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悪役公爵令嬢(中身七才)、お姉さまは恋敵?

作者: 和泉 佐歩

20/05/31 ラスト周辺、少々変更しました。

「あー、面白かった!」


 あたしはパタンとマンガを閉じました。今、あたしが読んでいたのは、「シャルリーヌ物語、想い人は皇子様!」第二巻。古い少女マンガだけど、とっても面白い。野乃お姉ちゃんに、この後の巻も借りよう。


 野乃お姉ちゃんは、となりの家のお姉ちゃん。なんと、このマンガ、野乃お姉ちゃんのお母さんが、昔描いたんだって。すごいね。


「でも、ほんとドリアーヌって、いやな子ね。あんなにシャルリーヌいじめなくても良いのに。シャルリーヌかわいそう」


 あたしの名前は、大島 (つむぎ)、七才、小学二年生。一人っ子。だから、野乃お姉ちゃんが仲良くしてくれるの、とってもうれしい。


「紬。晩御飯よー」 お母さんの声がした。


「はーい、今 いくー」


 あたしの記憶は、ここで終わってる。紬としての記憶は。




 気がつくと、あたしはシャルリーヌになっていた。なら、まだ良いんだけど、あたしが、なっていたのは、ドリアーヌ。


 ドリアーヌは公爵令嬢(むつかしい漢字だけど、マンガでおぼえました)。シャルリーヌをいじめる悪役。なんで、あたしがドリアーヌなの! あたし、あんなに、性格悪くないよ!


 あたしが、ドリアーヌになったせいで、公爵家はまっくらになったみたい。


 ドリアーヌのお父様とお母様は、とっても悲しんでた。


「ちょっと頭を打ったくらいで、ドリアーヌがあのように……、なんたる悲劇だ」


「ほんとです、もう人様の前には出せません。ああ、主よ」


 まあ、仕方ないと思う。じまんの娘(十五才)が、いきなり中身が、あたし(七才)になっちゃったんだもん。でも、一番かわいそうなのは、あたし。


 大阪の小学二年生が、いきなり公爵家令嬢よ。上手くやれるわけない、泣きたいよ、逃げたいよ。でも、逃げても行くとこない。お父さん、お母さん、野乃お姉ちゃん、助けてよ! おねがいだから!


 当たり前だけど、だれも助けてくれなかった。


 ドリアーヌはマンガによると、とっても美人で、頭もいい。令嬢の中の令嬢と呼ばれ、帝国の第二皇子、ユーグ殿下と婚約してる、お貴族さま。うう、あたしとは住んでる世界がちがいすぎる……。


 でも、ドリアーヌをやるしかない。生きていくにはそれしかない。


 あたしは、がんばった、めっちゃがんばった。貴族のマナーや常識をおぼえ、ドリアーヌとして生きてゆけるように。そのかいあって、お父様とお母様は、外に出ることを許してくれるようになった。


 そして、帝国貴族学院に戻ることに…… ああ、なんてこと! お屋敷の中でさえ、たいへんなのに、学校なんて、ドリアーヌと同じ年ごろの子ばかりの所へゆくなんて、怖い。ぜったい、浮くよ、浮きまくる!


 思ったとおり、あたしは、浮きまくった。そくせきで覚えた知識なんて、ぜんぜん役に立たない。ドリアーヌと仲がよかった令嬢たちは、次々とあたしから、はなれていった。


 貴族学院でお昼を食べる時も、とうぜん一人。


 少しはなれた席から、ドリアーヌ(あたし)をバカにする声が聞こえる。


「ドリアーヌ様は、なんてお可哀そうなんでしょう。古典どころか、娯楽小説でさえ真面に読めませんのよ、御労しいわ~」


「文字だけではありませんことよ。この前は掛け算を間違ってました。よく、学院側が退学にしないものです。さすが、公爵家、権力がありますこと。ほんと羨ましいですわ」


「そんなことより、マナーですわ、マナー。この前スープ、音を立てて飲んでましてよ。あれでは豚です、豚」


 大笑いが起こった。


 なにが令嬢よ、なにが しゅくじょよ。みんな、いじわる。大嫌い!


 でも、あたしに優しくしてくれる人が二人いる。一人はシャルリーヌ。マンガ「シャルリーヌ物語」の主人公。マンガで読んだとおりの、かわいくて、とっても優しい子。


「ドリアーヌ様。隣、よろしいですか?」


 シャルリーヌがトレイを持って、ほほえんでくれる。花のようにかわいい。野乃お姉ちゃんのお母さんには悪いと思うけれど、マンガの絵よりずっとカワイイ。いつまでも見ていたい。


「ええ、どうぞ」


「ドリアーヌ様、あのような者達の言葉を、あまりお気になさらないように。ドリアーヌ様は頭をお打ちになったのです。少しくらい影響が出たって仕方ありません。時間がたてば、以前のように、皆の憧れであったドリアーヌ様に戻れましょう。それまで、お気を落とさず頑張って下さいね」


 シャルリーヌの言葉に、なみだが出そうに。


 時間がたってもダメ、あたしは元のドリアーヌじゃない、中身は、ただの日本の小学二年生、みんなの憧れになんか、戻れるわけない。ごめんね、シャルリーヌ、ごめんなさい。


「シャルリーヌ様。あなたはどうして、私に優しくしてくれるのですか? 私は、あなたに、いじわるばかりしていたのに……」


 シャルリーヌはきょとんとした顔になった。


「はて、私がドリアーヌ様に意地悪されたことなど、ございましたでしょうか? 私の記憶では、とても優しくして頂いたことしかございません。誰かと、勘違いしておられません?」


「え?」


 ひっしで、読んだマンガを思い出そうとした。そういえば、そうだった。ドリアーヌは、最初はシャルリーヌに優しかった。途中からだ、シャルリーヌが、ドリアーヌの婚約者、ユーグ殿下と仲が良くなりだした頃から、その頃から、ドリアーヌはシャルリーヌをいじめるようになっていった。


 だれかが言ってた、「しっと ほど怖いものはない」。


 目の前にいるシャルリーヌは、ほんと良い子。変な会い方しないかぎり、絶対、友達になれる。こっちから頼んででも、なってもらいたい子。


 あたし、マンガのとおりに、シャルリーヌを嫌いになるのかな? いじわるするのかな?


 そんなのイヤ! シャルリーヌは大好き! いじわるなんか絶対しないよ!


 あたしは泣いてしまった。貴族は人前で泣いてはダメと、お母さまに言われたけれど、むり。あたしは、貴族じゃない、紬は貴族なんかじゃないよ。


「ドリアーヌ様、泣かないで下さい。大丈夫、大丈夫ですから」


 シャルリーヌは、一生けんめい慰めてくれた。ほんと優しい。



 そして、あたしに、優しくしてくれる、もう一人は婚約者、ユーグ殿下。


 ユーグ殿下は金髪に青い目。そして、ヒロインの相手役なのだから、とうぜんなのかもしれないけれど、とってもカッコイイ。


「ドリアーヌ、この茶葉は如何ですか? 貴女のお好みに合うように思えて、取り寄せてみたのです」


「とても美味しゅうございます、殿下。ありがとうございます」


 おいしいけど、日本茶の方が好き。でも、そんなこと言えない、ここは、野乃お姉ちゃんのお母さんが描いたマンガの世界。日本なんてどこにもない。


「ユーグ殿下、殿下は皇帝陛下になられるのですか?」


「はは、私は第二皇子です。皇帝になられるのは兄上ですよ、私はなりません。誰にそのようなことを?」


 ユーグ殿下は、笑って、ちがうと言ってくれたけれど、ちょっと目が笑っていなかった。ウソをついている?


「いえ、風のうわさに聞いたまでです」


 ウソを言いました。言ったのはお父様。マジメに言ってました。


 でも、皇帝って、一番偉い人でしょ、そんな人のお嫁さんが、あたしなんかで良いのかな? 


 良くない、やっぱ良くないよね。


「殿下、私は頭を打ったせいで、みんなに笑われる馬鹿になってしまいました。もう、殿下の婚約者にふさわしくありません。婚約はなかったことにしてください。お願いです」


 あたしは、子供っぽくならないよう、がんばって言った。でも、殿下は、


「ドリアーヌは馬鹿ではありませんよ。そのように人を蔑むような者が馬鹿なのです。放っておきなさい」


「でも、馬鹿なのは、ほんとうです」


 体は十五才でも、中のあたしは七才なの。体と釣り合ってないの。


「では、一つ質問をしましょう。もしも、もしもの話ですよ。私が皇帝になったら、妃たるドリアーヌは、私にどういう国を、帝国を作って欲しいですか?」


 殿下が笑顔で聞いてきた。どうしてこのようなことを聞かれるのか、わからなかったけれど。まじめに答えなければいけないと思った。


「ひもじくない国。国民みんなが、きちんと食事をとれる国にしてほしいです」


 私は食べるのが好き。だから、これは心からの思い。


 殿下がさらに、にっこりされた。


「難しい要望ですね。でも、素晴らしい要望です。貴女は賢い、このまま、私の婚約者でいて下さい。以前の貴女も、今の貴女も私は大好きですよ。だから、心配しないで。私が手助けします、ゆっくりやっていきましょう」


 あたしは、ユーグ殿下の優しい言葉にうなずくことしかできませんでした。


 『大好き』男の人から言われたのは初めて。なんだろう? この、こそばゆい感じ。


 この後、シャルリーヌとユーグ殿下は、ことあるごとに、あたしを助けてくれ、はげましてくれた。そのおかげもあって、あたしは少しずつ、この世界、公爵令嬢ドリアーヌとしての生活に慣れてゆき。人に笑われることも少なくなっていった。


 シャルリーヌ、ユーグ殿下、二人とも大好き、ありがとう!


 でも、心配事は無くなった訳ではない。ここは、どう考えてもマンガの世界。あたしが本で読んだとおりの嫌な展開に進まないとは断言できない。どうしよう、どうしたらと、悩んでいた頃。あたしは見つけてしまった。


 ドリアーヌの日記。それは机の引き出しの底にあった、二重底。なんて用心深いの、ドリアーヌ!


 ドリアーヌの日記には、 あたしの知らないことが書いてあった。マンガの二巻までには、こんなことは描かれていなかった。


 ■ シャルリーヌが、ドリアーヌの双子(二卵性)の片割れだったこと。


私は、シャルリーヌの目の色が、私の目と同じ金色で、耳の形も私の耳と全く同じなのに疑念を抱いた。こんな偶然あるのだろうか。金色の目なんて千人に一人もいない。それに、シャルリーヌと一緒にいると、とても心が安らぐ、シャルリーヌが愛しくなる。どう考えても、他人とは思えない。私はお父様と、お母様を問い詰めようとした。でも、そうする前に答えが分かった。私の考えを知った、執事のモルガンが教えてくれた。


『シャルリーヌ嬢は、お嬢様の双子のお姉様です。双子が凶兆とされる故、男爵家へ養子に出されました。ただ、その男爵家があそこまで落ちぶれるとは…… 公爵様も、不吉とされる双子の一人を受け入れてもらった手前、かなり援助をなされたのですが……』


 なんて可哀そうなシャルリーヌお姉様。私が公爵家でぬくぬくと育ち、ユーグ殿下の許婚にまでなっているのに。落ちぶれた男爵家で、庶民の如き貧しい生活を……


『ドリアーヌ様。このお菓子、なんて美味しいのでしょう。私はこれほど美味しいお菓子を食べたことがありません』


 お姉様、それはそんなに良いお菓子ではありません。駄菓子です。たまたまそれしか無かったので、お出ししたまでです。今度、もっと良いのを持って行きます。


 ■ドリアーヌがシャルリーヌの為にユーグ殿下に嫌われようという計画をたてたこと。


 今日は、ユーグ殿下とシャルリーヌと私の三人で、お昼を頂きました。三人で会う機会も多くなったので、ユーグ殿下もシャルリーヌも大変仲良しになりました。私の大好きな人達が仲良くなってくれる、とても素晴らしいことです。でも私は気づいてしまいました。


 シャルリーヌが、いえ、シャルリーヌお姉様がユーグ殿下を慕っていることを。お姉様の殿下を見る眼差しが、なんと熱い眼差しであることか。私はシャルリーヌお姉様を犠牲にすることにより、ぬくぬくとした優雅な生活を送ることが出来ました。今度は私の番です。私の番。


 どのようにしたら、シャルリーヌお姉様を幸せに出来るのでしょう?


 ユーグ殿下に嫌われましょう。殿下もシャルリーヌお姉様を気にいっておられます。私がお姉様をいじめれば、私は殿下に嫌われ、可哀そうなお姉様に殿下の目はいきます。シャルリーヌお姉様の願いが叶う可能性が出て来ます。


 ユーグ殿下、私は貴方をお慕いしております。しかし、私は貴方よりシャルリーヌお姉様をとります。許して下さい。許して下さいませ。


 ドリアーヌの日記はそこで終わっていた。


 二巻までしか読んでいなかった、あたしはドリアーヌは、主人公シャルリーヌをいじめる悪い娘、悪役令嬢としか思っていなかった。でもちがった。


 ドリアーヌはとっても優しい子、シャルリーヌに劣らぬ、いえ、それ以上の優しい子でした。



 でも、そのドリアーヌはもういません。私はどうしたら良いのでしょう。


 ドリアーヌの思いをつぎ、ドリアーヌの計画どおりにやるべきなんでしょうか?


 わかりません。小学二年生にそんな、難しいことわかるわけがない。


 もう、当たって砕けろです。小学二年生にできることをします。


 ぶっちゃけます。



 あたしは、シャルリーヌを学院校舎裏に呼び出した。


「ドリアーヌ様。お話したいことがあるとお聞きしましたが、何でしょう」


 シャルリーヌは笑顔だけれど、ちょっと不安げ、校舎裏はまずかったかも。いじめの定番場所だよね。


「シャルリーヌ様、いえ、シャルリーヌお姉様。貴女は私の双子の姉。知ってられましたか?」


 シャルリーヌの顔から笑顔が消えた。


「最初から、知っていました」


「では、何故言ってくれなかったのです」


「言う必要はなかったからです。それだけです」


 シャルリーヌは話を打ち切りたいようだった。でもドリアーヌの思いは伝えなければ、それが、今のドリアーヌである、あたしの義務、そう思った。


「そんなので良いのですか、お姉様。あなたは損ばかりしてきました。その分をお返しします。私は身をひきます。お姉様が、想い人であるユーグ殿下と結婚なされてください。お姉様にはその権利があります」


 シャルリーヌは一瞬ぽかんとした表情になり、そして、涙を出し笑いだした。泣き笑いだ。


「バカね。本当にバカな子、そして優しい子。貴女はなんて……」


 シャルリーヌはハンカチを取り出し、涙を拭うと、続けて言った。


「私はね、子供の頃から、双子の妹がいることを知っていたの。だから、思ってた。優しい可愛い子だったら良いな。私と似てるかしら? いつか出会って、仲良くなりたいな、ってね。そして、学院に来て、貴女に出会った。


 ドリアーヌ、貴女は、優しくて、可愛くて、目の色も耳の形も私と同じ。想像どおりだった。そして、仲良くなれた、友達になれた。だから、願いは叶った。それで良いの、もう十分なのよ」


「十分って、それではお姉様は、ユーグ殿下への想いはどうするのです。捨てるのですか」


「捨てるって、最初から私に勝てる見込みはありません。ユーグ殿下とお話する時、半分以上、ドリアーヌ、貴女の話題です。それほど殿下は貴女は好いています。幸せ者ですね」


「そんな……」


 急に心が、かっと熱くなった。そこまで、好かれているなんて、思いもよらなかった。どうしよう、今度、殿下にお会いした時、どのような顔をしたら良いのかわからない。これは難問、すごい難問。


「私、どうしたら良いのでしょう。初恋もまだなのに」


 ぷっ! シャルリーヌお姉様が吹きだされた。


「ほんとバカな子ね。今、してるのが初恋でしょ。そんなに頬を赤らめて何を言ってるの」


 お姉様が大笑いされる。あまりに笑ってくれるので腹がたってきた。


「そんなことより、お姉様はそれで良いんですか! 殿下への想いは捨てるのですか!」


 わたし、ちゃんとわかってますよ、お姉様の熱い想いを。マンガ読んでるんですから!


「捨てませんよ。捨てると何時言いました?」


「え? じゃ、どうするんです」


「第二か第三妃をあたりを狙います。お世継ぎがいっぱい必要な皇族では当たり前ですからね」


 あたしは、がくぜんとしました。


「そんなのダメです! 奥さんが二人も三人もなんて、いけません、不道徳です、非常識です!」


 あたしの慌てようが、可笑しかったのか、さらに言ってきます。


「ドリアーヌ。そんなに殿下を独占したいのなら、殿下が貴女しか娶りたくないほどの魅力を身に着け、子供を沢山産みまくるしかありませんね。どうです、出来ますか?」


「むむむ……魅力、産みまくる……」


 それは、特段、女の子としての自信があるわけもなく、現代日本の常識、子供は一人か二人に慣れてしまっているあたしには、とっても難しい条件。


 シャルリーヌお姉様は、にっこり微笑まれています。


 ああ、なんて、お姉様の笑顔は魅力的なんでしょう。さすが、ヒロイン、格が違います。ヒロインが可愛くないマンガはダメです。その点、「シャルリーヌ物語」は成功しています。


 だけど、だけど、ドリアーヌ。だって捨てたものではありません。


 ちょっときつめの顔だけど、美人だし、性格だって、(元の)ドリアーヌは泣きたくなるほど優しい子です。その体を受け継いだ、あたしが簡単に白旗を上げてはなりません。


 女の子として、いえ、女としての誇りを示さねばなりません。


 あたしの心は、この世界に来て、成長しました。どうです、もう小学二年生の女子児童とは思えないでしょ?


 あたしは、どうして、この世界に来てしまったのでしょう?


 わかりません。


 でも、あたしが、すべきことはわかります。あたしのすべきことは、ドリアーヌを幸せにすることです。


 あたしは思います。本当のドリアーヌは消えてはいません。この体のどこかに眠っています。だから、あたしは自分自身を幸せにします。ドリアーヌと一緒に幸せになるのです。


 めっちゃ、可愛いよ、ドリアーヌ。「シャルリーヌ物語」の本当のヒロインは貴女なの!


 そうですよね、野乃お姉ちゃんのお母さん!



 あたしは、宣言します。宣戦布告です。


「出来ます! お姉様、あたし、ドリアーヌは負けませんよ! ユーグ殿下は、あたしが独り占めします!」


「ふふふ」


 シャルリーヌお姉様は、余裕の笑み。


 くそ~ヒロインめ、マンガの題名になってるからって、絶対勝てると思わないでよね。



 こうして、あたしと、シャルリーヌお姉様は、恋敵となった。




 そして、最後に勝ったのは……?


初短編。恋愛感、薄めですが、私的には恋愛ものというか、恋に目覚める女の子の話です。甘々なのも書きたいのですが、なかなか書けません。どうしても、うぎゃ~となります。早く乗り越えたいです。マジで。



「転生伯爵令嬢の愛情生活。出来る範囲で、みんなを幸せにします!」

紬の隣のお姉ちゃん、野乃が主人公。本作で興味を持たれた方は見てやって下さいませ。

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[良い点] ドリアーヌちゃんは優しくて良い子ですね、お姉さんの為に大好きな殿下から身を引こうするなんて、なかなか決断できることじゃないでしょう。 紬ちゃんも優しくて良い子ですね、ドリアーヌちゃんの気持…
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