↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
27/41

第27話 必歩流帝〜夏休み

 ブルッル…ブルッフ…フッフ…。

「なぁんだか、機嫌わりぃんだよな、最近。」

 必歩流帝(ヒッポリュテー)のバイクは、調子が悪いようです。

「姉さん、一度病院入れたほうがよくないっスかね。」

「アタシらじゃ、ちょっと…。」

 仲間たちに言われて、必歩流帝(ヒッポリュテー)は目を閉じました。

「金がねえ…。」

「アタシらカンパしますよ!なあ!」

 おー!と声を上げる仲間たち。けれど、必歩流帝(ヒッポリュテー)は首を横に振りました。

「ウチの馬だ。ウチが直す。それがスジだろ。」


 バイクは家のガレージにしまって、バイト探しです。

「ウチにできそうなバイトね…。」

 必歩流帝(ヒッポリュテー)は、昔やったコンビニのバイトを思い出しました。手際が悪いのか、レジが長蛇の列になってしまった過去。店長は笑顔でフォローしてくれたけど、他のバイトの視線がキツくて、すぐに辞めてしまった…。

「制服も、パツパツで動きにくかったしなあ。レジ系はダメだな。」

 歩いて行くと、ガソリンスタンドが見えます。

「ウチ、バイク好きだし、ガソスタなら…。」

 必歩流帝(ヒッポリュテー)は早速、「バイト募集」の張り紙を指さしながら、店員と交渉しました。

 …数分後。

 必歩流帝(ヒッポリュテー)は、がっかりしてガソスタの事務所から出ました。張り紙は、「乙4の資格」がある人用の募集だったのです。

「資格、かあ…。今すぐは無理だな。」

 また歩くと、ケーキ屋がありました。

「あそこは、ウチには関係ない…。

 ん?」

 店内に、ケーキ屋に似つかわしくない大男がうろついています。必歩流帝(ヒッポリュテー)は、ケーキ屋に入りました。

「いらっしゃいませ。」

 店員の挨拶も聞かず、必歩流帝(ヒッポリュテー)は、空玲須(クレス)に声の背中を叩きます。

「よう、何買うの?」

 空玲須(クレス)は振り向いて、大げさに驚きました。…ん?これは、何かある。

 必歩流帝(ヒッポリュテー)は少し気になりましたが、空玲須(クレス)が話さないなら聞くまでもない、と割り切ります。

「いや、正直、何買っていいか…。

 出井亜寧羅が倒れちゃって、ケーキが欲しいって言うから来たんだけど…。」

 必歩流帝(ヒッポリュテー)の予想に反して、空玲須(クレス)はあっさり事情を話しました。

 ふふ、空玲須(クレス)らしい。必歩流帝(ヒッポリュテー)はニヤリとします。そういうとこが、イイんだよな。隠し事できないっつーか…。

「出井亜寧羅は、フルーツ好きか?」

「わからないけど、弁当にはよく入れてる。葡萄とか、きーうい?とか。」

 よく見てんなコイツ、と思いながら、必歩流帝(ヒッポリュテー)はアドバイスしました。

「なら、これだ。ついでにお前のも買っていけ。一緒に食ったら喜ぶだろ。」

 空玲須(クレス)は、笑顔でお礼をいいました。

「ありがとう。必歩流帝(ヒッポリュテー)って、ケーキに詳しいんだな。助かった。」


 空玲須(クレス)が店から出たあと、必歩流帝(ヒッポリュテー)は「バイト募集」の張り紙を見つけました。

 どうやら、バイト先は決まったようです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。