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第17話 畑の作物

その日の夕飯は久しぶりの、お味噌汁付きの夕食になった。

もちろんお味噌汁は私だけで、メルヴィンにはオニオンスープをつくってある。

メルヴィンは好き嫌いや食べられないものも、少ないようで助かる。

それでも、いきなり異世界のスープはハードル高いよね。

かなりガッツリと熟成させた味噌も作ったので、それは出汁なしでも美味しい味噌汁になる。

やっぱり記憶に焼きついた習慣は、なかなか変えられない。

早いとこ鰹節とかも作りたいけど、そもそも鰹取れるのかな?

メルヴィンには予定通りエイジングビーフのステーキを出した。

今回は発酵バターを使い、匙でバターと肉汁をかけながら焼く技法を使って焼いてみた。

いつものオーブンの方が私は楽なんだけど、たまにはいいよね。


「!肉、いつもと違うな。」

「美味しい?」

「これはこれで美味い。バターの風味がするからいつもより幾分重たく感じるが、それもまた重厚で奥行きのある味わいだ。肉の甘味にもあっている。もう一枚。」

「よかったらさ、2枚目これかけてもいい?」

醤油をみせる。

メルヴィンは、ふんふんと匂いを嗅いだが嫌ではなかったようでコクリと頷いた。


先程と同じように焼いて、最後に醤油の香りが広がるように、フライパンのフチから醤油をかけた。

途端にジュワーッという音と共にいい香りがあたりに広がる。

「はい、お待ちどう様。」

一口ぱくり、と食べ…

あとは夢中で食べ進めている。

美味しいみたいね。


「その黒いのはなんだ?」

「これ?これは醤油って言う調味料よ。」

「その本はいろいろできるようだな。」

「ええ、とても助かっているわ。」

「変わった能力だな。」

「そうね…実の所、私にも次は何ができるようになるか、わからないんだけどね。」

「メルヴィンは何か魔法使えるの?」

「ああ、炎と氷だな。」

え?

ウチの愚兄と同じ系統?

「見せてやりたいが、ここで本気を出すと家が無くなる。」

「あ、そうなのね。」

「だから今はこれをやる。」

そう言うと、氷でテディベアをつくってくれた。

「かわいい!!」

「地下に置いておけば、ずっと溶けないぞ。」

「ありがとう!そうするわ。」

こんなに大きな氷の作品を一瞬で作れるだけで、兄達とは大違いだ。

運ぼうかと思ったが、メルヴィンがひょいと持ち上げて、持っていってくれる。

「ここでいいか?」

「うん、お願い。」

棚の空いている場所に置いてもらう。

キラキラツヤツヤ本当に綺麗…


夕飯後はお茶を飲みながら勉強タイムにした。

翌日もいろいろと、試作をしたり勉強をして過ごしノーマンとの約束の3日目がやってきた。


「よし、行ってみよう。」

ガチャリと畑のドアを開けると、ノーマンが真っ先に挨拶に来た。

「ご主人様、ようこそおいでくださいました!お約束の品々はすべて整っております。」

誇らしげに告げるだけあり、倉庫には頼んでいた餅米や白ぶどうの他にもさまざまな種類の黒葡萄が積まれている。

「ありがとう!最高だわ。もらって行くわね。」

袋ごと、どんどん本の倉庫に収納する。

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