幕間1 ヒロイン転生
柳川 聡美には4人も姉がいた。
「はあー。普通でいいのに。本当に普通の男がなんでいないのよー」
2番目の姉、日菜がグチる。
「またダメだったの?」
3番目の姉、美月がカフェラテを飲みながら聞く。
「お姉ちゃんの普通ってぜんっぜんフツーじゃないし!!」
4番目の姉、莉子がソファでゴロゴロ漫画を読みながら言う。
「まあまあ、日菜ちゃんのお話も聞きましょうよ〜」
のんびりと、長女の美波が促す。
「今回はどうしたの?」
「ありがとう…美波お姉ちゃん…それがね、公務員限定飲み会って言うから、期待して行ったわけ!そしたら、主催者の手違いで公務員の男性半分しか集めてなくて!残り半分は誰でもいい寄せ集めだったのよ!!」
「で、日菜ねぇは見事に残り半分のテーブルだったワケね。」
「リコ…そうなのよ。ただでさえ、こっちのテーブルは女子がお通夜ムードで盛り上がりゼロ。しかも、隣の男がヤバいやつで席替えもなくて!!それで8000円って!高すぎるわよー!」
まだまだ続きそうな気配のグチだし、明日の宿題でもやった方が良さそう。
来年は大学受験だし、ある程度いい大学に行きたい。
でも勉強は頑張りたくないから、AOで高い内申点を活かして受験する予定だ。
偏差値を上げるより、授業で発言したり、放課後に質問に行ったり…
先生の好感度上げる方が、よっぽど楽だし確実。
それでいい旦那さんを見つけて、専業主婦になるのが夢だ。
あくせく働くより、家で趣味の乙女ゲームをやる時間をたっぷり取りながら生きていたい。
それで旦那さんは、毎日主婦だけで家事は大変だから、帰ってきた後は、料理や家事をちゃんと分担てくれる人がいいな。
うちはお母さんが主婦だけど、お父さんが料理担当だし…
探せばいるはず。
毎日毎朝のおはようからおやすみの連絡は当然だし、記念日にはサプライズも欲しい。
長女の美波は、美人だけど不倫中。
次女の日菜は、婚活惨敗中。
三女の美月は、今日は帰ってきているけれど結婚している。でも、よくいるようなフツーな男で。収入もイマイチだから共働きしてる。
四女のリコは、バンドマンの彼氏のためにバイト三昧。
どの姉妹も理想じゃない。
「本当は…ゲームのヒロインみたいに、たくさんのイケメンから愛されて生きたい!!」
それで、金持ちのイケメンからたくさんのドレスや宝石をプレゼントされて…
一途に愛されて、みんなから注目されて…
1番の理想は、ハーレムルート!!
イケメン全員が、自分に夢中とか最高すぎる。
たまに自分が攻略しないと、別のキャラと結婚してしまう話があるけど、あれが1番許せないのよね。
やっぱりヒロイン一筋じゃなきゃ。
翌日は試験休みで夕方家にいた。
ちょっとお茶でも飲もうかと思って下にリビングに行くと、ちょうど玄関のチャイムがなった。
ピンポーン!
「はい!」
誰も映っていない。
「お荷物でーす!」
「はあい。」
めんどくさ。
またリコがネット通販したのかな。
チェーンロックを解除して開ける。
「?」
誰もいない?
その途端にドアが大きく開け放たれ、目の前にいた影が包丁を振りかざしたのが見えた。
「えっ?!」
そこで聡美の意識は暗転した。
後には…
「あれ?この子…どう見ても女子高生くらいじゃない!!髪型も違うし…どうして!!不倫相手の家はここのはずなのに!!まさか家族?」
動揺する犯人の女だけが残された。
死んだあと聡美はアイオーンと名乗る神様に会い、とにかく乙女ゲームの世界に転生する事を希望した。
そして、大好きな乙女ゲーム《救国の巫女と竜の舞台》のヒロイン、アリア・アンゼリカに転生できると知り、前世に未練はあるものの、大喜びで転生したのだった。
ついにヒロイン登場です!
ヒロインは唯一話を知っているので、ネタバレになりかねないのでなかなか登場できませんでした。
続き書けたら夕方上げます。




