震え
今日はジャスティンと初デートだ。
今日はジャスティンと初デートだった。
現在13時、11時に待ち合わせをしていた。
私はすっぽかされたのだ
いや、
本当は私がすっぽかした
寝過ごしてしまっていたのだ。
このままだと私は、やっと会えた理想の彼 ジャスティンに嫌われてしまう。
いや待てよ、彼は私の理想なのだ。
だから、私の理想どおりに行くと
すっぽかされた時は 傷ついて三日連絡が取れなくなり
四日目に連絡がついて、デザートを奢ったらけろっと許してくれる 。
といった感じになるはずだから……
三日も会えないのはかなり辛いけど
仕方ない、と
四日後に連絡をすることにした。
しかしそれはただの理想で終わった。
私はトイレに行きたくなり
やっとベッドを立とうとしたその時、
なにか柔らかく、
例えるなら
ツヤツヤの まるで貴族の飼い猫
といったようなものに触れた。
しかしこれは予想通りネコではなく
なんと彼だった。
彼が隣で寝ていたのだった。
なーんて、甘い展開がくるか?と夢見ていたが、
その猫のようなものは本当に猫だった。
ただの飼い猫だった。
「なんだようもう ジャスティンだって期待しちゃったじゃんよう」
私のつぶやきに
猫はニャーとは鳴かなかった。
代わりに
「オハヨーン ソノジャスティンデース」
と鳴いた。
いや、喋った
というか、話した。
やっぱり猫ではなかったのだ。
ジャスティンは喋り方は馬鹿っぽいが
かなり知的で大人な男性用であります。
そんなことは置いといて
彼は私と30cmほど離れた場所に寝ていたのだ。
連絡がとれないどころか、家に居るとなると
理想とはまるで大違いじゃないか。
「(ということは……
私は彼と寝ていたのか?)」
咄嗟に目をつぶり、考え、記憶を辿って行った。
やはり 私は一人で寝たはずだった。
ハッと彼を見上げ、言った。
「ナ、ナンデイルデスカ?」
私には流されやすいところがある。
この時も彼のカタコトがうつっていた。
「お前、待ち合わせに来ないでその態度はないだろ(´・ω・`)」
彼の日本語は驚くことに
とても流暢なものだった。