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これがボクの物語り。

ジローが退院した次の日はもう土曜日だったから、半日授業。(14時終了)

恋人同士になってから初めてのデートだ。

とは言え、まだジローは病み上がりだからお出かけはナシのお家デートにするって2人で決めた。

と言うか今は、離れていた時間を取り戻す様にただそばに居たかったから、帰りにそのままジローの部屋まで来た。

そのため、ちゃんと玄関から入ったから家に居たおばさん……ううん、お義母さん(と呼ぶのは何だかちょっと照れる)………はボクがジローの部屋にいる事を知っているしニヤケながら『後でおやつを持っていくからまだ変な事しないでね?』と言われて2人して顔を真っ赤にした………もぅ………


……それはともかく、大人になったら出張や単身赴任なんかで1ヶ月以上離れ離れとかも有りうるのにね。

けど、ボクは………未だに前世の最期を夢に見て心が壊れそうになるんだ。

だから、だから今は…………



「えへへ♪ジロ~♪」



胡座をかくジローの膝の上に座り、背中を預けて甘えてやるんだ!!



「…君ってこんなに甘えただったっけ?」


「さぁね?それよりもっとジローを感じさせて?」


「ぶっ!?なんか卑猥だよそれ!?」


「ボクは真面目に言ってるんだけどなぁ……


「……なんかごめん…?」


「ううん、ボクの言葉選びが悪かっただけ…ごめんねっ?

ちゅーっ♪」


「うわぁ!?」



お詫びを兼ねてほっぺにキスしたら顔を真っ赤にして慌てるジロー…

うん、胸がきゅんきゅんする。

それが心地いい。



「おやおや?初心な反応だねぇ?」


「くっ…!そのニヤケ顔…さっきの落ち込みはワザとか!?」


「半分かな?」


「えっ?」


「だからジローはボクをもっと甘やかせ~!彼女命令だぞっ?」


「……はいはい。

まったく、母さんの影響受けすぎなんだよ瑞樹は………


「そう言って呆れつつも頭撫でてくれるジロー好きぃ〜♡」


「〜っ!甘い声出しちゃってさぁ!?

なんなの君って!?

遠慮?的なものが一切無くなったねまったく!!」


「………3回目の後悔なんて…もうしたくないからね。」(ボソッ)


「ん?」


「気にしないで?

ほらほらぁ!可愛い彼女様をもっと愛でろ〜!!」


「はいはい………。」


「んへへ〜♪」



ボクは今、幸せだ。

これが仮初の平穏だとしても、ね。



「……………。」


「ジロー?」


「はぁ…僕は、なんで君を諦めようとしたんだろうね?

こんなにも分かりやすく真っ直ぐに好き好き言ってくる君を………


「ボクの見た目が美少女してるせい?

中身はジローとほとんど変わらない、漫画とかラノベとか美少女アニメ好きで、エンジョイ勢とは言えネトゲーマーなオタクなのにね〜?」


「確かに、趣味が合いすぎていい意味でたまに君が女の子な事忘れそうになるけど…

君のその可愛い顔を見て現実に引き戻されるんだよ………


「まぁね~…ボクってば自分で言うのもなんだけどそこそこ可愛い顔してるじゃん?

胸もそこそこおっきいし♪

…って全部そこそこか〜いw!ってね!」


「いや、瑞樹は美少女でしょ。

そんな幼馴染みが居るとかまるでラノベの主人公にでもなった気分だよ。」


「そう?」


「あと、普段はあえて意識しないようにしてるけど、君の声って字面こそ違うけど名前相応にあの声優さんに似てる。」


「ま?自分じゃそうは思わないんだけど。」


「まぁ僕の主観で1番近い声を上げただけだから……あの人も万能型だし。」



まじかー……それも転生特典なの………?

中々に粋なことしてくるなぁ女神様………

あ。それならぁ…?



「んっんぅ……『今夜は寝かさないぞ☆』なんちゃって〜♪」

※元気っ子の声質をイメージしながら


「おいバカ止めろ!?それは違う人だ!!

あとそれは二重の意味で僕に効く!!」


「あら♡」


「お尻を押し付けるな!?」


「まぁまぁ♪ボクは彼女だよ?

いつかは致すことだから気にしない気にしなぁい♪」


「お前本当に年頃の女の子か!?

さっきの母さんにからかわれた時の恥じらいは何処にやった!!

中身はおっさんだろ君ぃ!!」


「失礼な!ボクはちゃんと乙女だぞぅ!?」


「なら恥らえよ少しは!!」


「むぅぅ…なら………『ジローが相手なら…いいよ?優しくしてね…?』」

※清楚系の声質を意識しながら


「ぬわぁぁ!?お前ぇえっ!!?おまゲッフ!?ゴホッゴホッ…!!」


「うわぁ!?ごめん調子に乗りすぎた!!」



つい調子に乗っちゃった!

ジローはまだ怪我人なんだから無茶させたらダメだよね………ごめん。



「ゲフッ!ガフッ!ン"ッン"ゥ………はぁ………はぁ……ゲホッ………やっちゃった………はぁ………


「うぅ…じろぉ…ごめんねぇ…?

久しぶりに前みたいにふざけれて楽しくて………


「いや、うん。

さすがにコレは瑞樹は悪くない、なんて言えないけど気持ちは分かるから………



コンコン


『入るわよぉ〜?』


ガチャ


と、ちょうどお義母さんがおやつを持ってきたみたいだ。

………って!返事を待たなかったのワザとだよね!?



「あらぁ〜?♪」


「おばさん…?」←罪悪感で涙目の瑞樹

「母さん!?」←咳き込んでたから赤面&涙目の治郎


「あらあら~♪お邪魔だったかしら?うふふ♡」


「いえ、まだ何もしてません。じゃれてただけです。」



驚きで思考停止して、なんかかえって冷静なボクがいる。(震え声)

いや、冷静じゃないなボク。

だってお義母さんニヤケ顔だし。

そのお義母さんはニヤケ顔のまま弾む声で



「ラブコメだとお約束よねこうゆうの!

1回遭遇してみたかったの♪

良いわねぇ〜青春よねぇ〜♪」



とか言い出した。



「帰れ!?母さん世代(40代)だと微妙に少女漫画実写ドラマ世代だからタチ悪いわッ!!」



そんなお義母さんにすかさずツッコミモードに入るジロー。

まだ混乱してるボクはもうね、お義母さんのノリに呑まれてる。



「イケナイ太陽ぉ〜?」


「おいバカ止めろ!?名前の響き一致ネタその2は止めろ!?」


「大丈夫?男装しようか??」


「男物ブレザーなら治郎の予備があるわよ?」


「瑞樹の男装…ぜひお願いします。」


「「あらあら♪欲望に素直ね治郎(ジロー)♪」」


「うわぁぁぁ!つい!

と言うか同族同調でウザさが上がったァァ!?」


「母親に対して酷いわね♪」

「彼女に対して酷いねキミィ〜!」


「くぅぅ……!

僕はマザコンじゃ無いぞ…!母さんに似てるから瑞樹に惚れた訳じゃない…!!」



そう言って頭を抱えて仰け反るジロー。

ちなみに、なんだかんだでまだボクを膝の上に乗せたままだから悶えることは出来ないようだ。

ボクはそんなジローを見上げながらマザコンな事を否定してあげる。



「いや別にボクはそこまでは思ってないよ?

そもそもボク、お義母さんとは方向性が違うと思うし。」


「でも快楽主義者でしょ2人共。

父さんもそんな母さんに惚れて結婚した辺り、僕も父さん似だな、とは思うが。」


「それは………うん。

何だかんだでボクの事が好きだから未だに仲がいい訳だし……?」


「自信過剰な言い方だなぁ………事実だけど。」


「事実だから言ってるんですぅ〜♪」


「はいはい……



呆れながらもまた頭を撫でてくれるジロー好きぃ〜♪

そう思ってジローの手に頭を擦り付けるように甘えると、横からお義母さんの楽しそうな声がー



「あらあら〜♡」


「「はっ!?」」



ってまだお義母さん居るじゃん!!

うわぁぁぁぁぁっ!!?



「それじゃ、馬に蹴られる前に私は退散するわね〜?

………孫の顔は見たいけどせめて高校を卒業してからにしなさい?」


「「余計なお世話だよ!!?」」



まだやらないよ!!!

…………………多分?


ともかく、お義母さんは満足そうに部屋から出ていった………

あ、おやつはドーナツなんだ。

ミスターかな?ライオンリングもあるし~♪



「はむっ♪」


「はぁ……まったく、母さんも瑞樹がやっと義娘になりそうではしゃいでるのかなぁ……?」


「むぐむぐ♪んくっ……ぷはぁ〜♪ミルクおいし〜♡」


「母さん、昔から瑞樹のことを自分の娘みたいに可愛がってたしなぁ……


「あーむっ♪もちもちぃ〜♡

ほら、ジローも食べなよ!」



なんかブツブツ言ってるジローの口にライオンリングをちぎって突っ込んであげよう!

不意打ちのつもりだったんだけど普通に咀嚼しだした。

………ボクの指にジローの唾液……ぺろっ♪甘い…これは…砂糖の味だ!って変態かボクは。



「むぐっ……もぐもぐ……ごくん。

………瑞樹、立ち直り早過ぎない?

だから快楽主義者だって思うんだけど僕。」


「それ関係ある?はい、ミルク。」


「ありがとう。ごく………

うん、まぁ、母さんと仲良くやれるなら姑問題無さそうで安心だけどさ。

うん、相変わらず美味しいねコレ。」


「ボクと結婚する気満々で草ぁ〜♪」



あとボクが口付けたコップなのに普通に飲んだね。

気付いてないんだろうなぁ………うん、

いとも容易く行われる変態行為。

いやまぁ、うん。

なんかボクの方が恥ずかしくなってきた。

机の上にあるもうひとつのコップを手に取って、赤くなった頬を冷ますようにミルクを飲む。



「こくこく…ふぅ…


「ん?瑞樹…?」


「ふぇ?」


「……ぷっ。」


「ん?なんだよぅ!いきなり笑うなんて失礼な!!」


「いやだって牛乳ヒゲwww」


「……むぅ。」



とりあえずティッシュで拭っとこ。

………こうして馬鹿やってると…やっと、何気ない日常に戻れた気がする。

やっぱり前世の【記録】があるせいか、ちょっと男友達なノリがある部分もあるとは思うけれど………

それでもボクはジローの彼女なんだ……ねぇ、前世のボクは、コレで満足してくれるのかな?


…なんてね!

前世が男だろうが記録でしかない以上、ボクはボクだ。

ボクは生まれた時から せーぶつがくじょー では女の子してるんだから!!


さて、明日は何をしようかな?ねっ、ジロー♪



なんか最終回みたいなノリですがまだ普通に続きますよ。


ちなみに、瑞樹ちゃんがその十何年前の少女漫画実写ドラマを知ってるのは

ジロー母と一緒に観た事があるからです。

(ジロー母は懐かし〜♪とか言いながら観てた。)

超仲良し過ぎて最初からほぼ義娘ポジな瑞樹ちゃんである。


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