表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/17

11

 二人は周囲が森のようになっている風の街の駅までやってきた。森の中を歩いていくと白い小屋のような風の街の駅が見えてくる。駅の中に入るとそこはやっぱり誰もいなくて年老いた猫が一匹だけいた。猫はあくびをしている。

「駅長の猫さんだよ。名前は駅長さん」

 葉ちゃんはそう言って駅長さんの頭をそっと撫でた。(なれているのか駅長さんは逃げたり驚いたりしなかった。とても気持ちよさそうな顔をしていた)

「猫の駅長さん」駅長さんを見ながら宝は言う。

 すると駅長さんはじっとその緑色の瞳で、宝のことを見返したきた。

「ここはとても古い建物で築百年くらいの時間が経ってるんだ。でもすごくしっかりとした構造をしているから、危なくないし、内装も綺麗で、今見ても古くはあるけど、とても感動するような造形をしている人気の建物なんだよ」と葉ちゃんは言った。

「うん。わかるような気がする」と(駅の中を見渡しながら)宝は言った。

 それから、宝も駅長さんのこと。撫でてみなよ。と葉ちゃんに言われて、噛まれるかな? と思いながら恐る恐る手を出してみると、駅長さんは甘えるように宝の手にその頬を当ててきた。

「よしよし」と言いながら宝は駅長さんの頭を撫でた。駅長さんは目を瞑り、そのまま気持ち良さそうにして横になり、眠ってしまった。

 そんな駅長さんをみて、二人は声を出さないように気をつけてにっこりと笑った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ