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高校生になってからの話

「うーん……終わったぁぁ〜!それじゃ帰ろっかジロー♪」


「あっ。今日も僕、委員会があるから先に帰ってて?」


「え〜?昨日もそう言ってなかった?」


「か、代わってくれって頼まれたんだ。」


「ふぅん…?あ、ならボクも手伝おっか?

確か図書委員だよね?」


「いやいいよ!瑞樹は先に帰ってくれ!」


「…なんだよ!!そんな言い方しなくてもいいでしょ!!」


「うっ…!とにかく僕の事はほおっておいてくれよ!!

幼馴染みだからって何時までも僕にくっつくな!!」


「…あっそ!わかったよ……分かったよッ!!もう知らないッ!!」



思えば、それが初めてのすれ違いで、喧嘩だったかもしれない。









それからもジローはボクを避け続けてギクシャクした関係が続いた。


そんな日が続く中、ボクはネトゲ……エルネストオンラインでフレに個人チャットで愚痴っていた。



『ホントになんなんだろうねシャルルの奴!!』


『えー?それでエルーナさんは最近はソロなん?』


『そうだよ!シャルルの奴、最近ボクを避けてるからね!

エルオンですら一緒にやってくれないし………』


『確か、リアル幼馴染みなんだっけ?』


『うんそう。』


『青春してんね〜。

オジサンには眩しいかなぁ~』


『何言ってんの?サフィーアさんも高校生のくせに。』


『あっはは〜♪実態はどうかわかんねぇぜ〜?』


『まぁそれはいいんだけどさ。』


『いいんかい。』


『どうしたら昔みたいに一緒に居てくれるんだろ………』


『さぁね〜。オジサンにはわかんねーなwww』


『………まぁ、話を聞いてくれるだけでも満足だよ。』


『不満そうで草。』


『じゃあ1狩り付き合え暇人!!』


『テラヒドスwwwまぁ暇だからネトゲしてる訳だしいいんだがwww』



ちなみにこの人はボクとジローが所属してるギルドのメンバーでもある。

サフィーアさんの役割はタンクだからレベルの低い地帯へ遊びに行った。



『………うん、少しはスッキリした。』


『それは何よりだね。

まぁ、またストレスが溜まったらオジサンが付き合ったげるよ♪』


『ありがとサフィーアさん。』


『おうさ♪』



はぁ……つらい……なぁ………

やっぱり、そばに居たいよ……ジロー………







それからまた数日後、

やっぱりボクはジローから避け続けられる日々の中、リアル告白イベントに巻き込まれていた。

うん、前世含めて初だね。

ジローからされたかーって何言ってんだろボク。


とにかく、目の前にはイケメン。

ベターにここは校舎裏。

今までまったく縁がなかったのにどうしてこうなった。

ただ、会わずに断る方法を知らないし、会わずに断るのは失礼だろうし、どうせジローもそばにいないし、と投げやりな気持ちで呼び出しに応じたボクは、放課後に校舎裏に来ていた。



「来てくれてありがとう、丸山さん。」


「…うん。それで?ボクになんの用かな?」


「いきなりだけど、君が好きだ!俺と付き合ってくれ!!」


「……ぱーどぅん!?何故(なにゆえ)拙者(せっしゃ)!?」



おっと、思わずオタノリが。

しかしそんなボクの慌てた顔にますます頬を高揚させるイケメン。

くっ…!一応美少女だから刺さる人には刺さるのかこの顔…!!

胸も最近主張が激しくなってきたし!!


顔立ちが快活系美少女だから貧乳はステータスだ!希少価値だ!!になるもんだと思ってたんだけど!?


そうして慌てふためくボクに詰め寄るイケメン(爽やか系)。

やめてくれないかね、ボクはイケメンが苦手なんだ。



「…申し訳ありませんがお断りさせていただきます。」



おう、イケメンからの告白をお断りするとか我ながら何様だろーね?

…快活系美少女様だよ!!(逃避)

まさか若干陰キャ入ってるボクから断られる事は無いと思っていたのか、イケメンは少しイラついた様子になった。



「理由を教えて貰っても、良いかな?」



まだ紳士だけど……怖いなぁ……転生特典でコミュ障成分が大半消えたって言っても、女の子的には人気のない場所で男に詰め寄られるのは普通に恐怖だった。


男感覚が多少あるから男性対話の恐怖があまり無いとはいえ、迂闊としか言いようが無い。

今更になって怖くなってきた。

いくら前世より活発でも今の身体は女の子だ、身体能力は根暗だった前世より多少劣っている。


有り体に言えば男だった時ですら勝てない相手に女の子が勝てる訳ないっていう本能的な恐怖感が今更ながら湧いてきた。


(たしけてじろぉ………)


やはりこんな時に頭に浮かぶのはジローの顔らしい。

1番の親友だし、信頼出来る幼馴染みだしね。

そんなジローの顔を思い浮かべて少し勇気が回復したボクは、勝気な笑顔を浮かべて答えた。



「ボクには好きな人が居るから貴方とは付き合えません。ごめんなさい……

それに、ボクより可愛くて性格の良い人は沢山いるよ?

例えば友達のメグちーとかぁ………


ダンッ!


ーっ!?」



そうして答えたのに、何故か相手のイケメンは壁ドンをしてボクを腕の中に閉じ込めてきた。何事?


Oh…リアル壁ドンだぁ〜、ジローにしてもらいたかったなぁ。(現実逃避)


そんでもって唇が触れそうな程に顔を近づけて来るイケメン。

あ、キモイ。

美少女相手ならともかく、男相手はキモイ。


あれ?なんで?今ボクは何を考えた??

ボクは女の子だし恋愛対象は男の子のはず。

バカにする訳じゃないけど、ボクは別にレズビアンでは無いし、前世とは離別してるから性同一性障害でも無い。


いや、それより今はそんな取り留めのないことを考えてる場合じゃない!!


と、相手のイケメンはそのまま、声は爽やか系のままなのに、高圧的な態度になりつつ、迫ってくる。



「良いから俺と付き合ってくれないかな?丸山さん。いや、瑞樹ちゃん?」


「ヒュッ…!?」



あ、鳥肌がゾワッと来た。

いや、耳が幸せとかそうゆうのじゃなくて本来の意味での鳥肌が。


キモイ。キモイ キモイ キモイ…!!


それでも何とか、震える声でボクは返す。



「いや…だから……ボクは…お断りします…と……無理…です………


「ん?聞こえないね。良いでしょ?どうせ君なんて相手してくれる男なんか居ないよ。

見た目だけは美少女だし俺の好みだけど、オタク趣味とか今仲良くしてるオタク友達は許容出来ないからそこは直してもらいたいね。

愛美ちゃん達となら交友を続けていいけど。」


「は?」



いや待て。

元男としても、女の子としても到底許容できない事言い出したぞコイツ。


コイツクズフォォウッ!!


てか、ギャル勢の中でも比較的付き合いやすくて性格も良い女の子達とはおっけーとかふざけてますかね?


いや、メグちーはボクの女の子としての師匠だし見た目通りの美少女してるし尊敬してるけど。

だからたしけてメグちー!?こうゆうときどうすりゃいいの!?



『簡単だよマルちゃん♪股間蹴り上げて逃げちゃえ☆』


「ドッセイ!!」


「グハァッ!?」



ありがとうイマジナリーメグちー!?

そうだよ!非力な女の子でも股間蹴りあげれば男を倒せる!!

イマジナリーメグちーに言われた瞬間には反射でイケメンの股間を蹴り上げたボクは、悶絶してる合間に教室へと逃走した。

すると、まだ教室で友達と駄弁ってるメグちー達が居た。



「うわぁぁぁん!ありがとうメグちー!!」


「えっ?なんの事か分かんないけどどういたしまして〜!!」


「あの、怖いから今日は一緒に帰ろ?

何があったかも話したい。」


「おっけ〜☆」



その日はメグちー達女友達と一緒に帰った。


パへ美味しかった。












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