表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
偽名仮名の住所録  作者: まつかく
6/145

第6夜 『博士の新発見』

ある博士が興奮の極みにある。


20年の歳月を費やして、ようやく薬が完成したのだ。

それは世界が求め続けていた薬であり、『実現は不可能』とまで考えられていた薬だった。


それは死をもってしても治療が困難だといわれる難病につける薬……。

『馬鹿につける薬』だった。

フラスコの中に揺れる緑色の液体を、博士はうっとりとして見つめた。


「安全性のテストも兼ねて、早速私が試してみよう」


博士は薬液を指先ですくうと、すっと額に引く。

深呼吸をし、閉じた眼を開いた。博士のその目は澄み渡り、千年の先さえも見通せそうだ。


「なんということだ……」


博士は研究ノートの最後の行に、新たな発見を書き加えた。

それは身をもって体感した、確かなデータだった。


『馬鹿には自覚症状ナシ』



  《博士の新発見 了》


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ