7.狐の火(フィンランド)
~ 獲物を求めて 狐が雪原を駆ける
振られた尾は 雪粉を巻き上げ
無数の火花が 天空に飛び散る
夜に舞う火花 狐の火花
フィンランドで オーロラは
狐の火(Revontuli)と呼ばれている ~
(絵 2005年)
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日本でもキツネは熱くない火を放つけど、フィンランドのキツネは壮大でスケールが違いますね?
天体現象じゃん!
これを知ったのは確か2005年。フィンランド航空誌『Kitos』で得た情報だったと思います。サーミの伝説です。
フィンランド語でオーロラは、revontuliまたはrevontulet。Revo(repo) がキツネで、Tulet (tuli) は炎、光なんですって。訳すと狐火。
フィンランド航空には搭乗したことはありません。
なのに航空誌を読んでいるあたりが、「ナゼ!?」という状況なのですが、そこはまあ。当時、『Kitos』は申し込めば無料購読が出来たんです。
なんという大判振舞い。
Kitosとは、フィンランドの言葉で「ありがとう」という意味です。
航空誌をタダで郵送してくれるなんて、それこそ「ありがとう!」です。
そんな時代があったのですよ……。(※フィンランド航空は現在コロナ禍で9割フライトを削減。政府が支援しても厳しい状況下です)
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さて。実はわたくし、「オーロラ」に憧れています。
だけど、寒いとこ行かないと見れないので、きっと一生見ることは叶わないでしょう。(寒いの苦手。飛行機の窓から見るという手もあるけど……確率低すぎるわ!)
しかし技術は進歩してる。
だからいつか、精密なプラネタリウムみたいなので、将来的には疑似オーロラが見れたら良いなと願っています。
空にかかる幻想的な光の帯が見てみたいのです。カーテン状でも、放射状でも、大渦状でもなんでもいい。そして本物じゃなくていい。そこ、こだわらない。
妥協しすぎだろ、と思いますが、重ねて申します。「寒いのは無理!!」
冬は私にとってキッツイ季節です。……冬生まれなのに。
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そんでもってオーロラ。
場所によって色が違うと言われています。緑だったり青だったり赤だったり。
かつて中世ヨーロッパでは天空のロウソクに灯が灯されればオーロラになると信じられていたとか。誰が灯すんだ? というか、天空に巨大なロウソク?
ペストの14世紀には、のたうち回る巨大な蛇だとも。赤い蛇が空をうねり進む? うわ、これは不吉感あります。
蛇説に近いのが古代中国で、こちらは「天空を舞う龍」の姿と見ていたようです。途端にかっこいいな?
他には亡霊の光説。ラップランドやグリーンランドあたりでは、死んだ子供や女性が地上の親戚に会いに訪れるとオーロラ。未婚のまま死んだ女性もオーロラになるそうで。ほぅ?
北米イヌイットでは、天空の精霊が話しかける声。オーロラって音聞こえるそうです。ヒューヒューって。録音されたことはないらしいんですけど。(←だって本来、音が伝播しないっぽいんです。オーロラ発生の上空は、空気の密度が低いから。だから脳が直接、電波をとらえて音に変換してるんじゃないかって説も。言いだすとキリがないですけど)
なんだか、いろいろありますね?
ファンタジー小説のエピソードになりそうな、インスピ受けそうな由来てんこ盛りで、掘っていくととても楽しいです。
題材とするなら、オーロラの名前の由来となった女神様の話も気になること満載。呪いによって「人間の男を恋し続ける」だとか、"朝露は彼女の涙"なんてあたり、好み。
なんかいつかお話作ってたら「ああ、あれか」と笑ってやってください。
……脱線し始めたので、このあたりでやめておきます。
そんなこんななオーロラにまつわるお話でした。長文なのに、とりとめなくて、すみませんでした。
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