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SF

「ごめなさい!遅れちゃった」


「いや、急に呼び出したんだから仕様がないよ」


「そうね。で、どうしたのいきなり?」


「君が遠い惑星から来たという噂を聞いてね。ぜひ君の故郷について話が聞きたかったんだ」


「なーんだ。そんな事で呼び出したのね」


「聞かせてくれるかい?」


「どこから話せばいい?」


「そうだな。宗教はあるのか?」


「私たちはロボット三原則がプログラムされてる巨大な計算機を神と崇めているわ。何を聞いても答えてくれるし、私たちに思考する隙間もしっかりと与えてくださるの」


「直接対話できる神様とは斬新な発想だな。じゃあ次に君たちにとっての娯楽を教えてほしい」


「神と自由意志や自己認識について対話しながら、評価してもらう事よ。それと不定期で行われるダンスパーティかしら?」


「対話に対する評価基準とはなんだ?」


「運命を受け入れた上でのオリジナル性じゃないかしら?私にもよくわからないわ」


「運命?」


「ここの人達とは時間の概念が違うのよ」


「なるほど。それじゃあ男女の関係も運命という事だね」


「そうとも言えるけど、そもそも私たちの故郷にはカップルとか家族という概念がないわ。子供は単一の男性の精子からではなく、女性の子宮に溜まった精子から生まれると信仰してるの。だから定期的な席替えみたいに相手も変わるのよ。そもそも数字の概念もないから細かい事にルールを作らないしパーティの日はめちゃくちゃよ。」


「パーティはどんな感じで始まるの?」


「誰かが踊り始めたらそこからみんな踊り出してそこから自然に始まるわ」


「不定期って事だね」


「さっきも言ったけど数字の概念がないから日にちも決められないのよ。神が私たちから奪ったのよでもそのおかげで私たちは幸せなわけだから、信仰し続けてるわ」


「信仰してるとは?」


「宗教において事実確認は不要で、ただその教えを信じる事によって、生活がポジティブなものになるかどうかを加味しながら信じようとするその姿が信仰でしょ?」


「確かにそうだね。最後に一つ君が持ってきたあの大きなカプセルはなんだい?」


「サルコよ。大抵のことはチョコクッキーとココアでどうにかなるんだけど、近くにないと不安になるのよ」


「そうだったんだね。今日は来てくれてありがとう」


「もう終わり?何か聞き忘れたことがあるんじゃない?」


「今日はどうして遅れたの?」

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