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元兄妹の自重しない異世界生活 #1

異世界転生が書きたかったので、書いてみました。

緩い気持ちで見ていってください。



「お兄ちゃん、起きて。もう朝だよ。」



優しい声が聞こえる。

もう朝か。

そろそろ起きないと学校に遅刻してしまう。

だけどもう少しこうしていたい…。



「先にもう学校行っちゃうよ」



何故だろう、行かしてはいけない気がする。



「待ってくれ、由梨。もう起きるから。」



「もう、遅いよ」



ダメだ、行くな。



「じゃあ、行ってくるね」



待て、待ってくれ。



拍動が早くなる。呼吸が荒くなる。



行ったらダメだ。行くんじゃない。行くな。行くな。イクナ、イクナイクナイクナイクナ……




「行くなっぁぁ!!!」



俺は、目を覚ました。辺りを見回す。当然のように部屋には、誰もいない。握っていた手を開くと、汗でビッチョリと濡れている。



「なんだ……。夢か……」



3日前、妹が死んだ。

事故だった。通学途中に、酔っ払い運転のトラックに跳ねられたんだ。



「あぁ……由梨……」



妹の名前は、橘由梨。俺とは1歳違いで16歳の可愛い妹だった。今年から俺、橘優斗と同じ高校に進学して、毎日一緒に登校していた。だけど3日前俺は、徹夜でゲームをしていたので朝ベットに潜り込んで気づいたら寝てしまっていた。何度か由梨が起こしに来てくれたが半分寝ている状態だったので、無視して寝ていた。そうしているうちに由梨が呆れて先に学校に行こうとして事故にあったのだ。



「あぁ……由梨……会いたいよ……」



大切なものは、無くなって初めて気づく。

まさに、その通りだった。



~~~~~~~~~~~~




俺は、今由梨の事故現場に来ている。

手に妹の好きだった百合の花を持って。

昔、由梨が言ったのだ。



「このはな、ゆりとおなじなまえだねっ」



「あぁ、由梨もこの花と同じようくらいキレイだよ。」



「えへっ、ありがとう。お兄ちゃんだ~~いすき。」



この時、俺は10歳、由梨は9歳だった。

とても、10歳とは思えないことを言っているがちゃんと10歳だ。俺たち、兄妹はずっと仲がよかった。中学生の時は、2人で休み時間を過ごしていたらカップルだとよく間違えられていた。実際、俺は妹を妹ととしてでは無く、1人の女の子として好きだったし、妹も何度も俺に「付き合ってください」と、プロポーズしてきていた。さすがに兄妹なので断っていたが、本心ではとても嬉しかった。友達からは、よく、シスコンと言われていたが全く気にしていなかった。




「こんなことになるなら、とっとと付き合った方が良かったな…。」




一般的には、変態と言われるような発言をしつつ電柱の元に花を添える。




「由梨……天国で元気でな…。」



俺は、しゃがみこみ、目をつぶり、手を合わせて、そう呟いた。



「危ないっっっ!!!」



俺は、何が起きているか分からず目を開け声が聞こえてきた方向を見る。



「っ!!!」



目の前に、トラックのナンバープレートが見えた。



(あっ…。これ、死ぬな……。)



体の側面に衝撃がはしる。



(由梨も、こんなに痛かったのかな……。)



意識が途切れた。



~~~~~~~~~~~~







気がつくと真っ白な空間にいた。



「ここは、どこだ? 俺、確かトラックに跳ねられて……、えっ、じゃあここは天国?それとも地獄?それとも、ライトノベルにありがちな……」



「正解です。」



突然、女性が現れた。

おぉ、かなり美人な人だな。妹には、劣るけど。ライトノベルにありガチってことは、もしかして……



「はい、私は女神です。あなたは、本当にシスコンが過ぎますね。まぁ、それほど仲がいいと言うことにしましょう。」



「あれっ、もしかして心の声が聞こえるんですか?」



「はい、分かりますよ。あなたの妹さんより美人じゃないですけど一応女神なので」




うわぁ、かなり引きずってるよこの女神さん。

性格悪いな…。



「すいませんね。性格が悪くて。妹さんと同じ世界に転生させようとしましたが、私は性格が悪いそうなので、できませんね~」



いやー、女神様は美人だな~性格もとてもいいな~、ハハハハハハハハハハハ



「冗談ですよ。元からあなたは妹さんと同じ世界に転生させるつもりです。先日、あなたの妹さんに頼まれたんです。」



「どうゆうことですか?」



「あなたが、3日後に死ぬとあなたの妹さんに伝えたんですよ。そしたら同じ世界に転生させてくれと、お願いされたんです。あの時は凄いブラコンだと思っていたのですが、あなたまでシスコンで……遺伝、なんですかね…?」



「あぁ、そうみたいですよ。母親も父親に出会うまでは、叔父さん好きだったみたいです。」



「ははは…そうだっんですか…。」



女神様が諦めた、みたいな目をしている。何故だろうか?



「あなたのせいですよ………。っと、そろそろ本題に入りますね。今からあなたが転生する世界は、魔法が使えて、魔物やモンスターがいるいわゆるファンタジーってやつですね。あなたはその世界で平民として生まれ変わります。記憶は、そのままなので安心してください。妹さんは、あなたの産まれる家の隣の家に3日前に産まれています。その際に、妹さんには、アイテムボックス、家事スキルオールMax、全属性魔法適性、を能力としてさずけました。あなたは、なんの能力にしますか?」



おぉ、チートスキルってやつか。ますますラノベっぽいな。アイテムボックスは必須として、どうするか…



「よしっ!決めた。アイテムボックスと………」



「分かりました。その3つでよろしいですね。」



「あぁ、頼みます。」



「それでは、良い人生を。」



視界が真っ白に染まる。



(待ってろよ。由梨。)




視界に色が戻るとそこはもう異世界だった。


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