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world a king~異世界転生譚~  作者: 抹茶
閑話集
50/101

冬の一時(2)

更新の時間を伝え忘れてしまい、申し訳御座いませんでした。

作者の都合上、20時以降、21時以内の更新を心掛けさせて頂きます。


体育祭、勝ちました。

嬉しいので、こんな場所まで持ち込んでしまい、申し訳御座いません。

ですが、これももしかしたら応援してくださった(居るとは言っていない)読者様のお陰かもしれません。

大変、ありがとう御座います。

~前書き~


この話と、次話につきましては文法が変わります。

また、閑話については編集していませんが、ご了承してください。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



駆け抜けた先に着いた洞窟で、俺はすぐさま採掘を始めた。

今回使う宝石は、<魔鋼>と呼ばれる希少な鉱石だ。

鉄鋼を超高温で熱した状態で、大量の魔力を込めることで僅かに生成される。


その石を今回使おうと思っている。


(頑張らないと、な!!)


「”炎焔”」


燃え盛る炎を生み出した俺は、それに魔力を込めていく。

膨大な量を誇る俺の魔力を吸い上げて肥大化していく炎は、次第にその輝きを増していっている。

赤から、さらに白に近付くように光を増し、大きさは優に俺を越えていく。


その炎を見て、俺は1つ頷いた。


(このくらいだね)


「”業炎の世界”」


そう呟いた途端、炎は弾けるように拡散して、洞窟の石を燃やし尽くしていった。

どんどん、どんどんと石は溶け、その奥から新しい岩が見えてくる。


そんな中、キラリと光る石を見つけた俺は、ニヤリと笑った。

どうやら、随分と調子の良いスタートを切れているようだ。


(やっぱり、魔鋼だった・・・・・・)


その石を採掘して確かめると、魔力を吸い上げて輝く水晶となっていた。

どうやら、魔力濃度が高すぎたようだ。


次に、この水晶を魔法で加工していく。

創るのは、ネックレスにした。

他のものも考えたのだが、一番気楽に着けられそうだからだ。


「”炎焔””付与”」


付与を使ったのは他でもない。

この石自体に、付与したいものがあるからだ。

っと、そんなことはともかく・・・・・・・・・・・・


「”氷抵抗”」


焔で宝石にする部分以外を溶かし、氷で宝石にする部分の強度を上げる。

魔法に対する適応力が高い鉱石は本当に助かる。


「このくらい、かな」


手の平に収まるくらいの大きさに溶かした宝石を見て、そう呟く。

下から見ると、まだ凹凸が見られるが、おおよその形は整っただろう。


(じゃ、磨くか・・・・・・・)


この部分に適当な魔力適正を俺は1つも持っていない。

だから、自分の手で磨く他に無いのだ。

ここまでに、30分ほどの時間を使ってしまった。


街まで戻るのに10分掛かると考えれば、残る時間は20分だ。

さらに、そこにアクセサリにこの宝石を填め込む作業を考えると、磨くのに掛けられる時間は10分ほどだ。


(不味いな・・・・・・凹凸を減らすのに時間を食い過ぎた)


かなり厳しい失敗をしたもんだ、と内心で呟きながら、すぐに磨くのを開始した。

そこでふと、思いつく。


(これなら時間の短縮になるかも・・・・・・)


思い立ったが何チャラだ。

すぐに行動を開始する。


「”氷抵抗””疾風の衝撃”」


簡単な事をするだけだ。

地面を凍らせ、さらに氷の上に俺が乗る。

それを、後ろから風の槌で思いっきり叩けば進むという寸法だ。


これなら、作業に集中しながら、移動も出来るかもしれない。

日本人の精神力舐めんな。


ブウン!!


風圧の塊が俺の背中から直撃し、氷の床を凄い速度で進んで行く。

それを確認した俺は、磨くのに集中した。

若干、焔を使用しているが、宝石自体にはほとんどダメージも無いので大丈夫だろう。


そうやって、街に戻り始めたのだった。




______________________________





一方そのころ、学園の家ではカレンとシオンが話していた。


「じゃあ、何が好きだと思う?」


「そうですね・・・・・・・そう考えると、何も浮かばないですね」


「でしょ!?」


今は、リュウの好きなモノについての会議中だ。

ただ、リュウ自身が過去とかについて話さないから、2人は難題にぶつかっている。


「「う~ん・・・・・・・・」」


2人して唸っている中、シオンがぽつりと呟いた。


「唯一分かってるのは、カレンさんのことが好きなことですよね」


その一言に反応したのは、シオン自身であった。

バッ、と立ち上がり、カレンの瞳を見つめて告げる。


「リュウさんが帰ってきた時に、料理作りましょう!」


「え?」


1人で意気込むシオンを見て、カレンは目が点になったように戸惑うばかり。

話に付いていけてないからだ。

そんなカレンを見て、シオンは一度咳払いしてから、話始めた。


「リュウさんが好きなのはカレンさん。なら、カレンさんに疲れたところを癒してもらえば、喜んでもらえるんじゃないでしょうか?」


「た、確かに・・・・・・・・・・でも、私何もできな・・・あっ!」


「そうです。だから、手料理を作ってあげましょう!」


納得したようなカレンに、シオンはそう告げた。

それを聞いて、カレンも顔を上げて頷く。


「分かったわ!」


すぐさま、2人は行動を開始した。

どうやら、リュウは街の外へと駆け抜けていったことが分かったので、買い物を済まして家に戻る。


「多分、リュウさんは日が完全に沈む前に帰ってくると思います」


「ええ、そうね」


2人はそう確認しあい、料理を開始したのだった。




_____________________________





何十回だろうか、ついに俺は街に戻ってきていた。

門の前で止まり、兵士に身分を証明した俺は、すぐさま街の中へと駆け込み、露店を物色し始めた。


もう宝石の磨きは完成しており、光に反射して輝いている。

意外なことに、磨いたことによって、色が薄い桃色へと変化していた。

透き通ったピンクというのは綺麗で、なかなか上出来に感じる。


(さてと・・・・・・・あと10分あるから、しっかりと選ばないとな・・・・・)


そう。かなり短時間で帰ってきた俺には、10分という時間が残されているのだ。

上手く填め込むのが出来るなら、選ぶのに8分は使えると考えて良いだろう。

なるべく屋敷から離れ過ぎないように、俺は露店を見て回っている。


(金が良いのか?いやでも、白銀のネックレスにピンクの宝石も・・・・・)


ネックレスは、やはり売れるのか、多くの露店で売っている。

何故店の中ではないのか、と聞かれれば、店の商品は宝石込みだからだ。


(綺麗なんだけど、宝石を填めれないからな・・・・・・・・・)


「すいません。このネックレスっていくらですか?」


(?・・・・・・・・・・・)


ふと、そんな言葉に耳が傾いた。

その声の方を振り向くと、そこには少女が露店でネックレスを見ている所だった。

どうやら、その手に握られた蒼い透明の宝石を填めるようで、真剣に選んでいる。


――それを見ている、露店の主人も真剣な顔付きだ。


(どうしたんだろ・・・・・?)


時間が少ないことは分かっているが、それでも惹かれた俺は、近くまで歩み寄った。

そこまで来て、店の名前が目の留まり、その理由が分かった。


『ペア・マネー・ネックレス』


そう書かれた看板を掲げているのは、この店だ。

説明書きを見ると、以下の通りらしい。


1、欲しい宝石を選ぶ

2、砂の中から一枚のカードを選ぶ

3、そのカードに書かれた数×ネックレスの値段になる

4、カードの内分は以下の通りである


・0.1×1

・0.5×2

・ 1×5

・1.3×3

・1.5×2

・ 2×1


(ギャンブル性のある露店だな・・・・・・・・)


安くなる確立が4分の1というのは、かなり手に取りたくなる店だ。

もしかしたら、と考えるギリギリくらいのラインを引かれている。


(でも・・・・・・・・・やってみるか・・・・・・・・・・)


だからこそ、運が問われる。


「主人。俺にもやらせてくれ」


「おうよ!」





今話、次話と続けて閑話が続きますが、その次からは本編を進めます。

本編の場合は、20時更新を予定していますので、宜しくお願いします。


次回の更新は、9/14(金)となります。

以前のような理想的な更新を維持出来ず大変心苦しいのですが、見守って下さると幸いです。

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