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「はい、次は木べらで全部混ぜ合わせてちょうだい」


ママはじゃがいもが入っているボウルに、湯がいたにんじんと魔法の粉を揉み込んだたまねぎ、細かく刻んだハムを入れ、クリーム色のにゅるりとしたジャムをひと回しする。


「このジャムなに?」


「ジャムじゃないわよ。魔法のドレッシング」


「へぇ~」


よくわからないけど木べらでよく混ぜると、そのドレッシングが潤滑油になってパサパサしていたじゃがいもが滑らかになっていった。と同時に茹でたじゃがいもの時とは違う、奥深い香りに変わる。


「すごく美味しそうなにおいがする!」


「ポテトサラダっていうのよ。簡単だから覚えておきなさい」


「はぁい」


これで仕込みは完了。あとは開店まで冷やしておいておくと味がなじむそうだ。


「お昼ご飯作るから、アンタは店の中掃除でもしててちょうだい」


「えっ! お昼ご飯まで食べられるの?」


目を輝かせたわたしとは対照的に、ママは呆れたように眉間にしわを寄せる。


「……アンタ今までどんな食生活してたのよ」


「あ、はは……一日一食が当たり前だったもので……」


「そんなだから下級モンスターも倒せないのよ。若いんだからちゃんと食べなさい、まったく」


ふん、と鼻息荒くも調理に取りかかるママはやっぱり優しい。わたしは箒を手に床を掃除始める。窓を開け放せば新鮮な空気が吹き抜けていき、気持ちもきゅっと引き締まった。


床掃除の次はテーブルを水拭きする。年季の入った家具だけれど、掃除をする前から割と綺麗だ。ママの手入れが行き届いているのだろう。


窓際に飾られた観葉植物は見たことのない多肉植物で分厚い葉に繊細なレースのような模様が付いていてとても可愛い。ママったら意外と乙女な趣味の持ち主かもしれない。


お店をピカピカに磨き終わる頃には店内にいい香りが漂っていて、わたしのお腹もぎゅるりと音を立てていた。

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