第43話 ブランデー
たくさん買い物したりしたものの…
まだまだお金はある。
だから、リュカ様にお誘いいただいたお買い物でも、十分に買い物ができるはず。
でも、目標の為にはさらに資金力をつけないと…
お金が第一で、お金を積めば信頼を得られる人も中にはいるし、仲間になってくれる人もいるだろうから。
そういう人が信頼に足るかと言われたら別問題だけど…
金+義理とか金+信念じゃないと、動かない人も一定数いるからな。
明後日アルメリア伯爵がまたいらっしゃるから、新商品を開発して売り込みしようかな?
「アルメリア伯爵なら…貴族らしいお酒…よね?」
よし!
ブランデーにしよう!
早速、料理の本を出す。
「イクスブック!!」
本のページをめくり、ブランデーを探す。
「ブランデー…ブランデー…あった!」
材料は…
「ぶどう以外にりんごとさくらんぼが選べる…」
さくらんぼって言うと…
「あ、キルッシュ○ッサーか!」
りんごはカル○ドスだよね。
最初はやっぱりぶどうのブランデーかなぁ…
ぶどうと瓶を選んで…
アルコール度数は高め…
香りは強め…甘さは控えて…
熟成度合いはマックスにしてみよう。
ボタンをポチ!
小人達が動き出した。
ワインと同じ工程の後…
小人達は単式蒸留器で二回、ワインを蒸留。
「へー。二回も蒸留するのね。」
さらに樽に詰めて熟成。
熟成はもちろん、お手伝い。
樽から瓶詰めをするのかと思ったが、小人達は3つの樽にそれぞれのブランデーを混ぜてブレンドしている。
その後、ようやく瓶に詰めて完成だ。
最初は思い切って、長く熟成させたブランデーを作ったので、出来上がるまでに小一時間かかっている。
「流石に、ワインより時間がかかるわね。」
でも普通は何十年もかける工程がたった1時間…
驚異的なスピードだといえる。
「あとは、アップルブランデーとさくらんぼのブランデーも作ろう…」
同じようにブランデーを作り、瓶に入った液体を見てとても満足した。
「ブランデーがあれば、お菓子にも使えるし…ますます料理が捗るわね。」
紅茶のパウンドケーキ焼く時に入れると、紅茶の香りが引きたって美味しいのよね。
個人的な楽しみも増えて何より。
商談の日、アルメリア伯爵は最初からすでにご機嫌だった。
この様子だと、ワイン販売とワインを賄賂にする戦法は余程上手くいっているのだな。
フローレンス様から内密に聞いたお話だと、伯爵は旧王派らしい。
そのため、新政権下で元々の担当分野から外され、中々苦労していたとか。
それでも、宮廷で働いていたのは、伯爵家が無視できない程の財力があり、陸運の要所に領土がある事で発展した都市があるから。
流石に、いくら新政権でも有力貴族をいきなり排斥はできないわよね。
そこに来て、ワインがうまく功を奏して、宮廷の要職に再び足掛かりができてきたらしい。
それを聞いて俄然、ギルバートのために頑張ってほしい!と思ったコーデリアだった。
最近、フローレンス様やメアリ様から仕入れた情報だと、他にも旧王派の子息がこの屋敷にいるらしいので、それを探すのも目標になっている。
「コーデリア嬢、またお会いできて嬉しいよ!」
アルメリア伯爵は本気で嬉しそうだ。
「こちらこそ、またお会いできるのを楽しみにしておりましたわ。」
「して、早速ですが…追加をお願いしたアイスワイン
10本、白ワイン100本、赤ワイン200本は購入可能かな?」
「ええ、もちろんですわ。こちらでは置ききれませんので、広間に用意してございます。…セシル、ご案内をお願いできるかしら?」
セシルにお願いして、アルメリア伯爵の執事さんを案内してもらう。
しばらくすると、執事さん達が帰ってきた。
「旦那様、間違いなくございましたので、収納いたしました。」
黒い皮のバックをポンと叩いた。
あれは魔道具のバックなのかな?
「おお、では支払いを頼む。」
「はい、ではハヴェルカ子爵令嬢。代金の白金金貨50枚です。ご確認くださいませ。」
セシルが受け取り、確認して合図をくれた。
「今日は令嬢から私にまた、試して欲しい酒があるとか?」
アルメリア伯爵は非常に楽しみそうだ。
「ええ、まずはこちらチーズです。」
「ほう、なかなか色々な種類があるな。」
「チーズをワインと楽しむ習慣がございますので、おすすめのチーズをご用意してみました。」
ブルーチーズと甘口でどっしりとした赤ワイン、クリームチーズにドライフルーツを混ぜた物と辛めの白ワインなどさまざまな組み合わせを用意してみた。
伯爵は食べる度に…
「ほう…これは…中々…」
など呟きながら夢中になって食べている。
「…なるほど、ここまで組み合わせを洗練した食べ方は、今までなかった…いける…これはいけるぞ。」
不意に執事に合図を送ると…
「コーデリア嬢はこのチーズを一緒に販売して欲しい、と言う話だろう。答えは、喜んで買い取らせてもらおう!!」
「ありがとうございます!」
「ふむ、数が多いがどれも美味かった。一個当たり小金貨1枚はどうかな?」
「ええ、お願いいたします。」
チーズは全部で50個あったが、全てお買い上げいただき、追加で金貨5枚の売り上げとなった。
「伯爵、実はあと3つ程お試しいただきたく思います。」
「何かね?」
伯爵はすでに身を乗り出している。
「はい、ブランデーというお酒でワインを蒸留して作られています。3種類は、それぞれぶどう、りんご、さくらんぼのワインを蒸留したものです。」
「ワインを蒸留…」
伯爵は匂いを嗅いだり、色味を眺めていたが、飲んでみる事にした。
「これは!!なんと香り豊かな酒なのだ!!」
そういうと、次々とブランデーを試す。
「香りが口中どころか…鼻や喉奥まで広がる…まろやかでいて力強く、華やかな香り。素晴らしい…」
「アルコール度数が高めですので、飲み過ぎにご注意下さいね。」
「いや、コーデリア嬢。私こう見えて、曽祖父がドワーフなのだよ。」
だから酒には滅法強いのだとか。
「この酒ならば…あの頑固ドワーフ爺さん共も首を縦に振るだろうな…」
ぶつぶつと呟き出した。
「価格は決めているのかな?」
「いえ…ワインよりさらに希少ではあるのですが…」
希少でも、スキルで簡単に量産できるとは中々いい出せない。
「ふむ、では大金貨2枚では安すぎるかな?」
「…いえ!よろしくお願いしますわ。」
「本数は何本あるかね?」
「それぞれ5本ございますわ」
「では、それを全てもらおうか。」
無事に商談が終わり、お互いに大満足しながら少しお茶を飲んでいると、執事が伯爵に話しかけた。
「旦那様、お嬢様へのお土産が…」
「ああ!そうだった、コーデリア嬢へ感謝の印にお土産があるのだよ。」
「まあ…むしろ、お買い上げいただき、お礼申し上げるのは私のほうですのに…」
「そんな事はない。とても感謝しているのだよ。」
そういうと、執事から箱をいくつか受け取り、私にくれる。
セシルが中身を開けた。
綺麗なカバンや靴、手袋やドレスの他にも…
オーブン用、コンロ用の火の魔石がたくさん詰まっていた。
ピンクと白の岩塩の塊もある。
嬉しすぎる。
伯爵、プレゼント…センスあるな。
流石やり手だ。
「ありがとうございます!!とても、嬉しいですわ。」
「ああ、こちらこそ…素敵な品を買えて嬉しいよ。」
アルメリア伯爵はご機嫌で去っていったので、後日フローレンス様を通じて伯爵に新作のワインを数本プレゼントしたのだった。
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