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Private high school 慈葎学園  作者: 慈葎学園長
6/7

4.授業開始

自己紹介を終えてその後HRも終わった。


そしてすぐに次の授業が始まる。

最初の授業は古典だ。


教室のドアを開けて初老の男性教諭が姿を現す。


つかつかつか…ガン!!


「ぐわぁぁぁ!」


教師がいきなり教壇につまずいてこけた。


その瞬間生徒の間に失笑が漏れる。


すると教師は何事もなかったように立ち上がると出席を取り始める。

なんて根性だ。

正面からいったんだぞ…正面から…


順番に出席を取っているところで僕の前の席まで順番が回ってくる。

しかし前の席には誰もいない。

この席は確か佐久間君の席だったと思う。


「佐久間君……はいないみたいですね」


「ちょっと待ったぁ!」


突然、声と共に教室のドアが開け放たれた。


「佐久間君、遅刻ぎりぎりですよ」


「はい、すみません」


彼は佐久間 秀治君。

この学校で初めて知り合った。



彼は悠々と歩いて自席につく。

遅刻ぎりぎりなのにまったく息が上がってないがどういうことなのだろうか。


「それでは授業を始めましょう。まずは五十音図をノートに書いてみてください」


先生の指示によりノートに五十音図を書いていく。

これぐらいは僕でも楽勝だ。


「では書けたらいろは歌をノートに書いてください」


いろは歌か…

うろ覚えだからあまり答えたくないけど。


「えーと…、誰を当てましょうかねぇ。……では住谷君」


何で!?

解らないときに限って……

こうなれば綾に答えを聞くしかない。


そう思って後ろを見る。

すると綾が先生の方を向いて僕を解りやすく指差していた。


こいつのせいかーーー!

僕が当てられたのはこいつのせいだった。


仕方ない…こうなれば自分の記憶を信じるしかない。


「いろんなはがきをちりがみ交換、よだれたれそ爪ならむ。ウィーッスと言って奥山君を今日飲みに行こうと誘って、怖い夢みし 麻痺もせず」


「とりあえずどこから突っ込んでいいか先生にはわかりません」


ちなみにこの日の放課後、僕はいろは歌を何百回も音読させられることになった。





「それではこれで授業を終わります」


挨拶を終えて先生は教室から出ようとする。


ガン!


と、またこけた。

随分とそそっかしい先生だった。

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