第11話 シナモンロール
「リアお姉ちゃん、大人気でしたね。」
「ええ、あんなに頑張ってくれて…嬉しい限りだわ。早速これで試食をつくってみるから、上手くいったら持ってくるわね!」
「はい、楽しみにしています。」
またメルヴィンの家でパンを作った。
小麦の香りがいいから、パンドミがすごく美味しく焼けた。
今日はシナモンロールも焼いている。
シナモンロールは北欧風に、カルダモンを使ったものも焼いている。
カルダモンガッツリ効かせても、わりと美味しいのよね。
シナモンフィリングとカルダモンフィリングをつくっておく。
生地にはたっぷりとバターを練り込んで、ふわとろ食感を目指そう。
上に乗せるアイシングは、隠し味にクリームチーズを少し練り込むのがお気に入りだ。
もちろんクリームチーズも自家製!
トロリとしたアイシングは粉砂糖だけより、断然美味しい。
某シナモンロール店に似た味になるので、オススメだ。
平たくした生地にフィリングを塗って、巻き寿司のように巻き巻きする。
巻いた生地をカットをするのが、1番のお気に入り作業。並べると物凄く達成感があるよね。
ふふふ…
美味しそう…
生地の状態は最高だ。
あとは焼いてアイシングをかけるだけ〜
ギルバートの家から帰った後は、メルヴィンは肉を確保するとかで留守にしている。
メルヴィンも、後で食べられるように持って帰ろうかな。
食器を洗ったりするうちに粗熱は取れるでしょう。
自室に持って帰る途中…
次は何を作ろうか、考えていると2人の女の子から声をかけられた。
「あの…ハヴェルカ子爵令嬢?」
「?!はい?」
思わず変な声が出た。
話しかけてきたのは、美しい赤毛の少女と、茶色のストレートヘアーのオドオドした女の子だった。
私より少し年上に見える。
「驚かせてしまって申し訳ありません。私、フローレンスと申します。アルメリア伯爵家第三女ですわ。」
「私は…メアリです…メアリ・アーマッドです。その…私は伯爵家を名乗る事を、許されておりませんので…その…」
「あの…失礼でなければ、フローレンス様とメアリ様とお呼びしても?」
何か事情があるのだろう、モゴモゴと言っているメアリを遮って言ってみる。
別に、私は貴族じゃなければ話もしたくない、とは思っていないからね。
しかもここは、厄介者の寄せ集め。
フローレンスの顔がパッと輝く。
「ええ、ぜひ!私もコーデリア様とお呼びしますわね。」
メアリもコクコクと頷いている。
「実はお呼び止め致しましたのは…その、コーデリア様がたまに、とても良い香りの見たことのない、パンをお持ちだからでして…もし可能であれば、私達も購入できないものかと思いまして。」
「嬉しいです!実は今手持ちがあるので、よろしければ食堂で召し上がってみますか?」
「まぁ!!やはりその袋の中身はパンですのね!」
では、早速と3人で食堂へ向かう。
「どうぞ、シナモンロールです。」
「良い香りですわね…」
「…美味しそうです…」
2人は優雅に、皿に乗せたシナモンロールをフォークとナイフで食べ始めた。
やっぱり令嬢はかぶりつかないよね。
「!!!!」
「…!!!!」
2人とも一口目は、恐る恐る口に入れたが、二口目からはかなりハイペースに食べ続ける。
「こんなに柔らかなパン、初めてですわ!ふわふわトロトロで口の中で、溶けていきますわ。」
「…美味しい…美味しい…シナモンとクリームがこんなに合うなんて…」
2人とも完食し、少し残念そうなので、二つずつプレゼントする。
「まぁ!いいんですの?いただいてしまうと、コーデリア様の分がなくなってしまうのでは?」
「…ぜひぜひ、お代くらい払わせてくださいませ。」
「ええ、それとぜひお店を紹介してくださいませ!」
「あの…実はコレ、私が作った物なので…お代は結構ですよ。」
「えっ!?こんなに美味しいパンを?」
「開発なさったのですか?」
「ええ、まあ。気に入っていただき嬉しいので、ぜひお持ちください。」
「…まあ、コーデリア様は私より幼いのに、素晴らしい才能をお持ちなのね。」
「あの…その…じゃあ、ほかに…お手伝いできる事とか…ございますか?」
「んー。そうですね…あ!もし知り合いの方で、ワインが好きな方がいたら、紹介していただけませんか?」
「うちの父は大のワイン好きですわ。」
「アルメリア様、そうなのですか?」
「はい、明日いらっしゃいますので、父でもよろしければご紹介致しましょうか?」
「はい!ぜひお願いします。」
伯爵家なら、子爵家より格上だから…
もしも義母が横槍を入れたくても、入れにくいだろう。
できれば、アルメリア様の父上から販路を広げていけないかな?
評価、ブクマしてくださった皆様ありがとうございます♪
とても励みになっています!




