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第87話 定食屋さん

たくさんの妖精が呼び出せるようになった今。

やはり作りたい定食屋さん。

ふらっと立ち寄って、いつでもホカホカのご飯が食べられるとか最高だと思う。

豚汁が定食のセットだと尚良し。


もし失敗しても、資金余力はかなりあるし…

貴族向けというよりも大衆向けにオープンしようかな。

あと、ゆくゆくは居酒屋とかも作りたいし。

和食が受け入れられる土台を作って行かないと…

そう思った私は、早速公爵領の孤児院そばの、平民向けの店が立ち並ぶ地区にお店を買った。

かなり築年数がある家で、改装すればかわいい古民家カフェのようになりそうだ。

改装が終わると、中々落ち着いた可愛らしいお店になった。


お店を手に入れたあとは、モリスさんに相談して内装と、お店で使うお椀やらどんぶりやらを仕入れる。

箸も揃えたが、フォークやスプーンも用意する。

内装はできたから、あとは働き手よね。


本を開いて、妖精を呼び出す。

「お呼びですか?ご主人様!」

オレンジの髪がソバージュになっている女の子と、短髪の男の子2人が現れる。

「ええ、みんなにお願いがあって。」

「お料理ならお任せくださいです!」

「ええ、もちろん料理をお願いしたいのよ。」

「ハイです!」


今日の日のために本枯節と昆布、煮干しも用意したのだから。

鰹節は発酵食品。

私の得意分野だ。


ちなみに鰹節は荒節と本枯節の2種類がある。

荒節は発酵させていない鰹節で、本枯節は最後に菌をまぶして発酵させている。

安い出しパックとかは荒節でよく鰹節でイメージする表面が白いやつが本枯節だ。


公爵領は海に面しているので、様々な海産物の輸入品が手に入る。

すかさず鰹や昆布、イワシの流通ルートを確保したのだ。


昆布は趣味で塩昆布も作ってある。

塩昆布一つでいろんな料理に使えるので、重宝している。

例えば、塩昆布ときゅうりと胡麻油で、きゅうりのタタキにしたり…

野菜をキャベツに変えても、美味しいおつまみになる。


簡単炊き込みご飯にも使える。

ご飯3合に対して塩昆布一袋、鳥モモ肉、舞茸を入れて炊くだけで美味しい炊き込みご飯になる。


海産物が用意できた事もあり、和食屋の下準備はバッチリだ。

「じゃあお願いしたい品を出すわね。」

牛丼

豚丼

親子丼

豚汁

豆腐のお味噌汁

アサリのお吸い物

豚の生姜焼き

筑前煮

肉じゃが

ナスの煮浸し

ほうれん草のおひたし

ナス田楽

チキンカツ定食

トンカツ定食

テリヤキ定食

コロッケ定食

メンチカツ定食

からあげ定食

付け合わせ用…

ひじきの煮物

切り干し大根

ポテトサラダ

マカロニサラダ


「たくさんあるけど大丈夫かしら?」

「ちょっとみてみますねぇ」

3人はふむふむとテーブルを見ていたが…


「問題ないです!いつでも作れますよ!」

女の子が腕まくりをする。

可愛い。

「じゃあ、明後日からお願いしたいわ。貴女達は料理専門で、他の子に注文を取らせるから当日顔合わせしましょう!」

「はい!ご主人様。」

「貴女達にも名前が必要よね。」

オレンジのこ達は、何となく見た目的に語尾をリーにしているから…

「貴女はサリーはどう?貴方達は、チャーリーとロニーはどうかしら?」

「「「嬉しいです!」」」

3人とも嬉しそうにしている。


3人にお願いした足で、孤児院に向かい、前々から目をつけていた少女2人と少年1人に声をかける


「ご機嫌よう。ツバキにアヤメ。それにライアンも。」

「これはこれは!コーデリアお嬢様。ようこそです。」

「コーデリア様!!嬉しいですにゃ。」

「…。」

ツバキとアヤメは見た目が和風だ。

2人とも黒髪ストレートのロングヘヤーに、緑と青のオッドアイ。

目鼻立ちがなんとなく日本人風で、日本にいれば人気アイドルだったのでは?というような美少女だ。

2人は猫人族の獣人で、双子は不吉だと追い出されたらしい。

なんとなく、親近感を感じている。

ライアンは大柄な熊人族の少年で、無口だが働き者で、乱暴な性格ではないので、2人の護衛にもなってくれるだろう。

まあ、カロンの結界魔道具渡すから、ほぼ安全だけどね。


「今日は3人にお願いがあって来たのだけど…」

「喜んで!!」

まだ何も言っていないのに、ライアンが快諾する。

「お嬢様がお望みで有れば、なんでも致します。」

ライアン君には小さな妹達がいて、病気で瀕死だった2人をコッソリ最上級ポーションで回復させて以来、孤児院にくるたびにドアを開けてくれたり、イスの上に敷く布をくれたりと何かと親切にしてくれるのだ。

最上級ポーションの存在はまだ口止めしているし、妹達はまだ小さいので訳がわかっていないと思う。


「私達もです…にゃ!」

「喜んで!」

ツバキとアヤメは、語尾ににゃを付けても、私が嫌がらないと知り、最近はちょっとずつ付けている。

「ありがとう…3人とも。実は、近くでお料理屋さんを始めるから、そのスタッフをお願いしたくて…」

ツバキとアヤメの耳がピーンとなる。


実はこの2人、飲食店で働くのが夢で、ずっと孤児院で接客と勘定を勉強していたのだ。

「「スタッフ?!」」

「お願いできるかしら?」

「も、もちろんにゃ。」

2人は高速で首を縦に振っている。

「自分は、護衛と重たい物ですね。」

ライアンも乗り気で何より。


女の子2人の制服は、かわいいモスグリーンのメイド服風。

古民家カフェ風な店内にマッチしている。

ライアンはシンプルなシャツとパンツだが、ガタイがいいので、よく似合いそうだ。


「料理は専門家が作るから、貴女達は注文を受けたり、料理を運んだり、お会計をお願いね。」

掃除と皿洗いは、浄化魔石と魔道具があるから不要だ。

お金があるって素晴らしい。


「開店直後は中々お客さん入らないと思うけど、まずはこれ配ってみて。」

チラシに料理の説明と料金、さらに初回のみ半額と言うクーポンが付いている。

クーポンは魔術式が組み込まれているから、複製はできないが…

「1人で何回も半額で来る人がいても、気にしなくていいわ。そのかわり、10回を越えたら教えて頂戴?」

「わかりました!」

「それと、何か問題が起きたら無理せずに、すぐにこの手紙を飛ばしてね。商会支部からスタッフが来るから。」

今のところ、どのお店でも大きなトラブルは起きていないが、何かあった時には、きちんと助けがくるシステムにしている。


和食は今ひとつ流行らないのでは…と心配したが、ツバキとアヤメがものすごく頑張って宣伝してくれたり、半額であれば一度食べてみようと言って来てくれた人がリピーターになってくれたり、と徐々にではあるが、着実に人気を高めていった。

エルフの平民には思った以上に受けたが、海を渡る商人のコボルトと魚人に人気が高く、彼らが町にやってきては必ず立ち寄る名店になって行った。

中には、海の向こうにからあげの美味しさを伝えようと、劣化無効の箱にからあげを詰めて輸出する者まで出始めた。


美味しさが広まるに連れ、大衆向けのお値段設定の店舗ではあるが、豊かな商人や地方名士も食べにくる人気店になって行ったのだ。


そして、コーデリア夢の和食浸透は、支店が王都にもできた事により、着実に進んで行った…

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― 新着の感想 ―
[一言] 酒の次は和食っ! 異世界が、ジャパニーズ化しとるww 良き良きw
[気になる点] いつも楽しく読ませて頂いてます(^^) 100話の孤児院でお目当ての子供3人に挨拶する所ですが、男の子の名前ムツキでは無くライアンの間違いでしょうか?
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