第0章~1~【Beginning】
勢いだけで始めたVRMMOモノのプロローグ。
本編はこの3年後を予定しております。まずはその序章
日本がデフォルトをして、アメリカの資金援助を受けてから早50年。日本は昔よりももっとアメリカの言いなりになっていた。もう既に、世界の認識は日本=アメリカの植民地であろう。しかしそれ故に、2000年頃から始まっていた国のごたつきは解消されていった。
少子化には歯止めとなる法案も幾つか採決され、一時期はベビーエクスプレッションと呼ばれる赤ん坊が大量に産まれる年が何年もあった。そう、それがある意味引き金となったのだろう。
「おめでとうございます、アナタは選ばれました。ねぇ」
「ははっ、文章だけ見ると俺達は選ばれた人間だよなぁ? 今度は増やしすぎた人口を減らすために形だけの日本政府が作り出した政策ってのがなぁ」
隣に居る少年、倉西四里斗がそう呟く。少子化問題の次は、人口の多すぎで住む場所や食料の供給が難しくなっていく事だった。
俺達の世代にとっての枯渇問題は、学習する場所が無くなって行く事だった。しかしそれはある技術によって改善される予定だった。まぁそれはおいおい説明するとして、とりあえず今の俺達にはその技術が頭の中に埋め込まれている。いわゆるチップを頭に埋め込む、ブレイン・インプラントチップと言うヤツだ。これにより俺達は常時電脳世界へのアクセスが可能となった。
狭い日本だけでなく、仮想空間という無限に広がる場所へのアクセス。それで多くの問題は解決されるはずだったのに。
「何故だか俺達、正確に言えば12歳から22歳までの少年少女の中から無作為に選ばれた者達が、決まった特区と呼ばれる場所に集められて教育を受けている」
「しかも実質大学までの内容を、この中学3年間でブレインチップへと記憶させて無理やり教育課程を修了させようとさせているのがな」
東京、大阪、名古屋など主要な都市の近くに出来ている特区。前記の通り、ここに少年少女が集められる。ブレインチップの安全な使い方をきちんとマスターさせるためと名目上は言われている。しかし実際は違う。その名目で俺達は殺される。増えていった人口を押さえるために
「まぁいいさ、俺達は生き残るだけだ。この世界でも、仮想世界でも」
「そう、だな」
ゆっくりと席から立ち上がり、専用コンソールの方へと入っていく。
仮想世界への没入は専用コンソールを使う事を義務化されている。それは単純に死体を処理しやすいから。
俺達が必死に戦って生きているのは、現実世界じゃない。仮想世界だ。
「んじゃ、いつもの所で」
「りょーかい」
短い言葉を交わして俺達はコンソールの中へ入る。どうせまた直ぐに顔を合わせるんだから、そんなに言葉は必要ないって事だ。
自動でコンソール代が引かれるのを見て、俺はその棺桶の中に入った
多分全4話。
短すぎるから夜に2話目投稿しますんで、えぇ
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