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16 大きな木の下で
大きな木の下で
そこにはとても大きな濃い緑色の葉を生い茂らせている木が立っていた。
「ここは僕のお気に入りの場所なんだ」と大きな木の幹にそっと片手で触れながら葉ちゃんは言った。
宝が見上げると木の葉の隙間からきらきらと光が溢れている風景が見えた。
その木漏れ日を見て「綺麗」と宝は言った。
二人は大きな木の作り出す影の中で木の幹に背中をあずけるようにして座り込んだ。
「ずっと僕のそばにいてくれる? 宝」と宝の体に自分の体をくっつけるようにして葉ちゃんは言った。
「うん。ずっと一緒にいるよ」と葉ちゃんの体に頭をくっつけながら宝は言った。
「ありがとう、宝」
「こちらこそ、いつもありがとう、葉ちゃん」木の影の中で目をつぶって宝は言った。