冬の一時(2)
更新の時間を伝え忘れてしまい、申し訳御座いませんでした。
作者の都合上、20時以降、21時以内の更新を心掛けさせて頂きます。
体育祭、勝ちました。
嬉しいので、こんな場所まで持ち込んでしまい、申し訳御座いません。
ですが、これももしかしたら応援してくださった(居るとは言っていない)読者様のお陰かもしれません。
大変、ありがとう御座います。
~前書き~
この話と、次話につきましては文法が変わります。
また、閑話については編集していませんが、ご了承してください。
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駆け抜けた先に着いた洞窟で、俺はすぐさま採掘を始めた。
今回使う宝石は、<魔鋼>と呼ばれる希少な鉱石だ。
鉄鋼を超高温で熱した状態で、大量の魔力を込めることで僅かに生成される。
その石を今回使おうと思っている。
(頑張らないと、な!!)
「”炎焔”」
燃え盛る炎を生み出した俺は、それに魔力を込めていく。
膨大な量を誇る俺の魔力を吸い上げて肥大化していく炎は、次第にその輝きを増していっている。
赤から、さらに白に近付くように光を増し、大きさは優に俺を越えていく。
その炎を見て、俺は1つ頷いた。
(このくらいだね)
「”業炎の世界”」
そう呟いた途端、炎は弾けるように拡散して、洞窟の石を燃やし尽くしていった。
どんどん、どんどんと石は溶け、その奥から新しい岩が見えてくる。
そんな中、キラリと光る石を見つけた俺は、ニヤリと笑った。
どうやら、随分と調子の良いスタートを切れているようだ。
(やっぱり、魔鋼だった・・・・・・)
その石を採掘して確かめると、魔力を吸い上げて輝く水晶となっていた。
どうやら、魔力濃度が高すぎたようだ。
次に、この水晶を魔法で加工していく。
創るのは、ネックレスにした。
他のものも考えたのだが、一番気楽に着けられそうだからだ。
「”炎焔””付与”」
付与を使ったのは他でもない。
この石自体に、付与したいものがあるからだ。
っと、そんなことはともかく・・・・・・・・・・・・
「”氷抵抗”」
焔で宝石にする部分以外を溶かし、氷で宝石にする部分の強度を上げる。
魔法に対する適応力が高い鉱石は本当に助かる。
「このくらい、かな」
手の平に収まるくらいの大きさに溶かした宝石を見て、そう呟く。
下から見ると、まだ凹凸が見られるが、おおよその形は整っただろう。
(じゃ、磨くか・・・・・・・)
この部分に適当な魔力適正を俺は1つも持っていない。
だから、自分の手で磨く他に無いのだ。
ここまでに、30分ほどの時間を使ってしまった。
街まで戻るのに10分掛かると考えれば、残る時間は20分だ。
さらに、そこにアクセサリにこの宝石を填め込む作業を考えると、磨くのに掛けられる時間は10分ほどだ。
(不味いな・・・・・・凹凸を減らすのに時間を食い過ぎた)
かなり厳しい失敗をしたもんだ、と内心で呟きながら、すぐに磨くのを開始した。
そこでふと、思いつく。
(これなら時間の短縮になるかも・・・・・・)
思い立ったが何チャラだ。
すぐに行動を開始する。
「”氷抵抗””疾風の衝撃”」
簡単な事をするだけだ。
地面を凍らせ、さらに氷の上に俺が乗る。
それを、後ろから風の槌で思いっきり叩けば進むという寸法だ。
これなら、作業に集中しながら、移動も出来るかもしれない。
日本人の精神力舐めんな。
ブウン!!
風圧の塊が俺の背中から直撃し、氷の床を凄い速度で進んで行く。
それを確認した俺は、磨くのに集中した。
若干、焔を使用しているが、宝石自体にはほとんどダメージも無いので大丈夫だろう。
そうやって、街に戻り始めたのだった。
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一方そのころ、学園の家ではカレンとシオンが話していた。
「じゃあ、何が好きだと思う?」
「そうですね・・・・・・・そう考えると、何も浮かばないですね」
「でしょ!?」
今は、リュウの好きなモノについての会議中だ。
ただ、リュウ自身が過去とかについて話さないから、2人は難題にぶつかっている。
「「う~ん・・・・・・・・」」
2人して唸っている中、シオンがぽつりと呟いた。
「唯一分かってるのは、カレンさんのことが好きなことですよね」
その一言に反応したのは、シオン自身であった。
バッ、と立ち上がり、カレンの瞳を見つめて告げる。
「リュウさんが帰ってきた時に、料理作りましょう!」
「え?」
1人で意気込むシオンを見て、カレンは目が点になったように戸惑うばかり。
話に付いていけてないからだ。
そんなカレンを見て、シオンは一度咳払いしてから、話始めた。
「リュウさんが好きなのはカレンさん。なら、カレンさんに疲れたところを癒してもらえば、喜んでもらえるんじゃないでしょうか?」
「た、確かに・・・・・・・・・・でも、私何もできな・・・あっ!」
「そうです。だから、手料理を作ってあげましょう!」
納得したようなカレンに、シオンはそう告げた。
それを聞いて、カレンも顔を上げて頷く。
「分かったわ!」
すぐさま、2人は行動を開始した。
どうやら、リュウは街の外へと駆け抜けていったことが分かったので、買い物を済まして家に戻る。
「多分、リュウさんは日が完全に沈む前に帰ってくると思います」
「ええ、そうね」
2人はそう確認しあい、料理を開始したのだった。
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何十回だろうか、ついに俺は街に戻ってきていた。
門の前で止まり、兵士に身分を証明した俺は、すぐさま街の中へと駆け込み、露店を物色し始めた。
もう宝石の磨きは完成しており、光に反射して輝いている。
意外なことに、磨いたことによって、色が薄い桃色へと変化していた。
透き通ったピンクというのは綺麗で、なかなか上出来に感じる。
(さてと・・・・・・・あと10分あるから、しっかりと選ばないとな・・・・・)
そう。かなり短時間で帰ってきた俺には、10分という時間が残されているのだ。
上手く填め込むのが出来るなら、選ぶのに8分は使えると考えて良いだろう。
なるべく屋敷から離れ過ぎないように、俺は露店を見て回っている。
(金が良いのか?いやでも、白銀のネックレスにピンクの宝石も・・・・・)
ネックレスは、やはり売れるのか、多くの露店で売っている。
何故店の中ではないのか、と聞かれれば、店の商品は宝石込みだからだ。
(綺麗なんだけど、宝石を填めれないからな・・・・・・・・・)
「すいません。このネックレスっていくらですか?」
(?・・・・・・・・・・・)
ふと、そんな言葉に耳が傾いた。
その声の方を振り向くと、そこには少女が露店でネックレスを見ている所だった。
どうやら、その手に握られた蒼い透明の宝石を填めるようで、真剣に選んでいる。
――それを見ている、露店の主人も真剣な顔付きだ。
(どうしたんだろ・・・・・?)
時間が少ないことは分かっているが、それでも惹かれた俺は、近くまで歩み寄った。
そこまで来て、店の名前が目の留まり、その理由が分かった。
『ペア・マネー・ネックレス』
そう書かれた看板を掲げているのは、この店だ。
説明書きを見ると、以下の通りらしい。
1、欲しい宝石を選ぶ
2、砂の中から一枚のカードを選ぶ
3、そのカードに書かれた数×ネックレスの値段になる
4、カードの内分は以下の通りである
・0.1×1
・0.5×2
・ 1×5
・1.3×3
・1.5×2
・ 2×1
(ギャンブル性のある露店だな・・・・・・・・)
安くなる確立が4分の1というのは、かなり手に取りたくなる店だ。
もしかしたら、と考えるギリギリくらいのラインを引かれている。
(でも・・・・・・・・・やってみるか・・・・・・・・・・)
だからこそ、運が問われる。
「主人。俺にもやらせてくれ」
「おうよ!」
今話、次話と続けて閑話が続きますが、その次からは本編を進めます。
本編の場合は、20時更新を予定していますので、宜しくお願いします。
次回の更新は、9/14(金)となります。
以前のような理想的な更新を維持出来ず大変心苦しいのですが、見守って下さると幸いです。




