第42話 リュカ様のお誘い
この前に、ソースを作ろうと思った時にも材料が足りなかったし…
コーンも欲しいし…
サトウキビも買いたい。
砂糖代がバカにならないし。
それに、チョコレートをいずれ作りたいから、砂糖がたくさん必要になる。
サトウキビがあればラム酒も作れるしね。
「はあ、買い物行きたーい。」
1人部屋でつぶやいていたつもりだったが…
「お買い物かい?」
「あっリュカ様!失礼致しました。」
「いや、ノックはしたのだけど。返事がないからと入って申し訳なかったね。」
「いえいえ!問題ございませんわ。」
「それより、買い物に行きたいの?」
「ええ、たくさんスパイスや種子を買いたくて…」
「そう、それならもうじき、近くの町で市場が開かれるからさ、そこに行ってみるのはどうかな?」
「市場に、ですか?」
「本当は外出許可が必要なんだけどさ、まあ1日で朝出て夕方帰ってくれば、誰にもわからないよ。元々だれか見張っているようなしっかりした屋敷じゃないからさ。」
「そうですか…」
市場…
興味あるな。
「モリスもいる町だからさ。彼に案内人を頼めるし…馬車は私が手配するから、心配いらないよ。」
モリスさんもいるのね。
やっぱり行きたいかも。
「ちなみに、何を買おうと思っているの?」
前にソースを作ろうとして足りなかったものだから…
「オールスパイス、クローブ、フェンネル、ロリエ、タイム、シナモン、サトウキビ、コーン、マスタード、コリアンダー、ターメリック…などなど主にスパイスですね。」
あとは、いつかカレーを作りたいから、その材料。
「なるほど…おそらくスパイスの出店もたくさん出るだろうから、ある程度は揃うとおもうよ。」
「それは、嬉しいです。」
「うん、当日が楽しみだね。」
「リュカ様も来てくださるのですか?」
「もちろん、レディーだけでは危ないからね。」
リュカ様…
流石の紳士だなぁ…
「ありがとうございます。」
「礼には及ばないよ。市場開催の2日前に声をかけるからね。」
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リュカの部屋。
静まった部屋で、リュカの前に3人の男性が跪いている。
「わかっているな?」
「はっ。」
「我君、もちろんでございます。」
「万事手配をいたします。」
普段の優雅な王子風な雰囲気はなりを潜め、君主の風格をまとっている。
「彼女を落胆させるような事は許さない。」
「はい!すでにスパイスの手配を済ませております。」
「商人に入荷するよう連絡済みです。」
「サトウキビを、お嬢様にのみ若芽付きで販売するよう、手筈を整えてございます。」
「彼女は聡い子ですから、気が付かれないようにくれぐれも注意してくださいね?」
「「「承知いたしました。我君!!」」」
彼らにミスは許されない。
彼らの仕える主はヴァンパイアの王なのだから…
そんなやりとりがあった事は露しらず、コーデリアはお出かけを楽しみにしているのだった。




