第41話 カスタードプリン
ちなみに、シュークリームは2人に大好評だった。
気をよくした私はさらにフローレンス様とメアリ様にも振舞ったのだった。
結果は大好評。
毎回のお茶会のメニューに定番入りしたのだった。
しばらくするうちに…
ギルバートは生クリームだけ。
メルヴィンはカスタードに生クリームを混ぜたクリーム。
リュカさまはカスタードのみ。
レオナルト様は生クリームとカスタード両方。
女子2人は4種全部…
など好みも出た上に、男性陣は大きなサイズも気にせずパクパク食べてくれるようになった。
プチシューも美味しいけど、大きなサイズも捨てがたいから、女子会の時以外は私も遠慮なく食べている。
シュークリームとパイやっぱり、評判が良かったなぁ…
次は何がいいかなぁ。
レオナルト様が、いつも手伝ってくださるからお礼もしたいし。
ケーキ、マカロン、パンケーキ、クレープ…
バウムクーヘン、スコーン…
スコーンはティーパーティの主役だけど、ベーキングパウダー無しで作るより、やっぱりベーキングパウダー入れた方がふっくらしっとりカリっとになるからなぁ。
ベーキングパウダー売ってないし、作るの厳しいなあ。
重曹も天然で作れるのか?
でも開発したら、きっとこの貴族文化に受けるよね。
「今日はプリンにしようかなぁ。とろっとなめらかタイプのやつ。それなら、蒸すタイプだから作れるよね。」
しかも…
地下に秘密兵器がある。
メルヴィンの氷だ。
メルヴィンに氷をたくさん出してもらって木箱に詰めてある。
その木箱の内側に一回り小さくて、隙間がたくさんある木箱が入っている。
そう、簡易冷蔵庫だ。
温かいものを入れれば、氷は流石に少しずつ溶けるみたいだけど…
量的にしばらくは使えそう。
早速カラメル作りから。
材料は水と砂糖だけ。
水と砂糖を鍋に入れてしばらく煮立たせ、カラメル色になったら火から下ろす。
もう一度水を加えて混ぜ、再度加熱。
好きな硬さになったら完成だ。
次にプリン作り。
材料は砂糖、卵、卵黄、バニラビーンズ、牛乳、生クリーム。
牛乳、生クリーム、バニラビーンズの種を鍋で沸騰しないように温める。
卵と卵黄を泡立て器ですり混ぜ、砂糖を加える。
卵のボールに、鍋の牛乳を少しずつ入れる。
濾す。
ジャム瓶に入れる。
鍋にお湯を沸かして瓶を並べて蒸す。
「カラメルソース嫌いかもしれないから、最初から入れないで、別にしておこう。」
蒸し上がったプリンは、粗熱を取ってから地下冷蔵庫へ。
「少し冷やしたら完成ね。」
では、レオナルト様を図書室の休憩室に呼び出そう。
もらった小鳥メモに場所と時間を書くと、鳥はパタパタと羽を広げて飛びたった。
「コーデリア嬢。また、調べ物ですか?」
「いえ、今日はいつものお礼をと思いまして…ささやかなデザートを作って参りました。」
「ほぉ、コーデリア嬢の食べ物であれば興味があります。」
「気に入っていただけると良いのですが…」
ジャム瓶にスプーンを添えて渡す。
「持ち運びできるデザートとは斬新ですね。」
パカっと蓋を開け、中のプリンを掬い出す。
「カスタードプリンという食べ物です。」
一口パクっと食べると、少し目を大きく見開いた。
「美味しいです。とても…とても美味しいですよ。これは、上質なミルクと卵の香り…なめらかでとろける舌触りも…」
「お口にあったようで、よかったです。」
「シンプルな組み合わせながら…このように素晴らしい味わいになるとは驚きました。」
「この、カラメルソースをかけると、また味が変化しますよ。」
カラメルソースを勧める。
「おお、味に深みが加わりましたね。香ばしさが足された事で、甘いだけの味わいではなくなりますね。」
しばらく瓶を眺めていたが。
「この冷たさは…氷で冷やしたのですか?」
「はい、そうです。」
「なるほど…貴女の記憶では、こういった食品を冷やす専門の装置があるのですか?」
「ええ、冷蔵庫というもので…こういった箱型をしています。」
簡単なイラストを描いてみせた。
「そういった魔道具がない事はないのですが…」
「冷蔵庫あるのですか?!」
「ですが…魔石をたくさん必要としますので、余程豊かな貴族か王宮にしかありませんね。」
「そうなのですか…」
ガッカリ…
まだまだしばらくは、簡易冷蔵庫生活だな。
保存の術式が発達していて、メルヴィンの家みたいに地下丸ごと貯蔵庫にできる世界なのだし、まあ当然と言えば当然だ。
わざわざ小さいサイズにして、冷やすだけのものを開発する意味はないよね。
「このような素敵な食べ物が、普及するのに必要なのであれば、少し改良の研究をしてみましょう。」
「そのような事ができるのですか?」
「ええ、まあ研究が本業の家の出ですので。」
「嬉しいです!楽しみにしておりますね。」




