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world a king~異世界転生譚~  作者: 抹茶
幼少期編
9/101

王都へ

そうだった。

この少女は、服を着ていないんだった。

急いで拘束を外した俺は、適当な服を”保管庫”から出して渡し、部屋を出た。


なんだか物凄く居た堪れない気持ちになり、俺はリリナの場所に走った。

最初の森の場所に行くと、そこにはリリナがしっかりといた。

そのことに、物凄く安堵した。



「お帰りなさい!」


「ッ。ああ、ただいまリリナ」



そう言って、もう一度抱きしめた。

俺はまだ五歳の子供だ。

でも、それでも何かをしようと思えば出来るということが分かった。


これからは、もっと鍛錬したほうが良いだろう。

そして、全てを守れるようになりたい。

もちろん、第一優先はリリナだけどな。


とりあえず、今から練習しようと思う。

これは、さっき思いついた画期的な鍛錬方法だ。

まず、自然魔力の近辺一帯を俺の魔力で塗りつぶす。


その状態で、拡散した魔力から魔法を放出するのだ。

常時魔力を使用するはずだから、相当な鍛錬になる。

これを行えば、さらに魔力量と制御力が高くなるはずだ。


このまま、暫くはこの鍛錬をすることにした。

その方が良いし、何よりもすることが無いからだ。

リリナは、そんな俺の姿を見て微笑んでいる。



  ◆◇◆◇◆◇◆



翌日、昨日は村の家で寝たため、此処は村の中だ。

そして、俺は今村の広場に来ていた。

騎士団の人から、来てほしいと頼まれたからだ。


広場に辿り着くと、そこには立派に着込んだ騎士達が並んでいた。

それは、王を待つ臣下のようにも思える。

剣を胸の前で、上を向けて持ち、全員が俺の行く道の隣を並んでいる。


その先には、戦いの時に指揮をしていた男性がいる。

そこに向けて、俺は歩き出した。

五歳の子供に対して過剰過ぎる気がするが、まあ大丈夫だろう。



「先日ぶりですね。俺はリュウ・シルバーです」


「ご丁寧に。私は王都防衛第三騎士団副団長のキール・クリアです」



随分と長い肩書きのようだ。

しかし、何故王都の防衛を任されている騎士団が辺境に来たのだろう。

そう思っていたのが顔に出たのか、キールさんが答えてくれた。



「実は、国王による使命で、第三騎士団は辺境駐屯任務に移行中なんですよ」


「そうゆうことですか」



確かに、騎士団を辺境に駐屯させておくのは良い案だ。

俺にとってもかなり有用になる。

まずは、魔力適正を頂かなくてはな。



「失礼ですが、本日はどのような御用で?」


「そうでしたね。・・・・・・・騎士団総員よりお伝えします。今回は、助太刀頂き、真にありがとうございました!!」



これまでとは違い、凛と響く声でそう言った。

それに習ったように、騎士達もお礼の言葉を口にした。

俺はといえば、驚きですこし固まっていた。



「そのお礼とまでは行きませんが、何か頼みはありますか?」


「・・・・・・・・・・・なら、妹と王都に連れて行ってください」


「王都、ですか?」


「ええ」



俺の頼みに、キールさんは少し難しい顔をした。

流石に、子供二人を運ぶのに騎士団を使うのは無理か。

まあ、こう考えた理由は幾つかあるのだが。



「何故、と聞いても?」


「簡単です。この村の人間はほとんどが消えました。此処では生きる術がありません」



そう、この廃村には魔物達が住み着くだろう。

その場合は、前までの洞窟に住むことになるが、食料の問題がある。

それになにより、リリナに楽をさせてあげたい。



「・・・・・・・・・・・・・良いでしょう。但し、出発は今すぐですよ?」


「分かりました」



その言葉を受け、俺は急いで家に戻った。

中にはリリナが待っていたが、事情を説明して俺の家に行った。

ほとんど中は焼け焦げていたが、少しは残っている。


その中から、必要だと思うもの、大切なものを取り出して収納した。

少しの銀貨が蓄えとしてあったので、それも貰った。

こうして準備を終えた俺とリリナは、騎士団の方に向かった。


そこでは、馬に次々と騎士達が乗っている。

俺とリリナは、別々の馬に乗ることになった。

俺の方はキールさんで、リリナは女性だ。


彼女は、囚われていたがギリギリ純情であった。

そして、しっかりとした意識もあったため、すぐに復帰したのだ。

今では、この騎士団の華になっている。


出発した俺達は、直行で王都に向かうことになっている。

理由としては、すぐに辺境に戻らないといけないから、だそうだ。

閑話休題


そんな中、俺は周囲の男達を見ていた。

なんとかして魔力適正を知れれば、複製することが可能なのだ。

そのために、打開策を考えている。




俺達を乗せた馬は、しっかりと王都へ向けて走っている。

この先の王都で出会うのは、天使か悪魔か、運命の歯車は動き出している。

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