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どすこいあそばせ! エレガント力士・エレガント山!  作者: 当年サトル
天空の覇者ッ!! 航空相撲の挑戦ッ!! でゴワシますわ
36/47

四ッ!

「はえぇもんだな、あのヘルマシーン乃海との戦いから三日──またこうして生きて地面を踏めるとはな」


 銭十字病院を出た超能侍は、暗黒デス世田谷にある和厳親方の相撲部屋へ向かうべく、暗黒東京デスポート駅を目指し、暗黒デスお台場の街を歩いていた。その足取りには怪我人らしい弱々しさはなかった。横綱ならではの根性が致命傷を防いだ上、横綱ならではの根性が生体エネルギーを活性化し細胞修復を早めたからである。人間、なるべく根性を持っておくに越したことはないということであろう。


「ふん──変わっちまったもんだ」


 着流し姿の超能侍は、男前顔面(いけめんふぇいす)をしかめて辺りを見回した。


 かつて善良な市民やそうでもない市民も集っていた観光地であったお台場は、暗黒デス市民が集う暗黒デス観光地・暗黒デスお台場へと変貌してしまっていた。建ち並ぶ各種大型施設は暗黒の色に塗られ、無駄にトゲトゲを生やしがちな暗黒デス建築様式に改装され、そのせいで、かつて銀色に輝いていたテレビ局の球形展望室は、真っ黒になって無数のトゲトゲを生やし、事前情報なく見ればまるでウニ料理店の看板のようになってしまっていた。また、広場に建っていた実物大アニメロボット像は、ドクロの顔をした巨大暗黒デス力士像に置き換えられ、道行く人々を傲慢に見下ろしていた。


 暗黒デス相撲協会の支配が色濃く見える街に憮然とする超能侍に、旧時代とさほど変わらない制服を着ながらも鞄やアクセサリーなどファッションの所々に邪悪と禍々しさを取り入れた暗黒デス女子高生たちの、すれ違いざまの声が次々浴びせられた。


「あー、あいつ、あの無駄に顔だけいいクソデブ!」


「こないだ負けてた弱い方のデブ!」


「あれだけ撃たれた敗残者のくせにのうのうと生きて歩いていやがる! 噂のチョベリ恥さらし! なぜ切腹しないのか!」


「大穴狙いを台無しにした弱虫毛虫シロヒトリ! 政府はこんな害虫など駆除すべきたにえん!」


「デブ! デブ! 百貫デブ! 車に轢かれて異世界転生!」


 聞こえよがしの酷い罵声であった。常人ならばキレても仕方あるまい──


 だが!


(ふん、角界のプリンスなどとおだてられ、女子高生からサインや写真をねだられたのも今は昔か……思えばあのような扱いは、俺が当時勝って勝って勝ちまくりの昇り調子だったからのことだ。暗黒デス相撲ファンが勝ち馬に執着しすぎることを差し引いても、無様な負け姿を晒した者に世界が冷たいのは昔から変わらん。この罵声は俺の不甲斐なさ、力不足に向けられたものであると反省し、更なる稽古に励まねばなるまい!)


 横綱ならではの超ポジティブ! 巨体サイボーグすら圧倒するたくましい筋肉、つまり壮絶な修行の成果に包まれた精神は、理不尽な精神攻撃をものともしないどころか、明日へ向かう糧として逆に喰らい尽くしてしまったのだ! 人間、なるべく修行をしておくに越したことはないということなのだろう!


「──昔から変わらんものは他にもあるようだな」


 超能侍は苦笑した。


 何組めかにすれ違った女子高生二人が罵声を張り上げていた。


 が、その内容は超能侍を罵るものではなかった。


「は? 何が不味い? 言ってみろジョシ」


「求めるならば無限大にでも繰り返たにえん。チョコミントアイスなど喰らう者は異常者だ。ほとんどの人間はストロベリーなどのまともなアイスを選ぶ。何故お前はそうしないたにえん?」


「テメェー! 何故だ! 何ゆえチョコミントアイスをチョベリ愚弄するジョシ!」


「何とは白々しい! あのような歯磨き粉を好んで食す者どもは脳髄まで歯磨き粉に侵食された歯磨き粉星人! 貴様らの頭カチ割って脳汁で歯を磨けば驚きの白さたにえん!」


「貴様らこそ、ストロベリーアイスの喰いすぎで脳細胞がストロベリーアイスに置き換わったストロベリー脳! そんなもので歯を磨いても虫歯になるジョシ!」


 スイーツの好き嫌いをめぐっての他愛のない言い争いだ。旧時代にもよくあった、微笑ましい光景といえよう。


 だが──


「フッ……」


「ヘッ……」


「「ナイスクソ度胸ッ!!」」


「「マジ卍死(まんじ)ね! ぶっ殺たにえんッ!!」」


 二人の女子高生はニヤァーリと不敵な笑みを浮かべ、同時に親指を立てるやいなや、同時に戦闘体勢に入った!


 茶色のロングヘアの女子高生、チョコミント絶対殺す派の少女が、腰のポーチに素早く両手を差し入れ、居合のごとき速度で引き抜き、メリケンサックがはめられた両手でファイティングポーズを取った。


 その、横綱から見れば稚拙ながらも、確かな殺意の禍々しさに、通り過ぎようとしていた超能侍は振り返った。


 こんな殺気など──昔であれば、普通の女子高生が軽率に出すものではない!


 だが、今は──悪徳と暴力がのさばる、暗黒デス時代なのだ!


 超能侍は、普通の女子高生をも軽々しく暴力に駆り立ててしまう時代の歪みを嘆き、怒りながら、女子高生の暴力を止めるべく駆け出した!


 と、同時に──


 黒髪ツインテールの女子高生、チョコミントアンチ絶対殺す派の少女が、両腰に吊り下げられたホルダーに両手を伸ばし、ガンマンの早撃ちのごとく、何かを素早く取り出し顔の前に構えた。


 それは、透明なカップの中に、黒い粒状のものが無数に沈んだ、茶色の液体──旧時代にも何度か流行ったタピオカドリンクだ!


「フンンヌッ!!」


 ツインテール少女は、タピオカの大きな粒を通すための太いストローを、ためらうことなく両の鼻の穴にねじ込んだ! そして──


 ズゴゴゴゴッ──


 カップの中身を、思い切り吸い込むッ! 常人ならば、次の瞬間、鼻粘膜の強烈な痛みに思い切り咳き込むに違いあるまい! よい子は決して真似してはいけない!


 だが──ッ!


「うッ──!?」


 超能侍は面喰らって目を見開いた。


「タ……ピ……オォォォォ──ッ!!!」


 獣のごとく雄叫びを上げるツインテール少女の身体が、どす黒く変色し、何倍にも膨れ上がり、制服を押し破り、身長3メートル近い、禍々しい異形に変化したのだ!


「え、あ、たにえん──」


「ぶっ殺──CREAYYYYYY(クリイイイイイイ)──!!!」


 全体としては人のフォルムに近いが、細部をよく見れば、ぬらぬらと黒く光る肉の紐を無数に束ねたような、おぞましい質感をしている。ツインテールの少女だったものは、どくどくと脈打つ管がいくつも這い回るおぞましい顔面の、不気味に黄色く光る大きな眼球で、戸惑うメリケンサック少女を見下ろし、甲高い奇声を張り上げ、イカのゲソのように長くしなやかな触手と化した腕を、鞭のように振り下ろした!


 常人ならば、五体が跡形もなく千切れ飛ぶであろう超衝撃力であった!


 だが──ッッ!!!


「何をしているッ!!」


 ツインテール少女だったものの一撃を、メリケンサック少女の前に素早く滑り込んだ超能侍が、掌で受け止めたのだ!


「その雄叫びは、おそらく『CREATURE』が語尾となったもの──つまり、人をやめた生物としての精神に心が支配された証であろう。しかし、そのザマは何だ! 好物をけなされたからといって、怒りに我を失うあまり、人間をやめ妖怪に変化するとは! 嘆かわしいにもほどがあるぞ!」


「ち、ちげぇよオッサン──そいつ、暗黒デスタピオカに手を出しやがったにえん──」


「暗黒デスタピオカ──だと──」


 超能侍も噂に聞いたことはあった。


 旧時代にタピオカドリンクがブームになった時、よからぬ団体が便乗してタピオカドリンク店を出し資金を稼ぐことがあったようだ。そして、その中には、タピオカに見せかけた謎の暗黒物質を闇で売りさばくものがあったらしいのだ。その暗黒物質は粘膜から吸収され、人体の細胞を造り替え、摂取した者におそるべき力を与えるといわれる──ッ!


 メリケンサック少女は青ざめてぶるぶると震え、後ずさりしながら言った。


「さっき怪しげな売人が売りつけてきて、暗黒デスSNSのネタになるかと思って買ったんだけど、やっぱこわくなってアタシの分を押し付けたら、そいつ、ふたつ飲んだら二倍強くなるね、って笑ってさ──うぅ、バカだよ──やっぱりチョコミントなんか喰ってたら頭がおかしくなるたにえん──」


 このような事態にも隙あらばアンチ発言をねじ込むのがチョコミントアンチであった!


「くッ! そんなものをいたいけな未成年に売りつけるとは──この世の中、腐っとる! ぬォォォォッ!!!」


CREAYYYYYY(クリイイイイイイイ)──!!!」


 だからといってもちろん成年になら売りつけてよいものでもないので、心ある方々は謎の暗黒物質を軽率に売りさばかないようにしていただきたいが、それはさておき、超能侍は全身に怒りをみなぎらせ、ツインテール少女だったものの触手を両手で掴むと、身体を回転させて力任せに投げ飛ばした!


「心配だろうが早く逃げろ!」


「くっ──チョコミント主義者のバーカ! 異常者! 外道! そのオッサンにやられて無残な屍でも晒すがいいたにえん!」


 走り去りながらも隙あらば罵声! 自らの利益が最優先、助けてもらっておいてろくに礼も言わないのが、暗黒デス女子高生にありがちな、ただれた精神性であった! だがそれを嘆いている暇はない!


CREAYYYYYY(クリイイイイイイイ)──!」


 超能侍はなるべく被害の出そうにない、空いた車道の真ん中へツインテール少女だったものを飛ばしたのだが、騒ぎに気付いた周囲の者達が周りにたかってきてスマホで写真を撮り始めた。ツインテール少女だったものは、起き上がりざま、それら群衆に向かって高威力の触手を振りかぶった。


「撮っとる場合かァァァ──ッ!!!」


「ヒェェェェ!?」


 すかさず駆け寄る超能侍の怒号の、死線を潜り抜けた者ならではのただならぬ気迫に、群衆は逃げ散り、次の瞬間、彼らがいた場所を超音速で触手がなぎ払った。


 そうして触手が伸びきった隙を突いて、


 ドッゴォォォォ──ッッ──


 突進の勢いを乗せた超能侍渾身の張り手が、ツインテール少女だったものの胴体へ、清々しいまでのクリーンヒットを決めた! その威力、まるで大型トラックの激突! 常人ならばそのまま異世界へ転生してしまうだろう!


 その勢いによって吹き飛ばされる直前の一瞬に──


「え、あたし──どうなってジョシ──」


「!?」


 超能侍は、確かに、怪物になる前の、ツインテール少女の声を聞いた。


「人格が、戻ったのか──?」


CREAYYYYYY(クリイイイイイイイ)──!!!」


 しかし、30数メートル向こう、吹き飛ばされた先から起き上がる怪物の声には、人の理性など感じられなかった。


 一瞬首をひねった超能侍であったが──


「そうか! そういうことか!」


 一切の惑いが晴れた表情で、超能侍は怪物めがけて突進した。


 二本の触手が超音速で打ち込まれるのを見切ってかわし、懐へ入り込むと、


 バチィィィィン──


 さほど力を込めたとも思えない掌を、怪物の胴体に軽く叩き付けるのだった。


 これで倒せる相手でもあるまい。が──


CREAY(クリイイ)──う──ん──?」


 怪物はおとなしく動きを止め、うめき声はツインテール少女のものへと戻っていた。


「やはりな──」


 掌を油断なく相手に付けたまま、超能侍はつぶやいた。


 心・技・体、全てにおいて優れた力士から繰り出される張り手には、強力な相撲力のみならず、心正しい力士ならではの愛と正義が込められるものなのだ。その眩い光の力が、暗黒物質に蝕まれた肉体に作用し、暗黒エネルギーの影響をやわらげ、ひととき正気を取り戻させるのだ──ッ!


「このまま相撲力を流し込んでいれば、ひとまず暴走することはあるまい。しかしこのままでは埒があかん。どうするか──ん?」


 超能侍の手に、ぷるぷると相手の震えが伝わってきた。怪訝に顔を上げた超能侍に、絶叫がぶつけられる!


「ギャアアアアアッ!? 何触ってんの!? そこおっぱい!! おっぱいジョシ──ッッ!!!」


「え? あ?」


 思わず手を離した。普通の人体で言えば、みぞおちの少し下くらいの位置のはずなのだが──


CREAYYYYYY(クリイイイイイイイ)──ッ!!!」


「い、いかん!」


 手を離したことでまた理性がなくなったツインテール少女怪物の胴体の、今度は脇腹の辺りに手を置いた。


「ギャアアアアア──ッ!? そこはおっぱいどころじゃなくヤバいとこォォォ──ッ!!!」


「ま、またしてもスマン!?!?」


CREAYYYYYY(クリイイイイイイイ)──!!!」


 気まずくなってまたつい手を離してしまった超能侍は、触手攻撃を避けながらしばし考えた。


 そして意を決し、ある一点に手を伸ばした!


 ムニュッ──


 普通の人間の女性ならば胸にあたる位置に、怪物の肉体にも柔らかく盛り上がる箇所があった。超能侍はそこに手をうずめたのだ。普通の女性にそんなことをしては痴漢であり犯罪である。非常に気まずい行為ではあったが──


「──なんだろう、こうして肩を触られてると──安心するジョシ──」


「そうか──」


 おそらく暗黒デスタピオカに造り替えられた肉体は、通常の肉体とは神経の配置が異なり、触覚が混乱しているのだ。腹のあたりに胸の感覚があるのなら、代わりに胸には別の部位の感覚が宿っている──その読みが当たったのだ。


「あたし、どうなっちゃうんジョシ──こわいジョシ──」


「──このような身体でも治せそうな非常識な病院に、ひとつ心当たりがある。そこへ行こう」


 心細げな少女の声に、優しく力強い声を返し、胸から手を離さないまま、超能侍は少女怪物を抱き抱えた。


 そして、歩き始めた──ゼニンボーブリッジの向こう、銭十字病院の方向へ。


「おじさんさぁ──バカなの──? あたしたち暗黒デス女子高生ってさぁ、おじさんみたいに負けた人には平気でボロクソ言うし、何かあるとすぐにメリケンサック振りかざすクズじゃん──なんで危ない思いまでしてわざわざ助けたジョシ?」


「相手が自分を嫌うクズだからといって平気で見捨てるクズと、自分を嫌うクズでもつい助けてしまうバカ──どっちかにしかなれないなら、俺はバカを選ぶ。それだけだ」


「おじさん──ジョシ──」


 少女怪物が背中に回した触手に少し優しげな力がこもったのを感じながら、超能侍は足を進めた。


 その少し前方に、


「クケケケケバサーッッ!!!」


 上空から、突如、黒いものが、超高速で降下した。


「何者だ」


「死にたくなければそのガキを離すバサ」


 黒いもの──男は、超能侍の問いに答えることなく、一方的に要求を言い渡した。


「適量を守れず失敗作となったドアホーを放置して余計なことをされても面白くないのでなバサ」


「暗黒デスタピオカを売りさばく組織の者か──」


「クケケケケ、まぁ見た目でわかるよなバサ」


 そう言う男の身体は、少女怪物と同様に、黒く、ぬらぬらとしていた。だが、少女怪物よりは体格が格段に勝る。5メートルは越えるだろうか。背中にはコウモリのような翼が生え、バサリバサリと羽ばたいて空中にホバリングしている。ぬるりと光る顔面には鋭く吊り上がった目が赤く輝き、額には一対の鋭い角が生えている。その容貌は、まるで──


 悪魔。


 そして──金色の髪が結い上げられ、棒状となって、頭部のてっぺんに乗っている。そして股間には、白い布が巻かれており──


 そう、すなわち、チョンマゲとマワシ!


 この悪魔めいた男は、力士!


「ん、で、どうするバサ? そいつをかばって死ぬか、そいつを差し出して命乞いして、惨めな姿でオレを喜ばせてから死ぬバサ? さあさあどっちバサ?」


「俺はバカとクズならバカを選ぶが、そのどちらかを選ぶほどバカではない」


 声に怒気を込めながら、超能侍は計算を働かせた。あの悪魔力士はこの少女の命を狙っている。反撃のためには少女をどこかに放り投げ、我を失い暴走する少女から自分を守りつつ、少女を空中から攻撃するであろう悪魔力士を的確に迎撃できるベストポジション──針の穴を通すような最適解があるはずなのだ。


 抱き抱えた少女から震えが伝わってくる。


 考えろ──守護(まも)らねば──


「あっそバサ」


 次の瞬間、超能侍の意識は途切れた。


 超能侍にはひとつ誤算があった。


 相手の飛行速度を、せいぜいジェット戦闘機くらい──少女を抱えた自分にも対処できるであろうレベルに想定していたのだ。


 ────


 ゾドォォォォォン──


 衝撃波。


 しばらくして、何かが超高速で飛び去っていくのを、ゼニンボーブリッジをスキップで渡っていたエレガント山は、視界の端で捉えた。


 不吉な予感に、エレガント山はエレガントスキップをやめ、普段のエレガント余裕をかなぐり捨てたかのような本気のエレガント全力疾走で、長い長い橋を駆け抜けた。その速度はキューピッドの矢を上回り、エレガント山の全身から放たれるエレガント粒子は薔薇の花の形に固まるいとまを与えられず、七色に輝く光のまま宙に置き去りにされ、黄金の橋の上に、七色に煌めく軌跡を重ねた。


 現場はすぐに見つかった。


 ミサイルの直撃でも受けたかのように、道路がえぐれていた。


 その直径20メートルほどのクレーターの中に、


 血で真っ赤に染まった力士が倒れており、それは超能侍なのだとわかった。


 少し離れたところに、五体のちぎれかけた得体のしれない生物が転がっており、大量に流れ出た青い体液に浸っていた。


 それが、かろうじてピクリと動いた。


「おじ……さん……ジョシ……」


 その弱々しい声は、確かに、少女のものだった。

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