表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/184

第27話 エールとビールと販売と

「そうでしたか。よかったですわ。…こちら、秘密のルートで入手したエールなのですが、私は生憎いただけませんので…」

「では、遠慮なく。」

一口飲むと…

モリスさんの顔色がみるみる変わった。

先程までの人の良さそうな笑顔は消え、真剣そのものだ。

最後まで飲みきり、もう片方のビールにも口をつけた。

こちらも一気に飲み…

「ハヴェルカ子爵令嬢!!」

「?!はい?」

「こちらは、もしかして…どこかの地方の秘蔵酒ですかな?つまり…お聞きしたいのは、一般には売られていないかと。」

「ええ。一般販売は一切しておりませんわ。」

「こちら、定期的に手に入れることは可能でしょうか?」

「ええ、もちろん可能ですが…現状の保存方法では、なかなか長くは持たせられませんよ。」

そう、ワインばかり販売していたのは、瓶の構造上、ビールだと炭酸が抜けやすくて、スキルで最大限に持ちを良くしても、流石にしばらく経つと気が抜けてしまうからだった。

「いえ、それには他のエールにも使われております、小さな保存魔石を仕込んだコルクがございますので。」

「そうなの?」

「はい、それで相談と言うのが、こちらをワタクシに販売させていただけないかと。」

「販売を?」

試飲のつもりがいきなり販売とは…

流石に商人は違うわね。

「はい、我々モリス商会は、種子や苗に限らず、あらゆるものを、仲介させていただいておりますので。ぜひ我々にお任せいただけませんか?もしよろしければ、私自ら現地に赴き、量産に向けて話を進めてまいりますので。コルクや瓶の量産も、もちろんお手伝いさせていただきますよ。」

先程までは、やっつけ仕事だったと感じる程の変わりっぷりだ。

まあ、実際そうだったのかもだけど。

私が乗り気に見えなかったのか。

「失礼いたしました。ハヴェルカ子爵令嬢にも、販売利益の一定割合を収めるお約束も、喜んでさせていただきます。」

こういう人は嫌いじゃない。

たぶん私は、適当なおべっか使って褒めたり、今回の代金をタダにするから、原産地を教えろ、とか子供扱いして言われていたら、きっとこのまま帰してた。

「そうですね…実は場所は本当に秘密なので、ビンとコルクを私にいただいて、私を介するやり方でもよろしければ、ご協力させていただきますわ。」

「もちろん、それでも構いません。」

最初から、信用されるとは思っていないらしく、アッサリと折れてくれた。

「それで、ビンとコルク…ラベル生産もご協力いただくとして…」

大百科でエールの相場を調べる。

小銀貨1枚ね。

それなら…

「こちらからモリス様に販売する価格は、3本で小銀貨2枚はいかがでしょうか?」

「なんと!この味で、よろしいのですか?全く薄めたり、ごまかしの味付けが感じられない、上等の品ですぞ。」

「それなら、販売が軌道に乗るまではその価格。売り上げが上がってきたら…一本小銀貨1枚は、いかがかしら?」

「…ふむ。なるほど…最初は瓶の開発などの経費を考えていただいての事でしたか…子爵令嬢は、ワタクシが考えていた以上に聡明ですな。」

何やら感心している。

「ええ、また価格は都度相談いたしましょう?」

「わかりました。それでは、その価格で。」

「あの、モリス様。どちらか特に気に入ったお味がございましたら、本日のお土産にお持ちください。」

私は倉庫から、エールとビールを3本ずつ取り出す。

「ワタクシは最初に飲んだ方が、どちらかと言えば好みでしたな。後も美味でしたが、最初のエールの口当たりのまろやかさと、素晴らしい香りは感動いたしました。」

「そうですか、ではこちらを。」

エールを3本渡し、次回は瓶の打ち合わせに近いうちにくると言われて、モリスさんはすこぶるご機嫌でかえって行った。

今日は頑張って3話書いてみました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ