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第93話 日本酒作り

今日はアカデミーの午後の会合がないので、自分がやりたかった日本酒作りに着手する事にした。


ギルバートからもらった土地は農作物以外にも、きれいでとても水質がいいので、日本酒の酒蔵を作っていた。

現地で早速作りに行こうと思ったら、セシルも一緒に来たそうにしている。

「セシルも一緒に来る?」

「よろしいのですか?」

普段ベースが無表情だけど、今はかなり嬉しそうに見える。

「ええ、もちろんよ。」

畑の側なので、鍵を使ってあっという間に行けるしね。


セシルは無類の日本酒好きだから、やはり現地は興味があるのかも。

「それでは、ぜひご一緒させてください。」

意気込むセシルと一緒に出かける。


畑には寄り道せずに、直接酒蔵と工場へ向かう。

酒蔵に着くと、妖精達を呼び出す。

現れたのは、金髪の子5人赤毛の子2人茶髪の子2人オレンジ髪の子が3人だ。

「はじめまして、わたしはコーデリア・アッシュベリーよ。」

「はじめまして!!ご主人様!」

「早速だけど、みんなに頼みたい事があるの。」

そう言うと、俄にザワザワし始める。

「おお!!」

「いよいよワレワレの番なのですね。」

「嬉しいなあ!」

「楽しみね!」

みんな旅行前の子供のようにはしゃいでいる。


「みんなにお願いしたいのはこれよ。」

日本酒を数本取り出す。

代表してオレンジの子が受け取る。

「ほうほう…これは面白いですね。」

のぞき込んだ他のメンバーもワクワクと見ている。

「ワレワレもお役に立てそうな品ですね。」

「火入れ!!火入れ!」

流石、プロ達は仕事の概要把握が早い。


「アレだけで、わかるのですか?」

セシルがびっくりしている。

そりゃあはじめて見たらびっくりするわよね。


早速作業を開始してくれたのを見ながら、せっかくなので、セシルに日本酒のできるまでを百科辞典で簡単に説明する。


「日本酒はね、精米、洗米、蒸し、製麹、酒母作り、仕込み、発酵、絞り、折引き、濾過、火入れって言う工程があってね…」


それぞれ…

精米…米の周りを削る。削る度合いが大きい程雑味が減りスッキリとしたキレのある味になる。

洗米…米を洗って2週間くらい干した後に、また水を吸わせる。

蒸し…米を蒸す

製麹…麹を米に振りかける

酒母作り…樽に入れる

仕込み…3回に分けて、新しい蒸し米と水と麹を加える

発酵…発酵させる

絞り…酒粕とお酒に分ける

折引き…上澄だけ取る

濾過…不純物を取る

火入れ…酒を温めてこれ以上発酵しにくくする


実際は濾過だけしたものを売っていたり、火入れの後にお水を足してアルコール度数を調整したりしているから、仕上げ方にもいろいろ方法があるけど…。

まあ、セシルは作る訳ではないので、このくらいでいいだろう。


「こうやって作るのよ。…わからない事とかあるかしら?」

「いえ…いただいていたものが、まさかそのように複雑な製法だとは知りませんでした。」

たしかに、ワインとかに比べたら、ちょっと工程が複雑よね。


なんだか説明を聞いていたら飲みたくなったのかな。

わかるわ、その気持ち。

目の前で作っているものを、現地で味わうとまた格別よね。

まだ完成までは先だし…。


「コレ、よかったらあげるわ。」

先程見本に渡したお酒を渡す。

「えっ!?よろしいのですか?」

「ええ、これも一緒にどうぞ。」

セシルの大好物蛙と蟹味噌を渡す。

「…?これは…?」

不審な色合いに怪訝な顔をしている。


「かにみそって言うの。蟹の一部なのだけど、とっても日本酒に合うわよ?」

勧めると、恐る恐る舐めてみる。

「!!これは!」

「一口お酒飲んでみて?」

「………!!」

もう一度蟹味噌を舐め、日本酒を飲む。

「美味しいでしょう。」

「!!お嬢様の前にも関わらず申し訳ございません!」

「あら、私が勧めたのよ?」

「ですが…」

「気になるなら、部屋に帰ったらお風呂までは呼ばないから、その間に楽しんでもいいのよ。」

「…はい。ありがとうございます。」

セシルはいそいそとお酒をしまう。

「この蟹味噌というのは…?」

「んー。蟹の栄養を貯める臓器よ。フォアグラみたいな物…かしら。」

「なるほど…奥深く、蟹の風味が感じられる品でした。ありがとうございます!」

セシルは日本酒と蟹味噌の組み合わせが気に入ったらしい。

美味しいわよね。

酒好きは極まると塩だけでいいらしいけど…。

私は肴がある方が楽しい段階だわ。


「では、帰りましょうか。また明後日頃見に来ようと思うから、その時も一緒に来ましょうね!」

蟹味噌をガッシリと掴んでいるセシルに笑いかけた。

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