第133話 決着
第133話 決着
『妾の話を遮るでない』
どこからともなく、タイターニアはローズウィップを取り出して弄んでいる。
美女にムチは似合いすぎだ。
ムチも少し揺れるだけで様々な花弁が舞い散り、美しさも添えている。
『少し見ない間にバカに磨きがかかったのではないか?……のうベレトよ』
『ギャー!!言うな!』
悪魔王は力の限り叫んでいるが、イオ達はかなり距離があるから聞こえなかっただろうが、私にはバッチリ聞こえた。
……もしかして今の。
『妾が真名を握っている事すら忘れたのか?』
『チクショ…俺とした事が…』
先程まで圧倒的と思われた悪魔王を圧倒している。
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「タイターニア様…すごい」
「我が妻はすごいだろ」
「えっ?!オベロン……?」
いつのまにかオベロンが帰って来て、紅茶を片手に寛いでいる。
「ええ……オベロン貴方…」
「心配するな!あとは他の連中でもなんとかなるだろ」
「そう…?」
「ま、やばそうだったら戻るからよ。安心して茶菓子を供すがよい」
茶菓子って……
相変わらず自由なヤツね。
「動いたから小腹が空いたな」
勝手に食料を漁り、中からピーナツバターとバナナのサンドイッチとチョコレートクリームとオレンジのサンドイッチを取り出す。
それらをもぐもぐとやりながら……
「不思議か?」
「え?」
「妻が優位で不思議な気持ちだろう?」
「ええ…でも真名って聞こえたわ」
「ああ、我妻はヤツの真名を知っている。悪魔にとっちゃあこれ以上の弱点はそうないな」
「なるほどね……」
なぜかオベロンはニヤニヤしている。
「?どうしたの?」
「いや、退屈しのぎにヤツがどうしてそんな目にあっているのか話してやろう」