケーキ屋、パン屋は自分で集客しなければ売り上げが上がらないし…
お父様に出してもらう建築費もきちんと返したい。
一度来て貰えれば、リピーターになってもらえる自信があるが、軌道にのるまでが大変だろう。
給仕係りも雇っているので、責任重大だ。
こうして…
パン屋は公爵領の店舗を改装。
ケーキ屋は公爵領に新築し、カフェスペースも作る。
レストランは王都に。
そして王都の本部にパン、ケーキ、調味料の販売スペースを置く事に決まった。
今決まっている、本部の販売スペース。
・ワイン、チーズ販売所
・パン屋
・ケーキ、チョコ屋(クッキーも販売)
・調味料(ケチャップ、マヨネーズ、醤油、テリヤキソース、タバスコ、砂糖)
・ジャム
・レオナルド様の魔道具
他にも、私が作った物を直売するお店と香辛料のお店を検討中だ。
香辛料のお店は開くと価格破壊すぎて、周りから反感を買いそうなので保留中だ。
高く売るなら他のお店と変わらないし。
場所は決まったから、あとは担当エルフに作り方をレクチャーしなくちゃ。




