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world a king~異世界転生譚~  作者: 抹茶
創造神と神々、人々は未来へと――
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EX 1

今回、最高に場が盛り上がっていく途中!

に出来なかったので、先に謝罪します。すいませんでした。


それでは、本編をどうぞ

全能感が身体を包む。

今なら、何だって出来る確信がある。


同時に、全てを破壊する確信も、俺にはある。

ふと、脳裏に浮かんだ微笑みを浮かべる女性に、俺は呟いた。


「ミュア…………全てが終わったら……」


「なんですか?」


「えっ……?」


1人、ぽつりと呟いた俺は、流石に返事が来るとは思っていなかった。

驚いた顔で振り返ると、そこには、今も頭に浮かべていた人物が、立っている。

その内包された力は、驚くほどに小さい。


弱々しく輝くミュアは、それでも俺には月のように見えた。

突然のことに驚く。向こうも、聞きたいことがあるだろう。

それでも、今は後にする。


大きく息を吸って、頭の中を冷やす。

あくまでも冷酷に。ただ純粋に殺意だけを振りまいて。

今だけは、俺じゃなくて良い。


一切の慈悲も無く、遂行するのが目的だ。


「いや、なんでもない。久しぶりで悪いけど、頼める?」


「私を何だと思ってるんですか?このくらい、私にも任せてくださいよ」


「ああ……………!!」


言葉を交わさずとも、それは通じた。


少しだけ拗ねたように告げるミュアに、俺は軽く苦笑して頷いた。

そう、ミュアとはこういう人物だ。

俺が、一番最初に生涯を誓った。


魔力の流れが、膨大に渦巻いていくのを感じる。

次元そのものに干渉された世界が、その不具合の強さに崩壊しかけているのだ。


「最短で、本体を潰す」


「勿論!」


「ちょっと!!私もいるんだけど?」


意気込んでいた時に、その声は俺の隣から聞こえた。

此処まで揃ったら、別に確認する必要も無い。


「そうだな、セラ。でも、太陽神が太陽の前に出てきて良いのか?」


「そんなの、貴方がどうにかするでしょ?」


呆れるほどに豪胆で、何よりも俺を信頼している言葉だった。

思わず、呆れと、そして強い安心感を覚える。


「勿論だ。”完全防壁パーフェクト・プロテクション”」


黄金色の輝きが、俺を含めて3人の身体に宿る。

あらゆる神力以外の攻撃を防ぐこの防壁を扱うことが出来るのは、まだ俺だけだ。

その時だった。


「ソウカ。ワレジシンデアッタカ」


そんな声と同時に、俺の身体から闇が逃れるように放出された。

膨大な量の闇色は、そのまま俺達を囲うように散らばり、象られていく。

その姿は、漆黒の狼へと変貌していった。


総勢17匹の狼が俺達を囲い、その牙を剥いている。


「亜・神狼か。面倒だな」


その姿を見て、俺はそう呟いた。

神々の化身と謳われる神の狼。それが魔神によって改変された存在。

それが、亜・神狼だ。


こいつ等を殲滅するのに、たった数秒程度しか掛からないはずだ。

だが、その分面倒だ。魔法の行使が。


それに――


「それなら、私が「いや、良い」」


それならば、と前へと歩み出ようとするミュアの前に手を翳し、止めた。

そう、もう既に俺達の出番ではないのだ。


「オオオオォォォォォォォン!!!!」


狼達の、さらに後ろの丘から、気高く、凛と響く遠吠えが聞こえてきた。

激しく身体が刺激され、力が溢れるように感じられる。

金の狼が、その場所から姿を、現した。


と、もう一対。


「オオオオォォォォォォォン!!!!」


まったく反対側の丘から、またもや遠吠えが響いた。

心の奥底に響くような声は、癒しを齎している。

銀の狼が、その場所へと優雅に歩み寄ってきた。


2対の狼の瞳に宿る意志は、強い。


怯み始める漆黒の狼達へ、2対の狼は突撃した。

その気迫だけで、ダメージ判定があるように漆黒の狼達は呻き声を漏らしている。


一瞬にして、漆黒の狼達は2対の狼に敗れていった。

2対の狼、シルバとコオは、そのまま俺の後ろに控えるように立った。


「久しぶりだな。守護神シルバ、コオ」


そう言うと、シルバとコオは、返事をするように軽く鳴き声を上げた。

全てのメンバーがこの場に集まった。

邪魔者を駆除するための戦いの準備は万端だ。


俺は、集った仲間達を見据えながら、1つの思いを浮かべていた。


(全員、創造神としての仲間しかいないな……)


「往くぞ?」


「ええ」


「分かってます」


「「ワウッ!!」」


全員がしっかりと返事をしたことを確認して、俺は前へと向いた。


「”転移”!!」


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