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第28話 図書室で資料探し

翌日の日中、モリスさんからの手紙が届いた。

ビンとラベルのデザインがいくつか送られて来て、気に入ったものがあれば、すぐにお返事をいただきたい、との事だった。

ロゴデザインにはクリスタルエールとブリリアントエールと書いてある。

「まあ、名前にこだわりないから、別にいいんだけど…」

ラベルは、ホワイトエールと、ビールだから…

エールの方は、ちょっとオシャレに紺地に金の花模様。

ビールは、白地に青のアラベスクで爽やかな感じ…でいいかな?

瓶はよくわからないから、このよくあるビールビン型でいいや。

ダメだったら、また変えよう。

「これでいいかな。返信用封筒に封をして…」

もらったシーリングで封をすると…

パアっと封筒が光り、なくなった。

この封筒便利。

モリスさんのあの勢いから察すると…

ビールとエールもうまく売れそうだな。

しかもビンとラベルは向こう持ちだし。

保存が効くコルクはとてもありがたい。


そうやって、うまくこのエールも収入源にしていきたい。

着々とこの世界で生きる足掛かりが出来てきて、ちょっと安心…

でも、まだまだ王族のギルバートを一生養うには無理。

今後とも頑張らないと。

あとは…早く杏弥と話たいな。

この世界のヒロインは転生者なのかな?

それとも、普通のこの世界の子かな?

ヒロインなのだから、すごく強力なスキルなんだろうな。

私はこんな僻地にいるし、やっぱりモブなんだろうな。


それはそうとして、図書室で竜の谷の資料集めないと。

リュカ様に教えてもらった、3階の右端の部屋に向かう。

3階に来たことなかったけど、3階は2階より絨毯やカーテンが豪華で高そう。

「3階の方が、宿泊費高いとかかな?」

そういえば、メルヴィンもリュカ様も3階だったな。

教えてもらった通り、はじの部屋が図書室のようだ。

部屋の前に受付がある。

受付の前まで来ると、受付の女性が立ち上がり、挨拶をした。

「ハヴェルカ子爵令嬢、ようこそいらっしゃいました。本日は図書室のご利用をご希望ですか?」

「ええ。お願いしたいわ。」

「承知いたしました。銀貨1枚事前に頂戴いたします。図書室のご利用について、差し支えなければ説明されていただいてもよろしいでしょうか?」

「ぜひ。」

「はい、まずは入室料ですが、一度外出されますと、再度頂戴いたしますので、ご注意ください。化粧室は室内にございますが、飲食はご遠慮頂いております。飲食なさりたい場合には、室内にございます休憩室をご利用になるか、食堂や自室へお戻りください。また、本を室外に持ち出す事はできません。持ち出しをご希望の場合には、買い取りとなり、本に応じて料金をお支払いいただきます。最後に、図書室内は静かに読書を楽しむ空間ですので、会話を楽しみたい場合にも、休憩室をご利用下さいませ。以上ですが、ご質問等ございますか?」

なるほど、日本の図書館とほぼ同じね。

でも本が買い取りとは…

ギルくんに見せたい時は、買い取らないといけないのね…

「承知いたしましたわ。こちら、銀一枚です。」

受付に利用料を渡す。

「たしかに頂戴致しました。それでは、どうぞ。」

受付嬢がドアを開けてくれる。

中は思ったよりも広く、本もギチギチにたくさん並んでいる。

とりあえず、竜にまつわる話全部集めて読んでみようかな。


しばらく探すと、竜と初代の王様の絵本が出てきた。

「とりあえず、読んでみるか。」

その絵本には、昔この辺は荒廃した大地で、とても生き物が住める環境では無かった。

だが、先祖たちは戦いに破れ、土地を追われてこの地にやってきた。

勇敢だった初代王は竜の谷を見つけ、そこで1匹の竜と仲良くなる。

竜は白竜で、癒しと再生の力を持つ強力な竜だった。

その竜の力で、幾度となく外敵から国を守り…無事に荒れた大地を豊な大地に変え、今の王国を築いた、という建国の物語だった。

先代様は緑竜って言っていたし、竜はたくさん種類がいるのかな。


他にも探してみると、どの話でも共通して山々や森を越え、竜の谷に行き着いている。

「ヒントが少なすぎるなぁ…」

あとは、竜王って言うのがほぼ赤竜で、そのドラゴンに。

この国を守りたい!!とか。

病める人々を救いたい!!とか嘆願して、認められると、配下の竜をつけてくれる話が多い。


意外と、王家以外の人間が竜の谷に迷い込んで、竜と契約する話も少なくない。

迷い込むような場所にあるのはわかったけど、詳しい情報はまだ見つからなかった。

次は一旦、ギルくんの家にある資料の山読ませてもらおうかな。

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