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音楽に青春をかける女子中学生
プロローグ
永遠に吸い込まれそうな闇を見上げる。そこには光の塵が広がっている。街の明かりから逃げるように,過去から逃げるように静かな川辺に向かって足が動く。腰を下ろす。かつて私たちがやったみたいに。聞こえるのは清流のせせらぎだけ。
「無数の光が私を包む。優しい闇に包み込まれたみたいに。どこまでも私を置いかけて来る。どこまでも。優しい音に包まれたみたいに。どこまでも私の心の中で光り続ける。」
歌詞を呟きながら私は上を向いた。だんだん星と闇がぼやけていくのを見つめながら。「これで良かったんだよね」と語りかけながら。
ああ今日もよく星が見える。あの日のように...