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君とこの狂った世界の中で。  作者: ゆるふわ腐女子
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転生した先の世界…⁉

 私は五月女仁美。今年で高校1年生、女子校に通う、どこにでもいる女子。


 部活は陸上で勉強はそこそこ、友達も結構いて過不足ない生活を送っていた。毎日、まあまあ楽しいし、漫画や小説でいう『青春』というやつを送っていた。


 だがある日からそんな平穏な『青春』を送ることに苦しみを感じていた。それを感じているのは私だけでなく、私の親友、佐倉苺もであったらしい。


「そうだね…なんとかしてこのつまらない『青春』から抜け出したい。」


 という事で私達は「パラレルワールド」という並行世界に行くことにした。


 パラレルワールドに行くには手順があり、複数人で行く場合はまず、同行したい人と一緒に9時30分に寝て4時43分に起きる。片方の人は44分にお風呂の鏡で反射する自分を見てもう片方の人はお酒を飲みチョコレートを食べる。そして45分に再び寝る。というものだった。


 こんな簡単な手順で本当に行けるのだろうか…


 でも取り敢えず試してみればできるかもしれないから家だと親がいて邪魔だし、学校帰りにホテルをとってそこで決行することにした。苺の方は緊張していたが私はそんな緊張など皆無だった。


「ところでだけどさ、お酒ってどうする?冷蔵庫の中に一本だけ日本酒?なのかなが入ってるけど…飲みかけなんだよね…。」

「でも飲みかけだったら私達が飲んだとは分からないし…。でもそんなもの置いてるなんてここのホテル、サービス悪いね。」


 そんな話をしてもう一度パラレルワールドに行くための方法を確認しあって…そうしていたらあっという間に9時30分になっていたので一緒に手を繋いで寝た。


「頑張ろうね。」

「そうだね。」


 私達は無事4時43分に起きて、ミッションをクリアしてまた寝て…。


 次の朝起きると私達は異世界にいた。


「ねえ!苺!私達、遠いパラレルワールドにこれた!ねえ…見てよ!この風景といい…。」


 私たちが来た世界はもう夕方で夕焼けが茜色に輝き、夕方を告げる音楽が大きな鉄塔のような時計台から聞こえ、居酒屋は開店をはじめ、路上の出店は店を閉じ始めていた。時計台の下には東京ドームのような大きな不思議な建物があり…。


 そう、私達は異世界に転生してきたのだ。


「苺…凄いよ!異世界!まずは何する?ご飯?」


 私は異世界というパラレルワールドに来て興奮していたが苺自体はあまりというより一切興奮などしていなかった。逆に不安そうだった。


「なんかさ、異世界に来たのはいいけど…どうしよう。決まりとか何もわからないよね。本当、今更だけど。どうする?このままだと死んじゃうかもよ?つまらない世界から抜け出せたのはいいけど!早くしないと…モンスターに食べられたり…飢え死にしたり…。」


 苺は不安を通り越して切羽詰まっているようだった。


「大丈夫、私異世界ゲームとかしてきたこといっぱいあるから分かるんだよね。きっと…あの東京ドームみたいのがギルド、それで私たちは経験値カードとか服装見る限り魔法少女だね。ギルドでクエスト申請をしてモンスターをやっつけることでお金は稼げるから。」


「でも…家ってどこだろう?どこにも書いてないし…」

「確かに…」


 そう疑問を抱いていた時、向こう側から手を振って近づいてきた人がいた。きっとこの世界での友達なのだろう。


「やっほ~苺と仁美!今日、美香は3000チェリー稼いだ!凄いだろぉ。」


 自分の事を美香と呼んでいる。名前が美香なのか。


「おお…流石、美香。そうそう…あのさ、さっきモンスターに記憶を一部とられてさ…家の場所、分からなくなった!ごめん!教えて…」


(流石、私の順応力とコミュ力!)


「もう…あれほど盗賊系モンスターには気を付けてって言ったのに。ステータスは低いけどスキルをたくさん持ってるのよ。まあ住民に被害は与えないから良いのだけれど…。まあ私たち同居してるし、今から帰るところだったから良いんだけど!」


 私達は美香とともに家へ帰った。美香の話を聞くに、私と苺と美香と香奈という人物はパーティーを組んでおり、同居しているらしかった。パーティーは組んでいるが常時、別行動で、物凄く強い敵に挑まない限り一緒にクエストをすることはないらしい。


「仁美…有難う。これで、異世界生活、楽しめそう。」


 苺はそう私に囁いた。


 それから今日の出来事などについて雑談をしていると急に何かを思い出したのか美香が立ち止まって低い声で言った。


「ねぇ…もしかして、さ…そのモンスターに『あのこと』も奪われちゃった?」


「『あのこと』って?そんなに大切な?」


 美香が私たちに話したことはこの国についての重要な事だった。

 

 この国には王が一人必要だが一年前、元の王が死んでしまいこの国には王がいない状態が続いている。

 それを見計らいある国が我が国を支配しようとしているらしい。その国の者、つまり「ルルキラ人」はある個体に取りつくことができて、取りついたらその者を狂気に襲わせたり…。その個体をすべて支配できるようになってしまう。又、結構強いため、一般の剣士にも手に負えない。

 それを防ぎ、「ルルキラ人」を退治していくのが私達、魔法少女の仕事らしい。


 手順はまず手に付けている時計の光を取りつかれた人達にあて「ルルキラ人」と我が国人間を離脱させる。次に単純にルルキラ人を倒す。それで終了。


 それだけで2500チェリーは稼げるらしい。2500チェリーあれば過不足ない生活を1週間送っていける。


 私はこの話についてずっと悩んでいた。どういうことかあまり理解ができなかった。するとドアから苺が入ってきた。


「お邪魔するよ。美香が話したことを理解できなくて、何のことか理解できなくて、寝れないんだよね。そんな中悪いんだけど…私、やっぱ我慢できないわ…ッ!折角パラレルワールド、来れたんだし…しない?アレ、しない…?」

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