小学生異世界に飛びます?
この小説は僕を小説で書いてみたら異世界に飛ばしたくなったので僕を主人公にしてみました!
もし好評でしたら小説で書き始めます!
今日もいつもと同じ、代わり映えのしない一日だ...今からもこれからもわかるこれがきっと......
特別な絆?やりたいこと?そんなもんない。
今の僕は、世間で言えば「優柔不断」というやつらしい。
友達との付き合いなんて面倒なだけ。サッカーだの野球だの、ポジションがどうとかいう話にはついていけない。ましてや僕は運動音痴である。
僕にはそんな「才能」の欠片もないから...
帰宅後は至福だ!見たいものを動画で一気見!学校であった小競り合いなんてものはこの時間だけは考えなくて済むだから---
リビンクでくつろいでいるそんな僕の前に、そいつは現れたんだ
「君、私にしてほしいことあるの?」
それが、僕にかけられた最初の言葉だった。
目の前に立つ、正体不明の存在。しかもテレビの中から!僕は率直な感想を口にする。
「……貞子? きも」
「きも!? ……怖がれよもっと?」
「いや別に...」
「君、僕について何も思わないの?」
「貞子!?違うんですか?」
「私は貞子というより、死神に近いかもね。君、今、仮死状態なんだよ」
死神。そして、僕は死にかけている。
普通ならパニックになるところだろうけど、僕はどこか他人事のように聞き返した。
「そう……ですか」
「反応薄くない!? さっきもだけど君、死にかけてるんだよ? 『えっ俺死んじゃったの!?』とか『パパやママはどこ!?』とか、もう少し驚いてもいいんじゃないかな!」
「いや、僕の人生、対して思い入れもないし……」
「対して……なにかな? まぁ、聞くのはやめとくけど。で私 にしてほしいことは?」
「してほしいこと? うん、特にないかな」
(あれ、おかしいぞ!?なぜ私はこいつの前に現れたんだ?)
死神が何やら考え込んでいる。
「まあいいや。君の人生を見てみたほうが早そうだね」
「見るって、どうやって?」
「言ったろ、私は死神に近い存在だって。ちょっと過去を覗かせてもらうよ」
「プライバシー……」
「うるさいな、ガキは黙って見てなさい!」
走馬灯1:ドッジボール
視界が歪み、風景が切り替わる。そこは学校の校庭だった。
「ふみ君、ボール!」
「外野に回せばいいよね……いや、内野か」
僕の手元には赤と黄色が混ざったマーブルボール...
「おーい、早くしろよ!」
「いいよ、俺が投げるから!」
クラスメイトに強引にボールを奪われる。僕は「あ……」と声を漏らすだけで、何も言えなかった。
「……君、本当に何か言い返したらどうだ?」
死神が呆れたように僕を見る。
「だって、言えるわけないじゃん。ドッジボール苦手なのに『やってます感』出してるだけだし」
「苦手なら最初からやらなきゃいいのに...」
「いや、でも、なんか……」
走馬灯2: プリンの憂鬱
「牛乳とプリン、二個ずつ余ってるぞ! ジャンケンだ!」
「ふみも、おかわりするか?」
僕は黙って輪に加わる。
「……なんで君は何も喋らないの?」
「めんどくさいから」
「ジャンケンはするんだね」
結果、僕は勝った。
「勝った! ……あ、お前、勝ったのに嬉しそうじゃないな。お腹痛いんだろ? 俺がもらってやるよ」
目の前でプリンが奪われていく。僕は、言い返さない。
「何で言い返さないんだよ」
「言い返したって『きも』とか思われるだけだし。わかってることをわざわざ言葉にする必要、ありますか?」
死神は深く溜息をついた。
「……今の二つを見ても、お前が何をしたいのかさっぱりわからん」
「……」
「お前、とりあえず異世界に飛ばしてやるよ」
「なぜ急に」
転生:第5王子の「不本意」な筋力
気がつくと、僕は知らない場所に立っていた。
「ここは……」
『ミレーネだよ』
「どこから喋ってるんですか?」
『君のポケットに憑依してるから、気にしないで受け止めてくれ』
いや、無理があるだろう。自分のポケットに死神(自称)が憑依しているなんて。
というか、ここはどこだ......?
街の人たちの噂によれば、ここは武器が全ての国。
地位も名誉も、全ては力でもぎ取る修羅の世界。優秀な家系に生まれても、力がなければ捨てられ、売られる。そんな場所。
僕は、その国の第5王子「エレン」として転生したらしい。
「ってことは、僕は『最弱』という認識でいいんでしょう か?」
『その通り!』
「(なんでこの人、こんなに嬉しそうなんだ……)」
エレンはもともと、病弱な体質だったらしい。
「あー、やっぱり。病弱体質で魔法とかで頑張るパターン……」
『いや、その逆だよ。めちゃくちゃ体が強いんだ。……というか、これから強くしてもらうけどね!』
(僕は自分の細い腕と足を見つめる。)
「とてもそうは思えません! この痩せ細った体で!?」
『そうとも! なんせ君には、これから努力してもらうからね。嫌でもね!』
「僕は……努力という言葉が、この世で一番嫌いです」
『意外だね、君みたいな子は努力が好きに見えたけど。……まあいいや、とりあえずスクワット100回!』
「嫌です」
『魔法で強制! はい、一回、二回!』
「はあああああーーーーーっ!!」
覚醒:デコピン一閃
(1ヶ月後)
お城では、じいやが慌てふためいていた。
「エレン坊ちゃまを最近見かけませぬが、どこにおられるのだ!」
「山でございます!」
「あ、あの虚弱な坊ちゃまが……!?」
その頃、山では。
「ふんっ! ふんっ! ふんっ!」
『エレンくん……いや、フミくん。君、ずいぶん変わったね……』
「そうですか? 自分ではあんまり……」
『いや、シックスパックどころか、二の腕にこぶが三つあるぞ! ……よし、そろそろコロシアムに出ようか』
「コロシアムですか……」
そして、僕はコロシアムの舞台に立たされていた。
司会者が叫ぶ。
「このコロシアムで決まるのは、地位か奴隷かだ! 勝てば伯爵、負ければ奴隷! 戦い……開始ッ!」
目の前の大男が剣を構え、僕を嘲笑う。
「剣すら持ってないのかよ、この腰抜けが! 死ねえええ!」
剣が振り下ろされる。僕は避けるのも面倒で、そのまま腕で受け止めた。
――キィィィィンッ!!
(観客席が静まり返る)
「……あいつ、筋肉で剣を止めたぞ!?」
「傷一つねえ! どんな硬度してやがるんだ!」
僕自身が一番驚いていた。
「僕の筋肉、いや?どうゆうこと……?」
(対戦相手がパニックになり、再び襲いかかってくる。)
『フミ、デコピンとかで攻撃してみたら?』
「そんなへなちょこな攻撃、意味ありますか?」
とりあえず、僕は指を弾いた。
「てい」
――ドォォォォォォォォォォンッ!!
爆音と共に、対戦相手が壁の向こうまで吹き飛んでいった。
「……僕のデコピン、いったい全体どうなってるんですか!?」
ポケットの中の死神は、愉快そうにケタケタと笑っていた。
[フミくんの超筋肉・防衛結界編]
「勝者、フミーーーー!!」
審判の声が響き渡る。
「誰だよあいつ?」「無名の新人か!」
どよめく観客席から、一人の巨漢が飛び出してきた。負けた男の兄だ。
「俺の弟に手を出して、無事ですむと思うなよ! 俺の弟たちは強いんだからな!」
男は逆恨みの形相で、隠し持っていた刃物を抜き放つ。
「憎い、憎いぞ! 弟を傷つけた恨み、ここで晴らしてやるッ!」
「ここは神聖なコロシアムだ。本来なら乱入など許されないが、」
男は我を忘れて僕に切りかかってきた。
「何ボソボソ言ってやがる、喰らえッ!!」
男の刃が僕の胸を貫通した――。
そう見えた瞬間、会場に響いたのは肉を切る音ではなく、硬質な破砕音だった。
パリンッーーーーーーーー!!
「い、いや……どうしてだよ!?」
男が絶叫する。その手の中で、鋼鉄の刃が粉々に砕け散っていた。
「……何で僕は生きているんでしょうか?」
僕自身が一番驚いている。すると、僕の影から死神があきれたように顔を出した。
『お前、あれだけ鍛えただろ』
「それだけでこうはならんでしょ普通!」
周囲の観客も、僕の体を見て息を呑んでいる。
「見て、あの人の腹筋……ただ割れてるだけじゃないわ」
「究極のシックスパック……でも、何よりあの筋肉、強力な防御結界が構築されてない!?」
(死神がニヤリと笑う)
『言わなかったか? 俺の訓練は対魔族用のものだって』
「はあーーーーっ! 聞いてないですよ! 僕は魔族と戦わされるんですか!?」
『そうだけど(しれっと)』
そんな混乱の中、一人の美少女が駆け寄ってきた。大男兄弟に絡まれていた彼女だ。
「助けていただき、ありがとうございます……。私はあの兄弟にひどい仕打ちを……」
その時、突風が吹いた。
「きゃあーーーーっ!」
風にあおられ、彼女の服がふわりと浮き立つ。
「……ッ!?」
元・小学生の僕には、あまりにも刺激が強すぎる『聖域』がそこにあった。
『おお、フミ。元の年齢がお前には少し早かったか』
「……な、何ですか、この感情は……っ!」
彼女は顔を赤くしながら、僕を上目遣いで見る。
「い、今……見えましたか?」
「いいいいいいいや、見てないけど!?」
「べ、別に見ても……よかったんですよっ?」
「えええええ!?」
そんなこんなで、嵐のような一日が過ぎ、夜になった。
「今日の夕食でございます、エレン坊っちゃん」
じいやが運んできたのは、オムライス8個。
「じいや……この量はどうしたの?」
「いえ、それが……何ですかこの量は!!!」
持ってきた張本人のじいやまで驚いている。一体どういうことだ。
影の中で死神が必死に笑いをこらえている。
『フミの筋肉は特殊だからな。エネルギー消費が激しいんだ。これくらい食べないと持たないぞ』
「誰が作ったんですか、これ……」
『正解はーーーー、私でした!』
キッチンの奥から現れたのは、さっきの女の子だった。
「君……! どうしてここに!?」
「暇だったから、後ろからこっそりついてきちゃった!」
満面の笑みでウインクする彼女。……可愛いな、と思ってしまう。
『お前、恋したことないだろ。一応、俺は死神と並行して恋のキューピットもやってるんだが』
「何言ってるんですか、死神でしょあなた!」
(夕食後、僕は逃げるようにお風呂へ向かった。)
「もういい、とにかくお風呂だ! じいや、かしこまりましたと言ってくれ!」
「かしこまりました、坊っちゃん!」
……危なかった。あんな可愛い子の手料理、ましてやウインクなんて。
シャワーを浴びる僕の体から、しずくが滴り落ちる。鍛え上げられた筋肉が、熱を帯びていた。
「……俺の、下の方がおかしい。なんだこれは?」
影から、またしても死神の声。
『フミくん、それは生理現象って言うんだよ』
「はーーーーーーい! てか、入ってくんなって!!」
ようやくシャワーを終え、寝室で横になろうとした時。
バタン、とドアが開いた。彼女が枕を抱えて立っていた。
「……何で、僕の寝室に来るんですか」
「……嫌なの?」
「嫌々じゃないけど……」
「じゃあ、もっと近くに行ってもいいよね」
彼女は僕の隣に潜り込んできた。
「私、君が助けてくれるまで、ずっと暗がりの中で不安だった。でも、君がためらいもなく守ってくれた姿が、今の私には眩しくて、とても大きな存在に見えてるんだよ」
彼女の体温が伝わってくる。
「私、こんなに安心して眠れる夜は……久しぶりだよ」
……これが、守るための筋肉。
僕は彼女の寝顔を見ながら、明日ももっと鍛えようと、静かに決意した。
朝日が差し込む静かな部屋で、少女は少し俯きながら、消え入りそうな声を出した。
「そういえば……私、自分の名前を知らなくて。あの大男たちに奴隷として買われていたから、名前なんてなかったんです」
その震える肩を見て、エレンは優しく微笑みかけた。
「じゃあ、僕が君の名前を決めてもいいかな?」
「いいですよ! どんな名前でも……」
エレンは少し考え、彼女の得意料理や、その明るい雰囲気から一つの名を導き出した。
「君はオムライスを作るのがすごく上手だし、それに……(可愛いからな)。よし、『陽葵』。これが君の名前だ!」
「ひまり……。ありがとうございます!」
陽葵は胸の奥が熱くなるのを感じていた。番号ではなく、誰かに名前で呼ばれることが、これほどまでに心を揺さぶるものだとは知らなかった。
闘技場への道
そんな余韻に浸る間もなく、同行者の男が現実を突きつける。
「さて、今日はどうするかって? 決まってる。しばらくはお前にコロシアムで戦ってもらうぞ!」
「えっ、昨日の一回で終わりだと思ってたのに……」
エレンは困惑して問い返した。
「そもそも、どうして僕が戦わなきゃいけないの? 陽葵も言ってたけど、こんな子供が危ない戦いに出るなんて、何か訳アリなんでしょ?」
一瞬の沈黙。気まずくなった陽葵が慌ててフォローする。
「ごめんなさい、聞いちゃいけないことでしたよね! 気にしないで!」
「いや、気にするな。実はな……」
男(死神)は重い口を開いた。
「お前に戦ってもらっていたのは、路銀を稼ぐためだ!!」
「えっ……?」
「ええっ!?」
エレンと陽葵の声が重なる。
「だって、エレン君って王族なんでしょ? なんでお金に困ってるの?」
「まあ細かいことはいい! 今日も早速行くぞ!」
[伝説のデコピン]
闘技場の砂埃の中、最初に対峙したのは屈強な元王族部隊の男だった。
「俺は王族部隊で鍛え上げた身だ、食らえ!」
男の鋭い拳がエレンの腹部に突き刺さる。しかし、鈍い音が響いたのは男の拳の方だった。
「いっ……てぇ! なんだこれ、鉄筋か!? 腹筋が硬すぎるだろ!」
男が悶絶する中、エレンの脳内に直接、不気味な声が響く。死神の囁きだ。
『……ひどく殴られて辛いだろう?』
「いや、別に……」
『いや、大丈夫だ! 今度はこっちの番だ。試しに相手の額を目がけてデコピンをしてみろ』
「オラァ! よそ見してんじゃねえぞ!」
焦った男が再び突進してくる。エレンは死神に言われるがまま、指先に力を込めて弾いた。
――ごーーーーーーーーーーん!!
鐘が鳴り響くような衝撃音と共に、大男の巨体が宙を舞い、そのまま白目を剥いて失神した。
「……勝者、エレン!!」
静まり返った観客席から、地響きのような歓声が沸き起こる。
「お、おおおおおおーーーーーーーっ!!」
「えっ、何これ? どうなってるの?」
戸惑うエレンをよそに、死神はケタケタと笑う。
『気にするな、次だ次!』
その後も、王族隊長を名乗る強敵が現れては、エレンのデコピン一発で遥か彼方へ吹っ飛んでいった。観客たちは恐怖すら混じった声で囁き合う。
「あいつは一体、何者なんだ……」
[知識の証明]
夜になり、エレンの手元には山のような賞金が集まっていた。
「今日はすごい稼ぎだ! さあ、何をする?」
興奮する男を横目に、陽葵が看板を指差した。
「あそこに『温泉』というものがありますね」
エレンは驚いて彼女の顔を見る。
「陽葵、君……文字が読めるの?」
「えっ、はい。まあ少しなら」
すると、今まで黙っていた死神が感心したように声を上げた。
『この世界で文字が読める奴に出会えるなんて、エレン、お前はツイてるな』
「そうなんですか?」
死神は淡々と、この世界の残酷な常識を語り始めた。
『文字ってのは一般教養じゃない。貴族か、あるいはそれよりもっと高い地位の人間じゃないと、学ぶことすら許されない特権なんだよ』
陽葵は不思議そうに小首を傾げたが、エレンは彼女の過去にさらなる謎を感じずにはいられなかった。
[究極のシックスパックと、突風の悪戯]
宿屋の湯殿。湯気に包まれながら、育ての親である死神が僕を見て絶句していた。
「いやお前……ずいぶん、たくましくなったな」
「そうですか? いたって普通ですけど」
死神の過保護も困ったものだ。そう思いながら、僕は脱衣所の鏡を何気なく覗き込んだ。
「……何これ!???」
鏡の中にいたのは、あどけない少年の顔……とは不釣り合いな、彫刻のようにバキバキに割れた腹筋だった。
「僕ってこんなに腹筋割れてるんですか!? シックスパックですよ、これは!?」
「兄ちゃんやべえな、その若さでその体!」
居合わせた客の男まで声を上げてくる。
僕は困惑して、死神を振り返った
。
「これって、褒められてるんですか? ドン引きされてるの間違いだと思うんですが」
「いや、褒められてると思うぞ。……というか、褒められてるな!」
死神の適当な太鼓判が、湯殿に虚しく響いた。
その頃、女湯では——。
「……はぁ。今日はドジばっかりしちゃったな」
陽葵は湯船に肩まで浸かり、今日一日の失態を思い出して悶絶していた。
飲み物を引っ掛けてこぼし、穴に落ちてスカートがめくれ、さらには——。
(あ、足が滑って、エレンくんに抱きついちゃった……!)
「……ブクブクブク」
あまりの恥ずかしさに、陽葵はお湯の中に潜り、激しく泡を吹いた。
一方、男湯でも——。
(……今日は本当に危なかった)
エレンは思い出すだけで、割れた腹筋がさらに硬くなるのを感じた。
いきなり転んできた陽葵を受け止めた時の、あの柔らかい感触。
(……心臓に悪い)
「……ブクブクブク」
エレンもまた、熱くなった顔を隠すようにお湯に潜っていった。
風呂から上がり、宿に向かう道すがら。
「今日は向こうの宿屋に泊まろうか、陽葵!」
「……えっ!?」
陽葵が足を止めて、驚いた顔で僕を見た。
「な、ななな、今! 今、陽葵って呼んでくれた!?」
「えっ、あ、うん」
「……(ずっと、名前をつけてくれたっきり呼んでくれないのはどうしてだろうって思ってたけど……今は、まいっか!)」
陽葵は嬉しさを隠しきれず、弾むような足取りで僕の横を歩き出した。
宿に着き、夕食を終える。最近は野宿じゃなく、温かい寝床で寝られるのが本当に幸せだ。
今夜の部屋は、僕と陽葵で隣同士。
「おやすみ、陽葵」
「うん、おやすみ。エレンくん」
——その時だった。
閉めていたはずの窓から、不自然なほどの強烈な突風が吹き抜けた。
「わっ……!?」
風に煽られ、開いたドアの隙間から互いの姿が見える。
揺れる灯火の中で、誰かが囁いたような気がした。
『君は、どうしたい……?』
その瞬間、二人の間に流れた奇妙な空気。
しかし、翌朝の陽葵に、その瞬間の記憶はもう残っていなかった。
「奴隷商人と頬の涙」
(朝になったがいつもより外が騒がしかった)
「皆さんこんにちは!奴隷商会のステイルと申します。本日はこの街にいるであろう人を探しています!」
(街の人々が答える)
「そいつは一体誰だ!?}
「銀色の髪をした瞳がサファイアブルーの少女です」
それと同時に民衆の声を聞きいていた陽毬が外にでてきた
「私に何かようですか...」
「あなたがあの末裔の...いえ結構、一緒についてきてもらいますよ!」
「嫌だやめて!!!!!!!エレンくん!!!」
(今更になって目が醒めたエレン)
「陽毬ちょっと近いって!」
(死神が慌てふためく)
「おい!起きろ!陽毬がいねえじゃねか!」
「嘘本当だ!どうしようーーーーーー!」
「慌てるな!こんな時用にお前には感覚共有で心を通じさせるようにあの子につけたブレスレットと意思疎通ができるようにしておいた」
「えっ???」
(ドン引きがかくせないエレン)
その頃陽毬は...
「私これさらわれたってこと!?上手く身動きも声もだせない」
(荷車の中で拘束されていた)
(陽毬はエレンくんと過ごした日々が頭によぎる)
「私ってさらわれてばっかで。。。こんな人生で。。。誰かに暖かく下の名前読んでもらったのも初めてだった...一緒にいて私とご飯食べてくれる人も初めてだった。。。当たり前に皆ができることを私は何一つとしてできやしない。。。どうして??なんで??この容姿の何がそんなに珍しいの???
私はただもう・・・・・・」
(彼女の頬から雫が滴り落ちてきた)
「もしもし聞こえるか・・・」
どこからともなく声が響いた
「これはエレンくんの声?どこから?てか今の聞かれてた・・・・・・・・・・・」
(顔が突然赤くなってしまう)
「陽毬、最初言ってくれたよな。。。どうしてそんなに優しくしてくれるのって?それはなーーーーーー
大事な存在になりそうだって思ったからだよ」
「まだ私たちそんなに出会ってたってなくない?」
(エレンは一呼吸おいて)
「なんとなくそう思ったんだよ」
死神が恥ずかしさで溢れてくる笑いを我慢しながら
「今のそっちの状況は?」
「手も足もロープで巻かれてて、おまけに目も隠されてる」
「奴隷商人がいる運転席からは1枚壁があるから一応安全かな」
(突如としてすごい殺気が陽毬を襲った)
「おい!誰と話してる?ここでお前を使い物にならなくしてもいいんだぞ!!!!!!」
「やめててーーー!!!」
「わかった!今向かう」
「エレンまさかお前俺を頼りにそんな無茶苦茶なことをいったのか?お前一人じゃ彼女の居場所すらわかんないんだぞ!!!!!!!」
「そうですけどだめだでしたか?」
「いや俺はお前がまさか人を信じて頼るなんてことができることに驚いてるんだ」
「もうお前は最初あった時奴よりも人間味のある奴になったんだ」
「あんまり自覚はありませんが......」
「まあ今は彼女を助けるぞ!無論、策はある!」
(こうゆうのは無意識に変わっていくものだ)
「策とはいったい!?」
「彼女に着けたブローチには位置探知の魔法が埋め込まれるそれをたどればいける!!!」
(死神がそれを探知しようと目を閉じ数秒間後には目の前にエレンの姿はなかった)
「お前のような銀色の髪女がこの世界になんにいると思う?」
「だからって私をどうするつもり」
(陽葵が何か詠唱らしきものを唱え始めた)
(それをみた奴隷商人)
「おい!おままままままえ、逆らうなら容赦しないぞ!!!!!!!」
(奴隷商人は腰にかけていたナイフを手に取りーーー)
「いややめてててて」
「詠唱が途中でこと切れてしまい地面へはいつくばるしかなかった」
「これでお前は丸腰!!!」
(詰め寄り壁にナイフを突き立てた)
「お前みたいな奴を俺はこの刀で痛め付けるのがとても楽しいんだ!恐怖でその表情が歪んでいくそれこそお前らをいたぶっている時の一番の快感!」
「おらくらえーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
(もうダメだ私はここ............)
(突然荷車の屋根突き抜ける)
「俺の大事な人に指一本触れてみろ!この外道!!!」
「エレン君!!!!!!!」
「おいおいガキじゃねえか...ガキが一人増えたくらいたいしたことねえな」
「本気でそう思ってるのか?」
「なんだこいつ......」
(これは俺がこいつの顔を見ただけで気圧されているだとうなばかな)
「俺は守ると決めたらぜったいに守る」
(どさくさにまぎれて憑依してた死神も驚いている顔)
「おいなんだガキそれは!デコピンか?」
「笑わせるなよ」
「てい」
どーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん
すごい勢いで奴隷商人が吹き飛ばされていく!!!
宜しくお願いします!(pq゜∀゜*○)




