第20話 アイスワイン
朝から用事が特になかったので、ノーマンにもらった白ぶどうで白ワインを試作していた。
実は今回はとっておきがある。
メルヴィンに手伝ってもらって収穫したアイスワイン用のぶどうだ。
木になって完熟したままで、メルヴィンに凍らせてもらったのだった。
あれは3日程前。
作物の出来を見に畑に行こうとすると、一緒に昼食をとっていたメルヴィンがついてくると言い出した。
「別にいいけど…楽しくないかもよ?」
「かまわない。」
「そう、ならいこっか!」
早速畑に向かう。
「おお〜!!なかなか見事になって来たわね。」
まだまだだ全ての敷地は使っていないが、かなりの広さの畑が広がっている。
蔵も今や6つに増えている。
「ご主人様!!見に来てくださったのですか?」
ノーマンが嬉しそうに近寄ってくる。
「あら、ノーマン。いつもありがとう。何か困った事や、欲しいものは無い?」
「いえ、ございません!」
「そう、みんなこんなに広くて疲れていない?」
「いえいえ、むしろやりがいがあり、皆大層喜んでおります。」
他の子達の顔も幸せそうで、たしかに嘘を言っているようには思えないけど…
「それならいいのだけど…無理はしないでね?」
「もちろんでございます。皆、やりがいを持って取り組んでおりますので、ご安心ください。休憩も適宜取らせていただいておりますし…そうでした!実はお見せしたいものがございまして。こちらへどうぞ。」
ノーマンに連れられていったのは、ぶどう畑だった。
それは見事に実をつけている。
「わぁ!!すごいわね。」
「はい、何種類か品種改良に成功しておりますが、今後のご希望があればと思いまして。」
「そうね…ワイン用の量産をお願いしたいから、皮は厚めで種ありの酸味と甘みが強いものをお願いしたいわ。」
いくつか食べてみると、良さそうなものも多く、すぐにでも使えそうだ。
「かしこまりました。」
「あ!この白ぶどう、とっても美味しい!!これはこれで食用に栽培お願いできるかしら?」
「はい、もちろんでございます。」
「これだけの量があれば、アイスワイン作れそうなんだけどなぁ…」
今は春で、寒くなる季節までは、まだまだかかる。
ノーマン達の能力でも、流石にぶどうを凍らせるのは無理だろう。
「アイスワインとはなんだ?」
メルヴィンがこちらを見ている。
「え?ああ、アイスワインって言うのは、完熟のぶどうを凍らせて、その実で作るワインなんだけど…そうすると甘みが強くて、とろりとした口当たりの美味しいワインになるのよ!」
「なる?」
「なるらしい、のよ!」
慌てて訂正する。
幼女がワインの味知ってるのは、どうかと思うもんね。
「そうか…全部凍らせるか?」
「え?…あ、そうか。メルヴィンもしかして、できるの?」
「容易い。」
それはすごい。
やっぱり違うわね。
しかもこの広範囲全部なんて…
「なら、この白ぶどうのこの辺一帯お願いできる?あと、できれば他の枝は傷つけないで欲しいな…と思って…」
「わかった。こうか?」
一瞬にして、白ぶどうの実だけを冷凍させた。
「すごい!!こんな一瞬で?!ありがとう。」
早速収穫しないと。
「ご主人様!収穫は我々にお任せください!」
「これ、冷たいわよ?」
「このようにいたしますので。」
ノーマンがぶどうの前に来ると、手をフリフリした。
するとぶどうが根本からスパっと枝から離れ、ふわふわ浮かんで近くの籠に入った。
「そんな事もできるのね。」
「はい!我々は個々に特技がありまして…私は収穫に便利な能力がございます。他にも同じ特技のものがおりますので、ご主人様は、今しばらくお待ち下さいますようお願い申し上げます。」
「ありがとう。」
しばらく待って、私の本の倉庫にたくさん冷凍ぶどうを収穫していった。
後で作るの楽しみ。
そんな事で、メルヴィンの協力の元材料の入手に成功していた。
「じゃあ作りますか。」
ワインの材料に、凍った白ぶどうを選択する。
あとは熟成度合いなどを選んで、実行する。
ワイン瓶で10本ほどの、アイスワインができた。
匂いととろみ的には最高の一品ができたと思う。
小瓶も2本あるから、アルメリア伯爵の試飲用はこれでいいかな?
アイスワインは甘い種類だから、この世界の人たちに受けそうだな。
でも、アイスワインは普通のワインよりできる量が圧倒的に少ないから…
当面は高級品扱いだな。
ブクマ、評価してくださった皆様ありがとうございます♪
やりがいになります!ありがとうございます。
屋敷の人数や目的について3話と4話に追加して改稿しました!




