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木にのぼると宝は新しい風景を見つけた。
大きな木のでっかい枝の上で宝は葉ちゃんと二人で永遠に広がっている風の街のある緑色の大地と青色の空の風景を見た。
そんな風景を見ている間、一度宝はバランスを崩して木の上から落っこちそうになったのだけど、葉ちゃんが手を伸ばして宝のことを助けてくれた。
「ありがとう、葉ちゃん」と宝は言った。
「どういたしまして、宝」と葉ちゃんは言った。
「どう? 宝物は見つかった?」
と葉ちゃんは言った。
「うん。ようやく見たかったよ」
と自分の隣にいる『葉ちゃん』を見ながら宝は言った。
見上げる青色の空の中に二羽の白い鳥が飛んでいく姿が見えた。
あの鳥たちはどこに飛んでいくのだろう? これから私と葉ちゃんのように世界のどこかに宝物を探しにいくのだろうか? と葉ちゃんの腕に抱きつきながら宝は思った。
大きな木と宝探し 終わり