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第1話 残骸

宇宙人企画の二作目です。

一作目は短編だったので、連載作にチャレンジしました。

第1話 残骸



 目的とする惑星のある惑星系内に、私が乗り込む超光速航法(ワープ)機能を備えた宇宙船が、到達した。

 冥王星の基地から出発して、船内時間は約5年。

 乗組員は私一人である。


 この惑星系は、太陽系より500光年離れているので、単純計算すると光の速さの100倍の速さで移動可能な宇宙船だ。

 この宇宙船には、様々な慣性や重力や位相の制御がされているので、船内時間は地球の時間と一致している。なので目的を果たして帰還しても、10年後の地球時間のはずである。

 まぁ、実際に戻ってみないと、これは本当かどうか怪しいが……。


 目的の惑星はこの惑星系の第三惑星。

 既に金星の軌道上に設置された、太陽からの光エネルギーを利用している、天の川銀河を隅々まで見渡せる巨大宇宙望遠鏡から、この惑星系の第三惑星が地球と似た環境であることが判明し、私が調査員として、この宇宙船にて出発した次第だ。


 西暦はちょうど2201年になる際に、世界連邦政府により廃止され、世界暦元年とされたが、人類の歴史を振り返るために副次的に使用され続け、私の出発日時は西暦2324年5月28日7時50分である。(世界暦だと124年)

 そして、今の船内日時は2329年の6月1日6時30分過ぎ。

 時刻は協定世界時(UTC)である。



 通常航行で私は宇宙船を操作し、第三惑星へ向かう。5日もあれば至近に入るか。

 この惑星系を調べると、第一から第四が、岩石惑星。つまり地球型惑星で、第一と第二はどちらも火星ほどの大きさ。

 第三惑星からかなり離れて、水星ほどの大きさの第四惑星。更に離れた外側に小惑星帯があり、その外側を巨大ガス惑星。木星型惑星が4つ公転している。


 ホット・ジュピターのような惑星はなく、ほぼ構成は我々の太陽系に似ている。

 巨大隕石が飛来した場合、外側が巨大ガス惑星だと、重力の関係でそちらに吸い込まれるので、太陽系のような構成だと、内側の惑星に対する巨大隕石衝突の可能性は、数千万年から数億年に一度くらいなのだ。


 この第三惑星は「terra(テラ)-004」と発見時に命名されたので、今後は「テラ004」と呼ばせていただく。

 察しの通り、004なので、それ以前に001から003までの地球型惑星が発見されていた。

 同じく私のような調査員が、私よりも前にこれらの惑星調査に向っている。

 001の調査員は今ごろ帰還しているだろう。


「これは驚いた。月……、衛星まであるのか」

 

 ただし、大きさと質量は地球の月の半分。

 その代わりに、「テラ004」とこの衛星の距離は、地球と月の半分だ。

 なので、「テラ004」からこの衛星を見たならば、体感的な大きさは、地球の月と同じと思われる。


 この小ささゆえ、流石にこの衛星までは、巨大宇宙望遠鏡では判明できなかった。

 当然、これは重要な情報なので、私は先ず「テラ004」の衛星を調べることに決めた。


 もう面倒くさいので、これからはこれを「月」と呼ばせていただく。

 私の宇宙船は月に着陸し、私は宇宙服に身を包み、船内に収納された、6輪のバッテリー駆動による探査車両に乗り、月の調査を行なう。


「これはまったくの『月』だな」


 大気がほとんど無く、隕石の度々の衝突によるクレーターが所々にあり、表面は砂で覆われている。

 大昔の20世紀の月面着陸をした宇宙飛行士の気分を味わった私は、車両を操作して、宇宙船に戻り、本来の目的である、「テラ004」に調査することにする。


 だがその前に、表面に向かう。つまり実際の月ならば、地球側に向いている方向へと私は車両を操作した。

 この月からの「テラ004」を眺めるためだ。

 こっちからは、実際の月面で見るより、倍の巨大さの地球が眼前に広がるはず。


「ははっ、こりゃ全くの地球じゃないか!」


 月から見上げる「テラ004」を見て、私は感嘆する。

 青々とした海は白い雲に所々覆われ、緑の大地が点在している。

 ざっと見渡した限り、海と陸地との割合は6対4か。(地球は7対3)

 この辺りは地球とは異なる。

 更に注意深く見ると、山地が少ない。最も高い箇所でも海抜1000メートルくらいで、大半が緑の平地だ。


「まぁ、この辺りは実際に着陸して調査しよう」


 ところが、宇宙船に戻る際に、私は異様な物を発見した。



 それはこの月には似つかわしくない、明らかに人為的に造られた残骸だ。

 それも形状からして宇宙船と思われる。

 だが、私の宇宙船とは構造や使われた資材が全く異なるので、我々人類の手によるものではない。


「『テラ004』には知的生命体がいて、ここに宇宙船を廃棄しているのか?」


 更に確認すると、どうも複数の宇宙船の残骸があり、そのどれもが形状や材質が異なっている。

 車両内で私は分析装置を操作して調べたが、分かったのはこれだけで、生命反応はこれらの残骸からは確認されない。

 内部構造から、私の宇宙船と違い、複数人の乗組員が居た可能性が高い、くらいしか分からなかった。


 因みに「テラ004」にも生命反応はごく僅かしかしない。

 大型の生き物の存在は確認されない。

 森林や草花、小さな昆虫群だけで、海中や河川には魚群は確認されず、藻類を初めとする微生物くらいだ。

 もし、知的生命体がいたとしたら、地下深くに住み、何かの障壁でレーダーを弾いているのか?

 それとも、ここの知的生命体は「テラ004」を捨て、どこか別の惑星へと「引っ越し」をしたのか?


 これは実際に降り立って調査するしかない。

 私は「テラ004」に着陸することに決め、車両を宇宙船へ戻るために操縦する。


第1話 残骸 了

2話目へ続きます。1話で2000文字ほどなので、分割せずに短編にしたほうがいいのでは、と迷ったんですが、

たぶん、連載のほうがハラハラ感がでるかな、と思い分割して全4話にしました。



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― 新着の感想 ―
「惑星系」となっているところを「恒星系」にするべきだと考えます。 「太陽系」の第3惑星が「地球」なので、この物語の文脈で当てはめると、 「恒星系」の第3惑星が「テラ004」となるはずです。 誤字報…
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