第21話 アルメリア伯爵再訪
リュカ様もワインが好きだし、ワインやお酒のラインナップはもう少し増やしていきたいな。
今は香り付けしたり、甘さを足した物がメインみたいだから…
サングリアを出すお店とか、ゆくゆくは作れないかな?
そうこう考えていると、アルメリア伯爵が面会を求めて来た。
「アルメリア伯爵がご都合がよければ、お茶をぜひと言っておりますが、いかがなさりますか?」
「行くわ。セシル、支度して貰える?」
「はい、もちろんでございます。先日いただいたライラック色のドレスをお持ちいたします。」
あれか。
透け感のあるレース生地に銀糸で星柄が、刺繍されててとてもかわいいんだよね。
リュカ様ってすごくモテそうだよな〜
立ち振る舞いとか、王子だもんな。
立ってるだけで背景に薔薇が見えそう。
あんなヴァンパイアに迫られたら、みんな喜んで献血しそう…
「目を閉じてください。」
セシルが軽くお化粧をしてくれる。
いい香りがするパウダーをデコルテにはたいて、髪も整え靴も履き替えさせてくれる。
セシルは1人なのに、すごく手早く支度してくれるからこんな時とっても助かる。
できればもう1人くらい雇えれば、負担も減るんだろうけど…
今の私の財力じゃ無理だな。
「お支度が終わりました。」
「ありがとう!早速行ってくるわね。」
また談話室へ向かう。
談話室ではフローレンス様とアルメリア伯爵が、お茶を飲みながらおしゃべりをしていた。
「あら、コーデリア様!ご機嫌よう。」
フローレンス様はお土産を貰ってご機嫌な様子だ。
「おお、ハヴェルカ嬢!!来てくれたか…ありがたい!」
様子から察するに、かなりいい額で売れたようだ。
「事前に手紙も出さずに申し訳なかったね。思いの外、ワインの人気が高くて方々から、もっと買いたいと言う申し出が絶えないのだよ。」
アルメリア伯爵は続いて、木箱をこちらに持ってきた。
「あと、前回言っていたワイン瓶の試作品ができたからね。気に入ったものがあれば、是非とも特徴がある瓶で販売したいと思ってね。」
木箱から型や色が美しい瓶をたくさん取り出し、同じくラベルも取り出した。
ラベルには文字が入るようになっていて、そこに入れる名前も相談したいと言う用事だった。
「いろいろとお手配いただき、ありがとうございます。それで、ワインで人気の物はありましたか?」
「おお、それなのだが、やはり甘みが強いものが人気が高かったよ。試飲会を試しに開いてみたのだがね。人気の瓶は、一本大金貨3枚まで値上がりしてね…ハハハハハハ!!いやはや…素晴らしい!!」
大金貨3枚って300万円?!何それ!!
早く自分で売れるようになりたい…
「ハヴェルカ嬢には、瓶とラベルの代金と、私個人の取り分も考えて…前回お支払いした額にプラスして、大金貨7枚を追加でお支払いしようと思うが、どうかね?」
700万円…!!
30本でその額は悪くないどころじゃない。
さすが貴族ね。
「ええ、追加報酬もいただき嬉しい限りですわ。実は、今日は前回とは違う品も、ご用意いたしましたので、購入ご検討いただけますか?」
「ああ、もちろんだとも!!」
これならアイスワイン中々高く買ってくれそう…
明らかに期待のこもった眼差しで、私を見ている。
「では、まずはこちらを…」
美しい黄金色の白ワインを注ぐ…
「おお、これは…うむ。まさしく上質なワインだ。まろやかな甘みと溢れる果実感が最高だな。あるだけ買いたい。」
「白ワインは50本ほどご用意しており、ありがたいお申し出ですが…今回の目玉の品物もご覧になってからでもよろしいかと。」
「なるほど…そこまでの自信か。」
「はい、こちらです。」
倉庫から小瓶を取り出して、グラスに注ぐ。
「こちらはアイスワイン、といいまして。一本のぶどうの木からほんのわずかな量しか採れない、大変貴重なお品で…次にいつ入手できるか、すらも不明なものです。」
何しろ、メルヴィンのやる気次第だ。
嘘は言っていない。
「…ふむ。香りはフルーティでフレッシュ。味は…!!!!蜜のように濃厚かつ、スッキリとした飲み口だな。コクもあり、しっかりとしたアルコール感もある…なかなかの度数…コレは希少と言うのは納得の味だ…」
うーん…と悩み始める。
「こちらは今、何本あるのかね?」
とっておく分も欲しいから…
「通常のワイン瓶で5本ございます。」
「5本…なるほど…」
アイスワインをすべて買いつつ…赤ワインも買って…としばらくぶつぶつ言っていたが。
「アイスワイン5本、白ワインを40本、赤ワインを100本、もらいたい。アイスワインは一本大金貨5枚、それ以外は大金貨1枚と金貨5枚でどうだろか?」
「…。ええ、その額でお願いいたしますわ。」
やった!
大型取引成立ね。
アルメリア伯爵の執事が、金貨を数えてこちらにくれる。
わーい!
何買おうかな?
質のいい砂糖とか買えるわね。
あとはギル君とメルヴィンとリュカ様に、何か美味しい物プレゼントするとか…
倉庫にお金をしまいながら、やっと手に入れた軍資金の事を考えた。
「では、ハヴェルカ嬢。おそらく近いうちに会いにくるよ!」
伯爵はご満悦な様子で去っていった。




