4話 リリムとの同居
朝。目が覚めた瞬間、柔らかくてあったかい感触が隣にあった。
「んぅ……おはよう、雄大……♡」
もぞもぞとすり寄ってくるリリム。その寝巻きは、布の面積が明らかに足りていない。
EDなのが有り難いと思い始める。
この部屋はリリムの部屋なので、リリムに従うしかなく、新しくベッド欲しいと思ってもリリムに拒否される。
理由はまさかの寂しいから、俺はゆっくりできない。
女の寝息はフェチに刺さるので。
ちなみに何故同居しているのかと言うと転生した一番最初の場所で、女神にリリムが同居しなさいと命令されていたらしい。
ていうか、本当に理性がやばい。その服装やめて貰おうかな。
「ちょ、ちょっと! なんでそんな格好で……!」
「だってここ、暑いしぃ。それに……雄大の匂い、すっごく安心するんだもん♡」
あざとい。わかってやってる。こいつは絶対に確信犯だ。
すりよってくるリリム、剥がしながら立って、歩いていく。
朝食は、リリムの手料理。
「はい、雄大専用♡ サキュバス風朝ごはんだよっ」
見た目はゲテモノ……だけど、前食べた時は美味しかった。
汚い見た目のもの程、美味しいっていうのは本当だ。
だが問題は料理じゃない。彼女の服装。エプロン一枚だ。いや、下は履いてる。でも絶対にアウト寄り。
「どうして料理してるときだけ、その格好になるんだ?」
「えへへ♡ 精気、よく出るでしょ?」
リリムはニコニコしながら、とんでもないことを言う。
本当にここは試練の世界だ。
おそらく俺から出てる精気は、多くなっていた。
学校が終わり、しばらくして風呂に入る。
100%でリリムが一緒にくる。
「お前、さすがにバスタオルは着けろよ……」
「分かってまーす♡」
リリムが脱いで、バスタオルを着ける。
そして、風呂に入る。
お風呂。湯気がもう、サキュバス用なので、人間には熱熱。
「背中、流してあげよっか?」
そう言って、自然な流れで一緒に風呂場に来るリリム。しかもタオル一枚。
「はー、俺の普通の日常を忘れてきちゃうよ」
「雄大の普通は、これからリリムが共にいるが普通だよ」
そして泡まみれの手が俺の背中をなぞってくる。心拍数、上がりっぱなし。
「まっ気持ちいし、いっか」
マッサージと思えば気が楽だ。たたないのもあって素晴らしい。
「はははー」
一日の疲れが取れていくー。
「あの、何マッサージ感覚になってんですか!!」
「えっ!!?」
「欲情してよー、何でEDなんですかー!!」
「知らねーよ!」
俺はリリムに揺さぶられる。
(おー疲れる)
そして深夜。
ようやく一人で眠れると思ったら……
「ねえ、パジャマこれでいい……?」
リリムはタオルを着ながら、パジャマを広げる
「……お、お前な……」
リリムが広げたパジャマは今までと違う柄だが、露出度は変わらない。
「だだだってサキュバスとして…普通の服なんて着るわけがないじゃん!」
その一言に、俺は否定するのを辞めた。
人の価値観を否定するのはおかしいか。
そして着替えてきたリリムと一緒にベッドに入る。
ベッドは1つなので、添い寝拒否しても、確定で添い寝ルート。
(まーご褒美っちゃご褒美だけどさ……)
隣でリリムが寝息をたてている。
寝ているリリムは、サキュバスなのに、天使に見える。
女と寝たいという、昔からの夢は、今、毎日起こっている。
サキュバスとの同居生活。
それは、毎日が誘惑との戦いだった……
だが、嫌な訳じゃ無かった。