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world a king~異世界転生譚~  作者: 抹茶
幼少期編
13/101

王都(2)

今回は、少し特殊な更新となります。

この、「王都」の話につきましては2話構成なのですが、編集している途中で至らない部分に気付き、4話構成にすることにしたのです。

そのため、現在「王都(2)」になっている話を4話目に変更して、2話追加する予定です。


初めての宿屋は、村の家とは少しだけ寝心地が違かった。


それでも、リリナと俺は気持ち良く寝れて、目覚めも良かった。


流石に、緊張が解けたとかあるのだろうか。



そんな事を考えながら、俺とリリナは朝食を食べに街中を歩いていた。




「そういえば、此処って何処なんだろうね?」




ふと、リリナがそう呟いた。


そういえば、俺も此処が何処だか気にしたことは無かった。


王都の中に入った時も、王都としか言われていない。




(流石に、王都の中でも区分はされてると思うけど・・・・・・・・・・)




確かに、そういった名前は聞いたことが無い。


2人して首を傾げながら、露店の商品を眺めた。




「あ!お兄ちゃん、あれ食べてみたい!」


「ん?」




リリナが指差したのは、何かを液体に漬けたようなモノ。


ハッキリ言って、食べ物であるという確証すら怪しい。




(何でこんなゲテモノを好んで食べようとするんだろう・・・・・・)




リリナに聞いても答えてくれるか分からないが、そんな事を思う。


昨日もだが、以前からリリナは玄人好みのゲテモノばかりを選ぶ。


チラリと横を見れば、興味津々といった感じのリリナ。



ハァ、と諦めの溜息を吐いて、俺はその露店へと近付いた。




「すいません。それを2つください」




瓶に似た何かに入れられたそのナニかを指差して、俺はそう言った。


店主であろう男は、俺を見てニヤリと笑い――




「お、面白いガキが来たな?良いだろう。2つで銅貨4枚だ」




ポケットから銀貨を出して、銅貨6枚を受け取る。


それと同時にそのナニかも受け取った―――のだが。




「これは・・・・・・・・・・・・・・」




思わず、食べるのを躊躇うレベルで凄まじい臭いがする。


嫌いでも無いが、好きには到底なれない変な臭い。


そんな俺を見て、リリナは笑みを浮かべて近付いてきて―――




「とりゃぁっ!」



「うわッ!?」




手に持ったナニかに、かぶりついた。


呆然とする俺を無視して、笑みを絶やさないまま噛み、飲み込む。




(え・・・・・・・・・・・・速過ぎない?)




見届けてから、理解した。


食べるの速過ぎるのではないだろうか。


口に含んでから、僅か数秒ほどで飲み込んでしまった。



大きさ的には、リリナの口じゃ一口では収まらないというのに。


ははは・・・・・・・・と、思わず苦笑しながら、俺はリリナを伺った。


ただ、リリナは笑みを崩さないのを見て、俺は理解する。




(うん。美味しいんだな、きっと)




それ以上を考えるのは無駄な気がして、俺は考えるのを諦める。


手に残されたもう片方のナニかを見つめて――




「む・・・・・・・・・・」



(あ、魚を焼いたのだ・・・・・・・・・・・・・・)




――そう思った。


























さて、色々とあったが朝食の済んだ俺達は、そのまま街中へと歩いて行った。


特にコレといって用事がある訳では無いので、観光だ。




「わ~!見て見てお兄ちゃん!これ、騎士さんの剣だよ~」




ふと、リリナの目に留まったのは露店に置いてあった一振りの剣。


鉄で出来ている剣で、確かに騎士達と同じ製法の様だ。




その粗悪さを除けば。




っと、そんな事を考えていると、リリナの楽しそうな姿が視界に入る。




「おとと、とうりゃあぁ!」




足りない力で何とか剣を持とうとしているが、ピクリとしか動かない。


微笑ましい気持ちになるのを感じながら、俺はリリナに近付いた。




「ほら、他のお店も見に行こう?」



「ん?・・・・分かった!」




剣と俺を交互に見比べた後、リリナは笑顔で頷いた。




(そこは悩まないでほしかったなぁ・・・・・・・・・・・・・)




っと、そう思うがリリナも小さな子供だ。


剣というものに憧れるのも当然だろう。


前へと進んで行くリリナを追いかけるように、俺も歩き出す。







その時だった。




「あら、昨日ぶりね」


「え?・・・・・・・・・・・ああ、昨日の」




突然後ろから聞いたことのある声が聞こえ振り向くと、そこには昨日の少女が。


少し驚いたように目を開いていることから、偶然なんだと思う。


付き添いのように、背後に2人の騎士が佇んでいる。




「何してるの?」


「ん?・・・・・・・・・妹と買い物です」




唐突な質問に素で答えてしまった途端、騎士から威圧が降りかかった。


一度間を置いてから話すと、威圧は軽減される。


この少女は、貴族だ。俺は平民。



その事を、理解しないと駄目なのだろう。




「ふ~ん、そ。じゃあ、私も付いて行くわ」


「そうなん・・・・・・え?」


「私も付いて行くと言ったのよ」




俺の返答に、呆れたような口調で少女が答えた。


どうやら、本気で言っているようだ。


バレないように、小さく目を動かして騎士を確認。




(き、気にしてない・・・・・・・・・・・・)




驚くことに、騎士は何の問題も無いように、無言を貫いたままだった。


表情も、数瞬前と何も変わらない。


つまりこれは――




(確定・・・・・・・)




なんだか満足気な少女を連れて、俺はリリナの後を追った。


なんだろうか、嫌な予感がする。

次回の更新は、「王都(3)」が完成してからになります。

恐らく、今週中には投稿出来ると思います。

早ければ、明後日にでも。


この小説を面白い。続きが読みたい。

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