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プロローグ「私立、慈葎学園」
二月の下旬、まだ寒い屋外の外気を通り抜けて僕はある学校の門の
前にやってきた。
校門の近くには私立慈葎学園と書かれたプレートが埋め込まれていてそのすぐ隣に入試会場と書かれた看板が立っていた。
そこをくぐり抜けて指定された教室へ向かう。
そして試験が始まる、大事な入試だから頑張らないと。
…といっても実はこの学校は今年から設立された新設校であるためか受験者が募集人数より少なく、倍率も一倍を下回っているのでまず落ちることはないだろう。
ならばなぜ入試が大事なのかと言うとこの学校は特殊なシステムを採用しているからだ。
そのシステムがこの入試などのテストと深く関係している。
そう、そのシステムとはテストの点数をお金の代わりにしてこの学園内で自律しなければならないということだ。