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飯屋ではありません薬屋です。  作者: たちばな樹
6/7

騎士の矜持は飯で治る?

い、1位……[電柱]_ ̄))ソォ- すみません。動揺ついでにやっぱり調子に乗って書いてみました。

2作投稿ですが。

よろしくお願いします。




「お!妹ちゃん、人参入ったよ!買って行くかい?」


「帰りに寄るー。じゃが芋とキャベツ買ったら行くね!」



「野菜スープでも作るのかい?おじさんもご相伴に預かりたいもんだ!」


あははは!って笑ってますが。

なに言ってるんですかねーーー。




「もー!私の料理なんて普通の一般料理だよ?おかみさんの方が美味いのに!」

「警備隊御用達のお店にお呼ばれされてぇだけだよ!」



がはがは笑うおじさんは悪気は無いのは分かるが。

違うからね。




「おじさん、ウチは薬屋です。」




ジト目で憮然としても、まー後で寄れや!と人の話聞かないし。



なんでウチが警備隊御用達なんだ!







私が王都に引っ越して来て半年以上過ぎた。


両親が相次いで儚くなり、身内は兄だけとなった。なので王都で薬屋を営む薬師の兄を頼り引っ越して来たワケだが。


初日に熱を出した以外は概ね元気にやっている。


兄を見て気が抜けて泣き噦ったのは秘密だ。

兄が知ってるじゃん、とか言うな!

いい歳して兄に抱っこされて泣き噦って熱出したなんて恥ずかし過ぎるでしょーーー!!!

私の黒歴史をバラすヤツは激辛ペッパーまみれの刑に処すからね!!!




日々の生活にも慣れた。

憂鬱なヤツラが押しかけて来るが。



昨日も来たが食材持参だったから許してやろう。







「妹ちゃん!業者が来たから香辛料揃ったよ!寄ってて!」



香辛料を取り扱うおばちゃんに声をかけられ店に足を向けた。



「あ。じゃあ幾つか欲しいのあるから見せてください。」

「新入荷はそこの棚だよ。」

「流石王都。品揃え違いますよねー。ウチの方とは大違い!」

「あー。北の方の出だっけ?」

「はい。北の国境から少し離れてはいますが北寄りです。」




珍しいのや補充分を見ているとおばちゃんが近づいて来て覗くように言ってきた。




「あ、セグルさんは辛いの好きだからタバスコはどうだい?ジャンゴさんやオリュザさんはハーブの香草が好きだからこっちはどうだい?」




おばちゃん人の好さそうな笑みを浮かべていますが。



「ヤツラの好みなんて知りたく無いですわ。知っても知りません。関係ありません」

「そう言わない!お隣さんなんだから仲良くしなさいな!」




えぇー。だいぶ大所帯なお隣さんなんですが?迷惑してますが?

腹へったら飯屋に行け!

ウチに来んな!!

つーか。なんでおばちゃん知ってるの?




「商店街の情報網を侮っちゃいけないよ!」



おおらかに笑うおばちゃんが一番侮れないと思うよ。





食い尽くされた食材の買い出しに何往復かこなす。

マジ重い。面倒ー!!

クソー!!アイツラのせいだ!!

アイツラに手数料上乗せしてやる!!


守銭奴じゃないからな!!

相応な対価だぁぁああ!!!



最後の買い出に人参を買い帰路に向かう。

今日は買い出しで一日が終わりそうだ。


疲れたー!

腕が痛い!


クソーー!アイツラの飯に激辛仕込んでやる!

あ。一人辛いの好きか。腹いせにならないか。

チッ!


理不尽に腹の収まらない気分をズカズカと歩きながら発散させていた。





「お!妹!!」



いきなり呼ばれて振り向くと眼光鋭く狼のような雰囲気を纏った男が立っていた。



あぁ?

私はお前の妹じゃない!

気安く呼ぶな!!



気分の悪い私が厳ついご面相如きに恐れを成すわけがなかろう!



ラフな白シャツに黒の革のベスト。黒のトラウザーズに黒の編み上げブーツのその男。

騎士服を着用していないが、その目付きの悪さは覚えている。



私の疲労の元凶の一人、ライ・ロッゲンだ。




「重そうだな。買い出しか?」

「ええ!どっかの馬鹿達がウチを食堂と勘違いしてるみたいでね!!」



馬鹿達の一人が目の前に居るが。



そう言われ渋い顔するのは自覚ありか!?

なら改めろ!



私の不機嫌を察したのかライが手を出した。


荷物を持つとの意思表示か?


お前らの所為で買い出しが大変なんだから当然だな!



なら、と荷物を出し手に押し付けた。


ライは、また渋い顔しながら反対の手に荷物を持ち替えた。


で、また手を出した。


は?


ジィッと見つめた。



「……迷子になるだろ?」

「引っ越して、もうだいぶ経ったから迷子になんてならないわよ?」

「チッ!………だから、まぁ……、なんだ」



「ダメでしょ?騎士が両手塞いじゃ。咄嗟に剣が抜けなくなるよ」




父は絶対利き手を空けていた。

だから騎士の手を塞ぐのはご法度だと知っている。





迂闊なライに呆れた顔を向けた。



父から聞いた騎士の矜持を懇々と説明しながら帰路についた。








ウチに着き、荷物を兄に手渡したライ。




「お前……」





無言無表情のライに珍しく肩を叩き、そして何故か肩を落としていた兄。






兄の目がどんよりしているが……?

ま、いいか。






さーて。

夕飯何にするかなぁ。







この話にライが出たのは、あみだくじで決まりました。特にヒーロー決めていないので。常に行き当たりばったりです。

ちょっとは恋愛に……続かないのは安定の妹ちゃんです。


お読みくださりありがとうございました。

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